行っとく?四国八十八か所

四国といえば、やっぱり四国八十八か所霊場。

四国八十八か所霊場参りは四国一周・総距離1400kmの道のりを巡る、日本最大の霊場で世界でも類を見ないほどの大規模な聖地巡礼の旅。2014年には開創1200年を迎え、日本では西国三十三観音霊場に次いで2番目に古い歴史ある霊場です。

四国が生んだ仏教界のスーパースター、弘法大師・空海の足跡をたどるこの巡礼は「お遍路」というフレーズでもおなじみですよね。

お遍路といえば”お年寄り向けのスタンプラリー”というイメージかもしれませんが、最近は若い人や外国人のお遍路さんもかなり増えていて、若い女性の姿もずいぶんと増えました。一人で歩き遍路をする外国人や女性も少なからずいます。

あなたも、一度は四国霊場を巡ってみませんか?

このページでは四国霊場の各札所の記事と奥の院や近くの番外霊場などをまとめています。お寺の詳細についてはリンク先をチェックしてくださいね😆

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how to四国八十八か所霊場

四国四県にまたがる四国霊場、敷居が高そうって思っていませんか?

初めてのお遍路で気になること、まとめてみました。意外かもしれませんがお遍路にはこれといったルールはなく、おそらくあなたが思っている以上にゆるゆるですよ😂

どこから始めればいい?

四国全体でお寺の配置はこんな感じになっています。

高知県の西側から愛媛県南部にかけてのスカスカな配置は試されてる感があり、修行の道場のラストスパートとなっています。38番札所の立地に至ってはもはや狂気、このへんマジで修行感ある。

このレトロな四国霊場地図は21番太龍寺や22番平等寺などで入手できますが、山の上の太龍寺では200円、平地の平等寺では100円という富士山の自販機みたいな価格設定でした。

四国八十八か所霊場は弘法大師が開いた四国全土を巡る霊場ですが、もともとは現在のような1番から88番までの順番はありませんでした。

1番から続く札所番号がそれぞれありますが、必ずしも1番札所から始めて順番に周っていく…というわけではなく、広島県や岡山県の人はしまなみ海道や瀬戸大橋を渡った対岸にある札所からスタートしたり、九州の人は大分県からフェリーで愛媛県へ渡り、最寄りの札所からスタートしたりとフリーダム。

現在のように四国霊場に札所番号が定められたのは実は江戸時代のことで、真念という僧侶が庶民向けのガイドブックを作ったことで浸透したもの。現在の四国遍路の基礎を作ったことから、真念は「四国遍路の父」といわれています。

真念以前の四国遍路は奥の院や番外札所、遍路道沿いのお堂や神社まで網羅するもので、現在よりもハードでした

・かつて四国遍路はガチ修行の場で一般人が巡礼することはなく、当時は88の札所と山や谷を歩き、その間にある仏堂をすべて巡礼した(488里=1952km、1里を4kmで算出)
・真念が定めたルートは庶民向けの300里余り(およそ1200km)

徳島県の霊山寺が1番札所になったのは”関西から四国に渡るルートでいちばん最初にあるお寺だから”というシンプルな理由です。真念さん、お遍路してないときは大阪にいたからね😂

過去には香川県にある78番札所善通寺が一番札所だった時代もあるんですよ。

好きなところから始めて良し。

順に回るか、逆から回るか

四国霊場は徳島が「発心(ほっしん)の道場」、高知が「修行の道場」、愛媛が「菩提(ぼだい)の道場」、香川が「涅槃(ねはん)の道場」と呼ばれ、この流れは人生に例えられています

・「発心」とは、人間が”仏教に帰依しようとする心を起こす”こと。
・「修行」というと肉体的に苦しいものを連想しますが、そうではなく”心身共に仏道を身に付けて善行を積む”ということ。
・「菩提」とは道であり、知であり、覚である。発心の道場、修業の道場を経て、ようやくたどりつける境地。
・「涅槃」とはあらゆる苦を絶ち、一切の煩悩を滅ぼし、不生不滅、解脱の境地。

1番から順に回ることを「順打ち(じゅんうち)」、88番から回ることを「逆打ち(さかうち)」といいますが、ほとんどの人が順打ち派。逆打ちは少数派です。

なぜなら、逆打ちのほうがハードだから。

また、高知は海、愛媛は山、香川は平地に札所が多く配置されています。スタート地点の徳島は海も山も平地もまんべんなくあり、進研ゼミのように『あっ、これ徳島でやったやつだ!』と後々の道中のためにいつの間にか鍛えられているという、優れたシステム👍

  • 阿波で脚を固め、
  • 土佐で心落ち着け、
  • 伊予で信に入り、
  • 讃岐で諸願成就する

ともいわれています。意外とストーリー性があり、意味がある配置なんですよね🤔

これって、逆スタートだとすごいしんどいと思いませんか?

お遍路の元祖といわれる衛門三郎(えもんさぶろう)も、順打ちでは20回以上巡礼しても会えなかったのに、逆打ちをすると弘法大師に会うことができました。なので、逆打ちは結願の功徳が3倍になるといわれています。衛門三郎が逆打ちをしたのがうるう年なので、るう年に逆打ちをするとお大師さまに会えるとも。

ちなみに、今も四国霊場を巡っているといわれるお大師さんは完全順打ち派です。

初めてのお遍路は順打ちがおすすめ。
ほとんどの方が順打ちなので、順打ちの場合は標識や看板、お先達さんなどがつけてくれた目印などがたくさんありますが、逆の場合はほぼありません。ただし、カーナビがあれば無問題。

逆打ち専用の納経帳もありますよ。

どんな服装で行けばいい?

「お遍路」といえば全身白装束を着て、同行二人(どうぎょうににん)と書かれた菅笠(すげがさ)をかぶり、金剛杖をついた姿で歩いて巡るというイメージがわくかもしれませんね。

実は、スタンダードな全身お遍路スタイルの人って団体バスツアー参加者の方が多かったりします(これは個人の感想)。

必ずしもガチガチのお遍路スタイルである必要はなく、”お寺を参拝する”という行為にふさわしい服装であればOKです。女性も男性も肩や背中が丸出しみたいな過剰な露出をしない(虫に刺されるから露出ダメ、絶対!)、砂利敷きの境内を歩きにくいようなペラッペラのビーチサンダルや極端にヒールが高い靴は避けましょう、という程度のドレスコード。

もちろん、本来は白衣を着て輪袈裟(わげさ)をつけ、菅笠と金剛杖を持って巡るものではありますが、無理に格好にこだわるよりも『巡礼にふさわしいふるまいをしよう』という心がけのほうがよほど大事じゃないでしょうか。

これは私が適当に言っているわけではなく、四国遍路日本遺産協議会が発行するお遍路のパンフレットでも”カジュアルな服装でOK”となっているのでご安心ください。ちなみに、この「はじめてのお遍路」という漫画は協議会のホームページでも閲覧できますよ(ただしPDF)。

一人で何回も歩き遍路をしているお遍路ガチ勢だと、意外と動きやすい服装に白衣だけ・金剛杖だけ、みたいな部分的にお遍路感を出す人のほうが多い印象です。

四国民としては大きなリュックを背負って歩いている人はどんな服装でも8割方お遍路さんであろう、という認識。四国では、全身白装束でも部分的お遍路スタイルでも、奇異な目で見られることは一切ありません。むしろ、その辺のおばあちゃんがお接待のみかんとかお茶を持って来てもてなしてくれますし、遍路道以外の場所を歩いていると小学生くらいの子供でも『お遍路さん、〇〇寺はあっちに行くんですよ』と声をかけてくれるほど生活に根付いています。

必ずしも全身お遍路スタイルである必要はなく、動きやすい服装でOK。
ただ、お寺の境内だけでも白衣や輪袈裟くらいは着けると巡礼感が出て、気分が上がるよ!

歩かないとダメ?

お寺を回る順番と同じく交通手段もとくに決まりはなく、体力があるなら全行程を歩いてもいいし、車やバイクなどの文明の利器を使用してもOK。初めてのお遍路なら、バスツアーなどで引率してくれるガイドさんやお先達さんがいると安心ですよね🥺

基本は車だけど札所間の距離が近いところだけ歩いてみたり、基本は歩きだけど次の札所までめちゃめちゃ遠いところだけ電車に乗るとか、交通手段は場合によって組み合わせてもOKなんですよ。

これじゃないと遍路じゃない!みたいな縛りはまったくありません。

体力と予算、お遍路に費やせる日数に合わせて、お好みの交通手段でお出かけください。

どのくらいの時間がかかる?

全行程をすべて歩く「歩き遍路」は難易度ウルトラハード、所要時間はおよそ40日~50日間です。全行程を自家用車で行く場合、10日~14日くらいが目安になります。

これは四国八十八か所のみを回る期間の目安。奥の院や番外霊場、別格霊場まで回ることでより弘法大師の足跡をたどることができるので、時間や予算が許せばぜひ合わせてお参りを。

自家用車の場合は早くて10日くらい、歩きの場合は40日~で回れます。

お遍路の予算はどのくらい?

お遍路にかかる金銭的なものについては、巡拝用品をどのくらい揃えるのか、利用する交通手段や宿泊する場所などでも大幅に変わるので、完全に人それぞれとしか言えません。

納経帳に御朱印をいただくのであれば、お寺ごとに納経料300円×88か寺で26,400円は最低限必要ですよね。プラスお賽銭も。

ちなみに四国霊場のお寺はすべて拝観料は無料で、参拝だけならタダです(お賽銭除く、お寺の施設が一部有料の場合もあり)。

結願までのタイムリミットは?

四国八十八か所すべてのお寺をコンプリートすることを「結願(けちがん)」といいます。お遍路を始めるなら、ぜひとも結願を目指したいですよね👍

お遍路を始めたらいつまでに終わらないといけないという決まりはないので、行けるときに少しずつ周ってもOKです。社会人だととくに、長期休暇のたびに少しずつ…というスタイルになりがちですが、それでOKなんです。

うちは親がお遍路好きだったので子供の頃に5回結願し、高野山も行きました。20歳くらいの頃にまた自分だけで行ってみようと思い立ちましたが途中で投げ出してしまい、平成から令和まで結願を持ち越し中。。。20年越しくらいでまたお遍路の続きを始めました。

1番札所からスタートして88番まで回り切る割合は60%程度といわれているので、意外と少ない気がしませんか?

お遍路にはタイムリミットなし。生きているうちにコンプリートできればOK。

準備ができたら、お遍路に行ってみよう!

あまり堅苦しく考えず、お遍路をやってみようかな?と思ったらまずは四国へ行ってみましょう。

季節を問わず、晴れの日も雨の日も、あなたと同じように『今日からお遍路を始める!』という方が必ずいます。スタンダードな回り方なら徳島県の第1番札所から、逆打ちなら香川県の第88番札所から。

お好きなところからどうぞ。

発心の道場・徳島の札所


徳島県には四国八十八か所霊場の88か寺のうち、1番札所から23番札所までの23か寺があります。

修行の道場・高知の札所

高知県には四国八十八か所霊場の88か寺のうち、24番札所から39番札所までの16か寺があります。

菩提の道場・愛媛の札所

準備中

涅槃の道場・香川の札所

準備中

スペシャルイヤーにはスペシャルな授与品も!

四国霊場開創の節目の年には特別な散華(さんげ)や御影(おすがた)がもらえるなど、ちょっとお得だったりします。今後のスペシャルイヤーをまとめておくので、これからお遍路をしようと思う方は参考になさってください。

2020年は「弘法大師諡号1100年」記念の年

2020年は「大師諡号1100年」の記念の年なので、2019年5月1日より御詠歌(ごえいか)のお札が授与されています。このお札の授与終了時期は2021年12月31日までなので、まだこれからお遍路を始めて十分間に合います!

諡号(しごう)
真言宗の開祖である空海上人は「弘法大師」と呼ばれていますが、これは「諡(おくりな)」という没後に与えられる特別な名で、醍醐天皇から延喜21年(921年)10月27日に賜ったものです。

お札のデザインなど、詳しくは霊場会の公式サイトでチェック☆

御詠歌札を収めるのにちょうどいい、御影が2枚収納できる御影帳も新登場しています。お揃いの柄の納経帳もあるので、女性におすすめ。

諡号記念ピンバッジを集めよう

 

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四国霊場第66番札所 雲辺寺 うんぺんじー(@unpenji)がシェアした投稿


88あるお寺のうち、以下の8か寺限定で諡号記念ピンバッジの授与もあります。コンプリートするとお大師さんの御宝号「南無大師遍照金剛」となります✨

  • 南:9番 法輪寺
  • 無:17番 井戸寺
  • 大:30番 善楽寺
  • 師:37番 岩本寺
  • 遍:45番 岩屋寺
  • 照:58番 仙遊寺
  • 金:66番 雲辺寺
  • 剛:83番 一宮寺

弘法大師を表す、真ん中の「ユ」の梵字ピンバッジは8か寺どこでも購入できます。

ピンバッジ専用ケースの台紙は四国四県で色が違い、

  • 徳島は青
  • 高知は緑
  • 愛媛は黄色
  • 香川は赤

となっています(画像は一宮寺公式ホームページから拝借)。

好きな色のケースを扱っている県で忘れずに購入しましょう。こちらのケースも、ピンバッジがあるお寺でしか購入できませんよ!

ピンバッジ:各600円
ケース:1100円

★諡号記念ピンバッチはネット通販等での取り扱いはないので、集めたい方は必ず該当のお寺で手に入れてくださいね。

弘法大師納経始まるよ!

2020年1月1日からは弘法大師の特別な納経が登場予定!88か寺すべての納経を集めて霊場会に郵送すると、特別な納経帳に仕立てることができます。

★大師納経は諡号1100年記念事業ではなく、授与期限は定められていないため今後ずっといただけるようです。

2023年は弘法大師生誕1250年

諡号1100年の次は弘法大師生誕1250年の記念イヤーがすぐ始まります。まだ何もアナウンスされていませんが、また特別なお札などの授与があるはず。

出かける前にチェック

お遍路に出かける前には、必ず霊場会の公式ホームページで最新情報をチェックしてくださいね。お遍路の基礎知識や心構えをもっと詳しく知りたい場合や、四国までの交通手段などもこちらで調べることができますよ。

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