徳島県板野郡|6番札所安楽寺には温泉が湧く!本堂にはガチャガチャがある楽しいお寺

四国霊場

四国八十八か所霊場第6番札所安楽寺(あんらくじ)は弘法大師の時代からある温泉が有名なお寺で、山号もストレートに「温泉山」といいます。温泉つきの宿坊も大人気!

安楽寺の境内は広く、有名な仏師が彫った金剛力士像や江戸時代から残る方丈、四国霊場では珍しい願い棒修行ができるなど、見どころがたくさんありますよ💁‍♀️

本堂には安楽寺オリジナルのガチャガチャがあり、こちらも人気✨

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安楽寺へのアクセス

安楽寺
〒771-1311
徳島県板野郡上板町引野字寺ノ西北8

安楽寺は県道139号線から少し奥まったところにあります。周囲は道幅が狭いところもあるので注意してください。

土成方面からは国道318号線から県道139号線へ、板野方面からは県道12号線から県道139号線へと進みます。周囲には案内標識がいくつもあるので、場所はわかりやすいです。

  • 徳島自動車道土成インターから約3.5km
  • 高松自動車道板野インターから約8.8km

安楽寺の駐車場

安楽寺には参拝客が無料で利用できる駐車場があります(普通車50台)。

参拝客用の駐車場は道路をはさんだ向かい側にあり、安楽寺までは100mほど歩きます。境内にも駐車スペースがありますが、そちらは身体障害者の方と宿泊者専用となっています。

駐車場には四国霊場の88の御本尊を描いた石碑と修行大師像がありました。

公共交通機関でのアクセス

安楽寺へは公共交通機関でのアクセスが困難です。

  • 最寄り駅はJR徳島線の牛島駅、6.9km
  • 徳島バス「鍛冶屋原線」に乗車し「東原」バス停で下車、600m

前後の札所

5番札所地蔵寺から5.3km

7番札所十楽寺まで1.2km

安楽寺の御朱印

安楽寺は本堂の中に納経所があります。四国霊場のほか、阿波北嶺薬師霊場で第2番札所となっているので御朱印は2種類あります。

納経料:300円

2021年より、「干支の守護神」といわれる薬師十二神将(やくしじゅうにしんしょう)の印を押していただけるようになりました。こちらは丑年の伐沙羅(ばさら)大将、自分の干支や家族の干支など好きなものを選べます。

安楽寺の御影

安楽寺で納経をすると、御本尊のお姿を描いた御影(おすがた・おみえ)が無料でいただけます。

カラーの御影をいただく場合は別途200円が必要です。

安楽寺の納経受付時間

安楽寺の納経受付時間は7:00~17:00までです。

安楽寺について

寺伝によれば弘仁6年(815年)に現在地よりおよそ2km離れた安楽寺谷に、空海(弘法大師)が堂宇を建立し薬師如来を刻んで本尊としたという。往時は温泉湯治の利益で、山麓から広大な寺域を誇り十二宇門甍を接し鈴鐘の響きが絶えることがなかったが、天正年間(1573年 – 1592年)に長宗我部元親の兵火により焼失し荒廃した。 万治年間(1658年 – 1661年)に現在地に駅路寺であった瑞運寺を併合して再建される。
承応2年(1653)巡拝した澄禅の『四国遍路日記』では「駅路山浄土院安楽寺」、貞享4年(1687)刊行の『四国辺路道指南』には「六番安楽寺又は瑞運寺とも云う」、元禄2年(1689)刊行の『四国徧礼霊場記』には「瑠璃山日興院瑞運寺」、寛政12年(1800)刊行の『四国遍礼名所図会』には「六番温泉山安楽寺」と名称が変遷している。

Wikipedia安楽寺(徳島県上板町)より引用)

安楽寺は弘法大師による創建。創建当初の安楽寺は現在地から約2.5km離れた「安楽寺谷」にありました。弘法大師はこの地で温泉を発見し、その温泉が民衆を病から救う薬師如来と縁が深い土地であると考えました。山号と寺号は弘法大師が名づけたものです。

長宗我部元親の天正の兵火によって焼失し、万治年間(1658年~1661年)に瑞運寺を併合して現在地に再建されました。

江戸時代には徳島藩の初代藩主・蜂須賀家政公が安楽寺を駅路寺に定め、四国霊場では唯一の駅路寺です。

駅路寺(えきろじ)
遍路や旅人のために食事や宿などを提供する藩の保護を受けた施設のことで、安楽寺の宿坊は駅路寺から400年の歴史があります。

正式には温泉山(おんせんざん)瑠璃光院(るりこういん)安楽寺(あんらくじ)といい、高野山真言宗のお寺です。

安楽寺の御本尊

安楽寺の御本尊は薬師如来。高さ3m以上もある大きな坐像を拝顔できます。

昭和37年(1962年)当寺の住職にすすめられて、妻の難病平癒祈願のため四国遍路を続けていた夫婦が、遍路途中に病気平癒をした報恩のために奉納したもので、一尺三寸(約49cm)の古来の本尊を胎内仏として納められている。

Wikipediaにも記載があるように、こちらの大きな坐像はお遍路によって難病が治ったという愛知県のご夫婦が奉納したもの

27番札所神峰寺で奇跡が起こりました(伏線)。これ、覚えておいてくださいね💁‍♀️

安楽寺の見どころ

安楽寺で個人的に気になる&おすすめの見どころを写真つきでご紹介します!参拝される前にチェックして参考になさってくださいね。

竜宮城のような門

安楽寺のシンボルともいえる竜宮城のような門は鐘楼門で、2階には鐘があります。さらに、その左右の建物に仁王像が安置されているちょっと変わった造りでした。

ちなみに、この鐘楼門の上は「通夜堂(つやどう)」となっていて、歩きのお遍路さんが無料で宿泊できるようになっています。利用したい場合はお寺にご確認を。

門の前にある寺号を記した石碑はフォントが独特で、達筆すぎて逆に読みにくいやつ😂この石碑は四国霊場を500回満願した方が建立したものです。

慶派の仏師作の金剛力士像

鐘楼門の左右には勇ましい表情の金剛力士像が!

鎌倉時代から続く運慶・快慶の流派を継承した京都の仏師、松本明慶師の作品です。安楽寺には松本明慶師の作品が合計35体あります。

拝殿がある珍しい本堂

安楽寺の本堂は拝殿がある珍しい構造で、昭和38年(1963年)に再建された新しいものです。

屋根つきなので、雨の日の参拝も安心ですね。

拝殿の屋根には金ぴかの鳳凰がいて、彫刻も凝ったものでした。

お寺でガチャガチャ!?

本堂の中には安楽寺オリジナルのガチャガチャがあり、ちょっと不思議な光景です。

シュールですよね😂

ガチャガチャのバリエーションは「十二神将アクリルフィギュア」「木製勾玉」など全部で5種類あり、外国人のお遍路さんにとても人気があるとか✨

安楽寺のガチャガチャ:1回500円(100円玉専用の筐体です)

個人的にはこの「旅するお遍路さん」が好きで、100円玉の限界までブン回してきました。「旅するお遍路さん」は7種類+シークレットでお大師さんがあるそうです!そんなん絶対欲しいやん(煩悩の塊)。

インスタに載せたら大人気でした😂

「旅するお遍路さん」が気になる方、この土人形を制作されているお坊さんが「坊さん工房」としてクリーマにも出店されているので要チェックですよ🙆‍♀️
同じ作風の「旅する坊さん」「ヨガする坊さん」などかわいいのがいっぱいあります!

温泉山安楽寺、宿坊に温泉があるお寺

安楽寺は「温泉山」という山号のとおり、温泉が湧くことで有名です。

宿坊にも「弘法の湯」という温泉があるので、お遍路さんにとても人気があります。歩きの場合は6番か7番で打ち終わり、どちらかで宿泊するのがスタンダードです。

安楽寺宿坊
一泊二食付き 1~2名での利用:7,200円、3名以上での利用:6,480円、素泊まり:4,600円
※要電話予約 088-694-2046(受付時間8:00~21:00)
※宿泊予定日の3日以上前までに予約が必要です。

★安楽寺宿坊(薬師の里)→詳細は安楽寺公式サイトでチェック

★3月~5月以外はネット予約もできます→楽天トラベルをチェック

本堂の前にも、にこやかな表情がかわいい像がいる「銀の温泉」と「金の温泉」があります。

温度はかなりぬるめでした。

大師身代わりの逆松伝説

弘法大師がこの地で修行中にその姿をイノシシと見間違えた若い猟師が誤って矢で射ってしまいましたが、松の木が身代わりとなって矢を受けたために弘法大師は無事でした。

必死に謝る猟師に事情を聞くと、病気の父親のためにイノシシの肝を飲ませようとしていたことがわかりました。

弘法大師が加持祈祷をしたところ、数日寝たきりだった猟師の父親の病は治り、身代わりとなった松を逆さまに植えて「この松が芽を出して栄えることがあれば、後にこの地を踏む者は災厄を逃れるであろう」と予言したと伝わっています。

この伝説から、安楽寺は厄除けの寺といわれています👏

松は弘法大師の予言通りに芽を出して大きく成長し、「厄除けの逆松」として長らく信仰を集めていましたが、残念ながら2017年に枯れてしまったそうです😫

チェック柄のスカーフをつけたおしゃれ修行大師像の後に厄除けの逆松の切り株が残っています。

大師堂の前には、身代わりの逆松とは別の「厄除けのさかまつ」があります。

お砂ふみができる多宝塔

境内でひときわ目立つ赤い多宝塔ではお砂ふみができます。

「お砂ふみ」とは四国霊場のお寺の砂が埋められていて、その上を歩くことでお遍路をすることと同じ功徳が得られるという便利なスピーディー遍路です。

多宝塔の内部に入ることはできませんが、極彩色の仏画や彫刻で極楽浄土が表現されているとか✨

 

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温泉山安楽寺ガチャガチャ企画部(四国八十八ヶ所六番札所内)(@onsenzan_anraku)がシェアした投稿

内部はこんな感じの模様、安楽寺公式インスタグラムから拝借。

大師堂前では「願い棒修行」ができる!

大師堂前の修行大師像では「願い棒修行」ができます。

願い棒修行は京都の東寺で行われているもので、四国霊場ではとても珍しいものです。願いごとが叶うといわれているので、ぜひチャレンジしてみてください。

「願い棒修行」には作法があります💁‍♀️

  1. 年齢の数だけ願い棒を手に取る
  2. 大師像の前で願いごと、年齢、名前を唱える
  3. 般若心経を唱えながら大師像を右回りで周り、正面に来るごとに願い棒を大師像の足元に置いていく
  4. 年齢分を終えたら願い棒を願い棒入れに戻す
  5. 大師像の前で「南無大師遍照金剛(なむだいしへんじょうこんごう)」と7回唱える

江戸時代の方丈が残る

この茅葺屋根の方丈は250年前に建てられたもので、徳島藩主・蜂須賀家による寄進です。歴代藩主もここに宿泊しました。現在も宿泊できるそうですよ。

方丈(ほうじょう)
住職の居室や客間などを備えたお寺の多目的な建物のこと。

安楽寺を駅路寺に指定し、方丈を寄進するなど蜂須賀家との縁が深いことから、本堂と大師堂の間にある性霊殿には蜂須賀家の位牌があります。

方丈の前にはなぜか聖徳太子が馬をつないだという「太子駒のつなぎ石」があり、奈良からわざわざ安楽寺に移設されたという不思議なものです🤔

この石の隣には源泉井戸の跡がありますよ。

お遍路さん注意の標識

安楽寺の境内にはとても珍しい「お遍路さん注意」の標識があります。完全に四国でしか需要のない標識ですが、安楽寺以外で見たことはありません😂

小坊主くん

手編みの帽子をかぶっている小坊主くんが大師堂の前にいます。

まとめ

宿坊の温泉で有名な安楽寺ですが、珍しい形の鐘楼門や慶派の仏師作の金剛力士像、藩主も泊まった方丈など、温泉以外にも見どころがたくさんありますよ。

安楽寺を参拝するときは、四国霊場ではとても珍しい「願い棒修行」にぜひチャレンジしてくださいね。

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