四国八十八か所霊場は四国四県にまんべんなく札所が散りばめられていて、徳島県には第1番から第23番までの23か寺があります。
このページでは徳島にある23か寺のほか、あわせて参拝したい奥の院や番外札所をまとめました。
★番外札所は数が多いため、御朱印がいただけるところだけを記載しています。
徳島の札所の配置
徳島県内の23か寺と、このページで紹介している奥の院や番外札所、周辺寺院の配置はこんな感じ。
- 紺色:四国霊場の札所
- 黄色:奥の院、番外札所、周辺寺院
- 朱色:元札所や周辺の主要な神社
1番札所霊山寺
順打ちの場合のスタート地点となる第1番札所霊山寺(りょうぜんじ)。本堂の幻想的な吊り灯籠が有名です。納経所に大きな売店があり、お遍路用品の現地調達も可能。
1番札所奥の院
■東林院
霊山寺の奥の院は東林院(とうりんいん)。第2番札所極楽寺とは反対方向にあるので、霊山寺の前に参拝するのがおすすめ。
★奥の院には専用の納経帳もあり、東林院で購入できます。八十八か所の納経帳と違い、現地ではなかなか手に入らないので事前にネットで購入しておくのもおすすめ。
阿波国一の宮・大麻比古神社(おおあさひこじんじゃ)も古くは霊山寺の奥の院でした。奥の院の納経はありませんが、交通安全の御利益があるのでお遍路さんが参拝する姿もよく見かけます。
1番前札所
江戸時代は関西方面から船で鳴門に上陸してお遍路をスタートしていました。そんな時代から霊山寺前に参拝することがスタンダードだったのが「1番前札所」といわれる十輪寺(じゅうりんじ)。弘法大師がここで四国霊場開創について談義したという由緒があり、「談議所」と呼ばれています。
位置的には東林院と霊山寺の中間くらいなので、東林院→十輪寺→霊山寺が黄金パターン。
2番札所極楽寺
第2番札所極楽寺(ごくらくじ)も県道12号線沿いにあります。山沿いにあり、42段の厄除け階段を上がって本堂へ。安産のお寺として有名です。
3番札所金泉寺
第3番札所金泉寺(こんせんじ)には弘法大師が掘った「黄金の井戸」があり、姿が映れば長生きするといわれています。迫力ある「倶利伽羅(くりから)龍王」像も見どころ。源義経が屋島の戦いへ向かう途中に立ち寄った伝説もあります。
3番札所奥の院
■宝国寺
宝国寺(ほうこくじ)は奥の院ではないという説もあり。納経はお向かいの民家で書置きをいただけます。
■愛染院
愛染院(あいぜんいん)は足腰の健康祈願で有名、境内にはたくさんのわらじが奉納されています。刷毛(はけ)で書かれる力強い梵字の御朱印は四国で唯一の珍しいもの。
4番札所大日寺
第4番札所大日寺(だいにちじ)は江戸時代に奉納された木造の西国三十三観音が見どころ。修復されたばかりで、繊細な飾りがきれいです。
★4番札所と13番札所は同名なので間違えないように注意
5番札所地蔵寺
第5番札所地蔵寺(じぞうじ)は鎧をまとって馬に乗った姿が珍しい「勝軍地蔵菩薩」が御本尊。仁王門には金剛力士の代わりに四天王の多聞天と持国天がいます。
5番札所奥の院
奥の院五百羅漢堂(ごひゃくらかんどう)は地蔵寺と隣接しています。木造で彩色のある五百羅漢は全国でも珍しく、四国ではここだけという貴重なもの。
★拝観料200円
番外札所
大山寺(たいさんじ)はかつては番外札所のひとつでした。毎年1月の第3日曜日に行われる、巨大な鏡餅を運ぶ謎の行事「力餅」が有名です。
大山寺では複数の御朱印がいただけます。
- 四国別格二十霊場第1番札所
- 四国三十六不動霊場第1番札所
- 阿波西国三十三観音霊場第25番札所
- 四国十三仏霊場・不動明王
6番札所安楽寺
第6番札所安楽寺(あんらくじ)は昔から温泉が湧いていて、本堂の前にも「金の湯」「銀の湯」という生ぬるい温泉があります。お遍路さんにとても人気がある宿坊にももちろん温泉あり。
宿坊が人気!
安楽寺といえば、温泉がある宿坊が人気です。歩きの場合はちょうど6番か7番あたりで1日目を終える方が多いので、安楽寺か次の十楽寺の宿坊に宿泊する方が多いです。
電話受付時間:8:00~21:00
★設備や料金など、詳しくは安楽寺公式サイトをチェック
★安楽寺の宿坊はネット予約もできます→楽天トラベルで予約する
7番札所十楽寺
第7番札所十楽寺(じゅうらくじ)は目に御利益があるお寺。ビジネスホテルのような宿坊があり、お遍路さんに圧倒的な人気があります。
縁結びの愛染明王もお祀りしていて、愛染明王の御朱印もいただけます。
宿坊が人気!
徳島県の札所で宿坊人気ツートップが安楽寺と十楽寺。↑ビジネスホテルじゃないよ、宿坊だよ😂門限や消灯時間がなく、宿坊にしては自由に過ごせるのが特徴。
電話予約受付時間:7:00~17:00
★設備や料金など、詳しくは十楽寺公式サイトをチェック
8番札所熊谷寺
第8番札所熊谷寺(くまだにじ)は広い境内に四国霊場最古の仁王門や多宝塔があり、貴重な木造建築物の宝庫。「花のお寺」としても知られ、季節の花が迎えてくれます。
9番札所法輪寺
第9番札所法輪寺(ほうりんじ)は「田中の法輪さん」と呼ばれる、畑のど真ん中にあるポツンと札所。四国霊場で唯一の涅槃釈迦如来が御本尊で、足腰の健康祈願で有名です。
10番札所切幡寺
第10番札所切幡寺(きりはたじ)は標高155mの山の中腹にあるお寺。豊臣秀頼が父・秀吉の菩提を弔うために建てた貴重な塔が移築され、「切幡寺大塔」として現存しています。
★車遍路にとっての難所、333段の階段(回避ルートあり)
10番札所奥の院
八祖大師(はっそだいし)は切幡寺大塔の奥にあります。納経は切幡寺で。
番外札所
高越寺(こうつじ)は標高1133mの高越山の頂上にあります。東の吉野、西の高越と並び称される修験道の道場で、女人禁制の聖地でした。現在も8月の十八山会式は女性は山門より先には入れないとか。
11番札所藤井寺
第11番札所藤井寺(ふじいでら)は山を背にした静かなロケーションのお寺。弘法大師お手植えと伝わる五色の藤が有名です。
11番札所奥の院
藤井寺の奥の院は焼山寺道沿いにあるミニ八十八か所の先にあり、大日如来像がお祀りされています。納経は藤井寺で。
番外札所
童学寺(どうがくじ)は弘法大師が幼い頃に勉強した「学問所」で、いろは文字をここで発明したといわれています。
- 四国別格二十霊場第2番
- 四国三十六不動霊場第11番
12番札所焼山寺
第12番札所焼山寺(しょうさんじ)は標高938mの焼山寺山のほぼ頂上にあり、歩き遍路の方にとっては「最初にして最大の難所」といわれています。車の場合も、山を大きく迂回するので藤井寺から1時間以上かかります。
12番札所奥の院
奥の院の蔵王大権現は焼山寺山の頂上にあり、本堂左奥に登山道があるそうです。距離は約1km。納経は焼山寺で。
番外札所
■柳水庵
柳水庵(りゅうすいあん)は弘法大師もひと休みした場所で、焼山寺道の真ん中あたりに位置しています。地元の人に「柳の水」と呼ばれるお加持水があります。かつては宿坊があったそうですが、現在は休憩所のみ。
■一本杉庵
一本杉庵(いっぽんすぎあん)は「浄蓮庵(じょうれんあん)」とも呼ばれています。高さ24メートルの大きな杉の木があり、歩き遍路の方は修行大師像が迎えてくれる光景に感動するそうですよ。
■杖杉庵
杖杉庵(じょうしんあん)はお遍路の元祖といわれる「衛門三郎(えもんさぶろう)」ゆかりの地。弘法大師に懺悔するため四国霊場を何度も巡礼して、この地で亡くなりました。
★杖杉庵以外は車遍路だと御朱印を拒否されたという情報をいただきました⇒SNS等でも「歩き遍路限定」という口コミがあり、やはり車遍路では拝受不可能の模様。
■鍬持ち大師
吉祥院(きっしょういん)は再興されたばかりですが歴史は古く、歴代天皇からの信仰も篤かった由緒あるお寺です。このあたりの土地は弘法大師がみずから鍬を持って開墾したという伝説があり、「鍬持ち(くわもち)大師」と呼ばれています。
焼山寺から大日寺への遍路道の途中にあるので、立ち寄ってみては。
13番札所大日寺
第13番札所大日寺(だいにちじ)は鮎喰川沿いにあり、山と川に挟まれたお寺。横長な境内はそれほど広くないですが、本堂や大師堂は彫刻が華やかできれいです。
★4番札所と13番札所は同名なので間違えないように注意
13番札所奥の院
■建治寺
- 13番札所大日寺奥の院
- 四国三十六不動霊場第12番札所
■国中寺
国中寺(くになかじ)はボケ除けで有名なお寺。納経は大日寺で。
■一宮神社
明治時代の神仏分離まで札所だった一宮(いちのみや)神社。奥の院の納経はありませんが、大日寺のすぐ目の前にあるので立ち寄りやすいです。
14番札所常楽寺
第14番札所常楽寺(じょうらくじ)は四国霊場で唯一の弥勒菩薩が御本尊のお寺。岩盤むき出しでワイルドな境内は足元注意。猫がたくさんいて癒されます(=^・・^=)
14番札所奥の院
★納経は常楽寺で。
15番札所阿波国分寺
第15番札所阿波国分寺(あわこくぶんじ)は聖武天皇勅願所、全国に60余りある国分寺のひとつ「阿波国分寺」です。豪快に岩を配した庭園が有名。
★2019年現在、本堂の修復工事中(2020年3月頃終了予定)
16番札所観音寺
第16番札所観音寺(かんおんじ)は住宅街の中にあるお寺。四国霊場で唯一、白衣に光明真言印を押してくれます。
17番札所井戸寺
第17番札所井戸寺(いどじ)は蜂須賀家の屋敷から移築された武家風の門が見どころのひとつ。奉納されたわらじは四国霊場最大級です。弘法大師が掘ったという井戸は「姿が映らなければ3年以内に死ぬ」といわれるドキドキスポット。
番外札所
■地蔵院
地蔵院(じぞういん)から八万町へと抜ける遍路道は「地蔵越え」と呼ばれて今でも歩きのお遍路さんの姿があり、地蔵越えの入り口にある地蔵院をお参りする人も多いです。
■金刀比羅神社
勢見山の中腹にある金刀比羅神社(ことひらじんじゃ)も古くは番外札所でした。徳島の市街地にあるので、お遍路さんはあまり通らないルートかも。
■丈六寺
丈六寺(じょうろくじ)は「阿波の法隆寺」と呼ばれ、重要文化財がたくさんある古刹。紅葉の名所としても有名です。
- 阿波秩父観音霊場第24番札所
■如意輪寺
如意輪寺(にょいりんじ)は中津峰山の中腹にあるお寺。「中津峰の観音さん」と呼ばれて親しまれています。
- 新四国曼荼羅霊場第81番札所
- 阿波秩父観音霊場第1番
- 阿波七福神霊場・大黒天
18番札所恩山寺
第18番札所恩山寺(おんざんじ)は弘法大師の母君ゆかりのお寺。万能で一生もののお守り「摺袈裟(すりげさ)」はここでしか手に入りません。
18番札所奥の院
金磯弁財天(かないそべんざいてん)は海沿いにあり、昔は離れ小島でした。近くに住宅街がありますがあまり人気がなく、不思議な空気感があります。
19番札所立江寺
第19番札所立江寺(たつえじ)は「四国霊場の総関所」と呼ばれるお寺。住宅街の中にありますが、広い境内にたくさんのお堂や多宝塔があり、見どころがいっぱい。定期的に「寺市」というマルシェイベントも開かれています。
19番札所奥の院
■清水寺
清水寺(せいすいじ)は立江寺から白鷺橋を渡って800mほど離れたところにあり、立江寺がもともとあった場所がここだといわれています。納経は立江寺で。
■拳正寺
拳正寺(けんしょうじ)は立江寺の奥の院とされていますが、立江寺は認めていないそうなので奥の院としての御朱印はありません。阿波六地蔵のみ。
- 阿波六地蔵霊場第6番札所
■取星寺
取星寺(しゅしょうじ)は太龍寺で修行中の弘法大師が地上に厄災をもたらす悪星を祈り落としたという伝説のなかで、落ちた星を拾い上げ、妙見菩薩と虚空蔵菩薩を刻んで安置したという場所。ご住職が不在の場合は書置きが置いてあるそうです。
- 19番立江寺奥の院
- 阿波七福神霊場・福禄寿
■星の岩屋
「星の岩屋」で有名な星谷寺(しょうこくじ)も立江寺の奥の院ですが、納経はなぜか20番札所鶴林寺で行っています。
また、星の岩屋の近くにある「仏陀石」の納経は同じ勝浦町内にある妙音寺(みょうおんじ)でいただけるそうです。しかし、2019年12月に訪ねてみましたがお留守で、本堂隣にご自宅っぽい建物がありますが人が住んでいる気配がなかったです。
改めて星の岩屋のWikipediaを見ると、
仏陀石の納経は法性寺(徳島県勝浦郡勝浦町大字三溪字宮平98)にて行なっている
(Wikipedia星谷寺より引用)
となっていたので、納経に対応するお寺が変わったのかも。場所はこちらです。
番外札所
「沼江大師(ぬえだいし)」と呼ばれ、正式には胎蔵寺(たいぞうじ)といいます。”縁結び大師”という、縁結びをしてくれる珍しいお大師さまです。
20番札所鶴林寺
第20番札所鶴林寺(かくりんじ)は徳島の神社仏閣がことごとく焼き尽くされた長宗我部元親の「天正の兵火」を逃れた聖地。標高516mの鶴林寺山のほぼ頂上、495m地点にある遍路転がし第二弾。
20番札所奥の院
慈眼寺(じげんじ)は「穴禅定」という狭い洞窟を通り抜ける修行で有名なお寺。本堂までの道のりが45番札所岩屋寺並みのハードモードという噂。。。
- 20番札所鶴林寺奥の院
- 四国別格二十霊場第3番札所
21番札所太龍寺
第21番札所太龍寺(たいりゅうじ)は標高600mの太竜寺山の505m地点にあり、アクセス不便な遍路転がし第三弾。「西の高野」といわれる聖地です。
★ロープウェイの開通で楽々アクセスできるようになりました。
21番札所奥の院
■黒滝寺
黒滝寺(くろたきじ)は標高700mの黒滝山の頂上にあるお寺。
- 21番札所太龍寺奥の院
- 新四国曼荼羅霊場第88番札所
■舎心ヶ嶽(しゃしんがたけ)
弘法大師が19歳のときに虚空蔵求聞持法の修行をした聖地。太龍寺本堂から約700m離れた場所にある崖に求聞持法修行大師像があります。納経は太龍寺で。
番外札所
■氷柱観音
氷柱観音(つららかんのん)は太龍寺ロープウェイの乗り場近くにあります。納経は悉地院(しっちいん)で。
■一宿寺
一宿寺(いっしゅくじ)は太龍寺への遍路道「かも道」の起点にあり、境内には古い丁石もたくさん残っています。太龍寺ロープウェイを利用する場合はちょっとアクセスしにくいかも。
- 阿南七薬師霊場第1番札所
「猫神さん」で有名なお松大権現が近くにありますよ。
22番札所平等寺
第22番札所平等寺(びょうどうじ)は秘仏だった御本尊を常時開帳し、お賽銭が電子マネーにも対応している「開かれたお寺」。カラフルな五色の幕で彩られた境内は華やかで女性受けします。
22番札所奥の院
弥谷観音堂(いやだにかんのんどう)は国道55号線沿いにある福井ダムの近く。弘法大師が19歳のとき、17日間の護摩修法を行い御本尊の如意輪観音像を刻みました。
- 22番札所平等寺奥の院
- 阿波坂東観音霊場第1番札所
境内に納経所がありますが、ほぼ無人。管理をしている真光寺(しんこうじ)に電話して来ていただくか、出向くと御朱印をいただけます。
番外札所
23番札所薬王寺
第23番札所薬王寺(やくおうじ)は「厄除けのお寺」として有名。年間100万人が参拝する、徳島を代表するお寺です。大きな瑜祇塔は日和佐のシンボル的存在、中では戒壇巡りができます。
23番札所奥の院
泰仙寺(たいせんじ)は標高530mの玉厨子山の中腹にあるお寺。薬王寺の本堂が火災にあったとき、御本尊が飛んで行ったといわれる場所です。納経は薬王寺で。
番外札所
■鯖大師
・四国別格二十霊場第4番札所
■打越寺→現在は御朱印の対応をしていない可能性あり
打越寺(うちこしじ)はJR山河内駅の近くにあります。徳島に8つあった「駅路寺」のひとつ。
■江音寺
・新四国曼荼羅霊場第86番札所
■古目大師
★徳島県最南端のお寺
四国霊場まとめ
高知の札所
愛媛の札所
準備中
香川の札所
準備中