東林院は鳴門市大麻町にあるお寺で、創建から1300年近い歴史があります。
弘法大師がこの地を訪れて農業を広めたという伝承があり、「種蒔(たねまき)大師」と呼ばれています。東林院は弘法大師ゆかりの長い歴史がありますが、イベントなども多数開催されている意外なほど開かれたお寺。
境内には古墳やカフェもあって、見どころがたくさんありますよ😆
東林院へのアクセス
- 霊山寺からは約4km、車だと7分~8分程度
- 神戸淡路鳴門自動車道鳴門インターから15分程度
東林院は幹線道路からやや奥まった場所にあります。周辺には大きな看板がありますが、入り口が少しわかりにくく、宇志比古神社の参道から入るのが一番わかりやすいかも。
県道12号線沿いにこんな感じで宇志比古神社の鳥居があり、そのまま車で突き当りまで行くと宇志比古神社、左側に東林院の入り口があります。
東林院の駐車場
東林院には参拝者が無料で利用できる駐車場があります。
本坊の前まで車で入ることができ、未舗装の広場があって駐車できるようになっていました。
公共交通機関でのアクセス
東林院に車以外で行く場合は、JRとバスが利用できます。
- JR鳴門線阿波大谷駅から徒歩10分
- JR徳島駅から徳島バス鳴門大麻線に乗車し「大師前」バス停で下車、徒歩4分
東林院の御朱印
東林院は本坊の左隣に納経所があり、そこで書いていだだけます。納経所の中に呼び出し用のインターホンがありますが、壊れているのか何回か押しても反応なしでした💦他の方が納経に来られたとき、便乗して書いていただきました。
東林院は複数の霊場で札所となっていて、御朱印が複数あります。
- 四国八十八か所霊場第1番札所霊山寺奥の院
- 新四国曼荼羅霊場第1番札所
- 阿波北嶺薬師霊場第16番札所
東林院の納経所では新四国曼荼羅霊場や四国八十八か所奥の院専用など、各種納経帳、納め札の取り扱いもあります💁♀️
霊山寺奥の院の御朱印
東林院の御影
東林院で納経をすると、御本尊のお姿を描いた御影(おすがた・おみえ)が無料でいただけます。
霊山寺奥の院の御影
一番札所奥の院の御影は御詠歌入りの珍しいものでした。
東林院の納経受付時間
東林院の納経受付時間は7:00から17:00までです。
東林院について
寺伝によれば奈良時代の天平5年(733年)に行基によって建立されたと伝えられている。
かつては、薬王寺・太龍寺・鶴林寺・隆禅寺・神応寺・瑞川院・荘厳院と並ぶ阿波国八門首(阿波八本寺)の一寺院に数えられ、末寺16か寺を持つ大寺であった。
平安時代前期の大同3 – 4年(808年 – 809年)に空海(弘法大師)がここを訪れ、住民に真言の教えを伝えるとともに農業振興を奨励したと言われる。伝承によれば、空海自ら鍬を取り米・麦の種を蒔き、災害の調伏を行ったとされ、これにより当寺院は「種蒔弘法大師」と称されるようになった。 江戸時代前期の元禄13年(1700年)前後に大火に遭い伽藍の大半を焼亡した。これ以後、寺院は縮小した。
昭和59年(1984年)に本坊が新築された。なお、本坊の本尊は愛染明王、本堂(薬師堂)の本尊(札所本尊でもある)は薬師如来だが、当寺の信仰上の中心は本堂よりひと回り大きい大師堂の弘法大師(種蒔大師)である。
なお、東林院には大谷焼の陶祖の文右衛門の墓として窯業関係者の間で大切にされてきた墓があるが、大谷焼研究家の豊田進の調査によって萬七の墓であることがわかり、大谷焼の陶祖は萬七であることが判明している(萬七と文右衛門が同一人物かは分かっていない)。毎年11月の第2土曜日・日曜日に境内において、陶器市「大谷焼 窯まつり」が行なわれる。(Wikipedia東林院(鳴門市)より引用)
東林院は天平5年(733年)に行基菩薩によって開基された、1300年近い歴史があるお寺です。
江戸時代には末寺16か寺を有する阿波国の有力な寺院で、高野山へ優秀な僧侶を送り出す「学問の寺」として栄えましたが、1700年頃の火災で多数の伽藍を焼失したうえ、明治時代の廃仏毀釈によって規模が小さくなったようです。
四国八十八か所霊場第1番札所霊山寺の奥の院でもあり、昔のお遍路さんは霊山寺に向かう前に東林院を参拝し、”四国遍路発心の種を蒔いた”といわれています。
このことにより、今でも「何かを始めるときには東林院に参拝するとよい」といわれています。
正式には八葉山(はちようざん)東林院(とうりんいん)神宮寺(じんぐうじ)といい、高野山真言宗のお寺です。かつては大谷八幡宮(現在の宇志比古神社)の別当寺であったことが寺号の由来と思われます。
通称は院号「東林院」を使用していますが、一般的には「種蒔大師」と呼ばれています。
「種蒔大師」の由来
東林院が昔から「種蒔(たねまき)大師」と呼ばれているのは、弘法大師の伝説によるものです。
大同3~4年(808年~809年)にこの地を訪れた弘法大師がしばらく滞在し、自ら鍬を持って米や麦を植えて農業を奨励、また災害や病気から住民を救うための祈念・祈祷をしたといわれています。
境内には種蒔大師の伝承を伝える石碑があります。「大師が自ら鍬を持って種を蒔いた」という伝説は、番外霊場の鍬持ち大師・吉祥院と似ていますね🤔
東林院の御本尊
本坊に大きく「本尊愛染明王」と書かれていますが、薬師堂の薬師如来が本来の御本尊。「種蒔大師」と呼ばれる東林院の信仰の中心は、やはり大師堂の弘法大師となっています👏
また、東林院には国の重要文化財に指定されている弥勒菩薩座像があり、拝顔できます(拝観料無料)。当日でも納経所で申し出ると案内していただけるようですが、事前に電話などで予約しておくのがおすすめ。
東林院の見どころ
東林院で個人的に気になる&おすすめの見どころを写真つきでご紹介します!参拝される前にチェックして参考になさってくださいね。
立派な本坊
東林院の本坊は昭和59年(1984年)に改修された比較的新しいもの。いちばん目立つ大きな建物ですが、こちらは本堂ではなくご住職のお住まいで、薬師堂が本堂にあたるそうです。
本坊前にはものすごい笑顔の行基菩薩像。
東林院を創建したのは行基です。
行基像の隣には広島の原爆の火を灯した「平和の火」があります。
本坊の奥に行くと、大師堂と薬師堂があります。
東林院はフラットな境内ですが、ここだけちょっと階段があるのでご注意ください。
階段の途中には、願いごとをひとつだけ叶えてくれるという「一願観世音菩薩像」があります。
立派な大師堂
本坊は新しいですが、大師堂は歴史がありそうな古い建物でした。
木鼻にはとても手の込んだ彫刻がありますが、中央の獅子に違和感。
お口とれちゃった?😲💦
大師堂には奥殿があり、隣の薬師堂よりも大きい立派な建物でした。
びんずるさんは学問の神さま
大師堂には賓頭盧尊者(びんずるそんじゃ)。
一般的には「びんずるさん」と呼ばれる病気平癒のなで仏ですが、東林院では学問の神さまとしてお祀りされています。
とりあえずなで回しておきましたが、びんずるさんの周りは合格祈願の絵馬でいっぱいなのが珍しい。
大先達の像
大師堂の前にあったこの像。
最初は
「えらいラフな大師像やなぁ…」
と思ったんですが😂、実は大師像ではなく、
四国八十八か所霊場を308回巡礼したという、岸上幸吉大先達の像でした😮
「先達(せんだつ)」は四国八十八か所を4回以上巡礼して、多くの人を巡礼に導いた実績があると四国霊場会に認められるシステムで、先達→権中先達→中先達→権大先達→大先達とランクアップします。ランクアップにも先達になってから〇年以上経過、〇回以上巡礼とかいろいろ条件があって、大先達はなかなかなれるものではありません。
岸上大先達はとんでもないお遍路モンスターな印象ですが、やはり上には上がいるもので、600回巡礼されている現役先達さんもいるとか…。
控えめな薬師堂
大師堂の左隣には薬師堂。ちんまりとしていて本堂感はありませんが、御本尊の薬師如来像は行基菩薩作と伝わる貴重なもの。
薬師堂の前には十三仏像がありました。柔和な表情がかわいらしい。
不動明王
大師堂の右側には2つの不動明王像が並んでいて、こちらは「滅悪不動尊」。
むっちりした童子を従えています。
奥には小ぶりな「大日大聖不動明王」。
どちらも由来は不明です。
イボ取り地蔵
不動明王の近くには「イボ取り地蔵」。表情がわからないほどすり切れた古いお地蔵さんがお祀りされていました。
阿波陶祖の碑
鳴門市には「大谷焼」という伝統工芸があり、東林院の近くにも窯元があります。
江戸時代後期に大分県出身の文右衛門という陶芸士が焼き物の技法を伝えたのが大谷焼の始まり。ブラタモリ(2019年3月16日放送)でやっていた、”お遍路のお接待のお礼に陶芸を教えた”というエピソードがこの文右衛門さんでしょうか🤔
文右衛門さんの亡骸を供養したのが東林院だったので、境内に「阿波陶祖の碑」が作られたそうです。東林院の大師堂の灯籠や香炉は陶器製で、本坊前にも大きな甕があり、すべて大谷焼でできています!
こんな鳴門らしいところもぜひチェックしてくださいね💁♀️
古墳があるお寺!?
大師堂の奥には「穴観音古墳」があります。ガチ古墳です。穴観音古墳は6世紀後半のものとされ、扉の隙間から石室の中を見ることができました。石室はかなり小さくて奥行きも高さもない感じで、中には石仏がいくつかお祀りされていました。
古墳のあたりは空気がひんやりとしていて、ちょっと不気味な雰囲気です😅
かわいいカフェがあるお寺
東林院にある珍しいものは古墳だけじゃない。
東林院の納経所の前には、お寺に似つかわしくないかわいらしい建物。ここは「ろうそく夜」というカフェで、東林院にはお寺の境内にカフェがあるんです!お寺にカフェ、徳島ではおそらくここだけのレアスポットです✨
店内はかなりコンパクトで、ランチは10食限定という小ぢんまりとしたお店ですが、かなりの人気店のようでオープンとともに続々とお客さんが来ていました。
ランチの様子はこちら💁♀️
東林院オリジナルおみくじ「一行一光くじ」
東林院には「一行一光くじ」という変わったおみくじがあります!
一般的なおみくじのような吉凶ではなく、阿波弁(徳島の方言)でズバッとひと言で書いてあるもの。
私が今まで引いたのは
「無敵の、まずまずじゃ。」
「まあまあ、でええやん。」
という内容でした。
わかるような、わからないような、それでいて妙に記憶に残るフレーズです。おみくじは神仏からのメッセージなので、吉凶だけでなく書いてある内容こそが重要なんですが、時間が経つと忘れてしまいますよね💦
一行一光くじは1年経ってもしっかり覚えています🤭
四国放送「ゴジカル!」でも紹介され、島川アナと四星球・北島さんが奇跡のシンクロしてました😂
全部で108通りあり、定期的に内容が変わるそうなので、参拝ごとに引いてみたいですね。
本坊左にある「納経所」内にあり、不在の場合は料金箱にお金(100円)を入れて引けるようになっています。
まとめ
県道12号線沿いに大きな看板があり、昔から名前だけは知っていた「種蒔大師」。初めて参拝しましたが、広い境内にはいろいろな石仏のほか、古墳まであって見どころ盛りだくさんでした。
奥の院まで参拝する人は少ないので四国八十八か所霊場の札所のように混雑していなくて、ゆっくりと参拝できました。
東林院は御朱印の種類も多いので、鳴門市で御朱印巡りをする方にはおすすめですよ。
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