四国八十八か所霊場第22番札所平等寺は阿南市の山あい、新野(あらたの)町にあります。20番&21番札所の怒涛の遍路転がしから一転、平地ののどかな立地にあってお参りしやすいお寺です👏
お寺の伝承にちなんで五色の幕で彩られた境内は、季節の花々が咲き乱れてなんとも華やか✨かわいらしい雰囲気なので、女性におすすめしたいお寺です。
平等寺へのアクセス
周辺には案内標識がたくさんあり、初めてでも迷わずたどりつけます。道幅もそれほど狭くなく、車でのアクセスは悪くありません。
・徳島自動車道徳島インターからは1時間程度
平等寺の駐車場
平等寺には仁王門の前に無料で利用できる駐車場があります(普通車30台)。
公共交通機関でのアクセス
- JR牟岐線新野駅から1.9km
- 徳島バス阿南線に乗車し「新野局前」バス停で下車、600m
前後の札所
21番札所太龍寺から10.9km
23番札所薬王寺まで19.7km
平等寺の御朱印
平等寺は仁王門を入ってすぐに納経所があります。
平等寺の御影
平等寺で納経をすると、御本尊のお姿を描いた御影(おすがた・おみえ)が無料でいただけます。
カラーの御影をいただく場合は別途200円が必要です。
平等寺について
弘仁5年(814年)に四国を巡錫し始めた弘法大師が水を求めて井戸を掘ると乳白色の水が湧き、この地が霊地であると感じてしばらく滞在しました。厄除けの祈願をしたところ五色の雲が湧いて大日如来の梵字が現れ、薬師如来の姿に変化したといわれています。
この伝承から平等寺の境内は五色の幕で彩られ、雲から現れた薬師如来のお姿を弘法大師自ら刻んだのが御本尊の薬師如来坐像です。弘法大師は「あらゆる人々の心と体の病を平等に癒し去る」と誓い、寺号を「平等寺」とされました。
かつては七堂伽藍と12の末寺を持つほど栄えていましたが、天正年間(1573年~1592年)にはやっぱり長宗我部元親の兵火によって焼失、享保年間(1716年~1736年)にようやく再興されました。
正式には白水山(はくすいざん)医王院(いおういん)平等寺(びょうどうじ)といい、高野山真言宗のお寺です。
平等寺は毎月第二日曜日には「サンデーサービス」として日曜礼拝が開かれるなど、四国霊場でも屈指の開かれたお寺です。なんとなく敷居が高く感じるお寺に誰でも気軽に行けるよう、さまざまなイベントが開催されています。詳しくは平等寺の公式ホームページやフェイスブックなどをチェックしてください。
平等寺の御本尊
平等寺の御本尊は薬師瑠璃光王如来(薬師如来)。
2014年までは秘仏でしたが、現在は常時拝顔できます。本堂内陣がこれほどまでにフルオープンなのは、四国霊場では確実にここだけ。
現在の御本尊は弘法大師作の薬師如来像に似せて作られた二代目ですが、手に持っている青銅製の薬壺は初代のものが現存しています。薬壺を持つ手につながる「結縁の綱」は仁王門まで伸びていて、本堂前の階段を上がれない方も御本尊とご縁を結ぶことができます✨
平等寺の御本尊はとくに眼病や足腰に霊験があるといわれ、本堂には足が不自由な人が奉納した箱車があります。
平等寺の奥の院
平等寺には2つの奥の院があります。
■月夜御水大師
平等寺から3.1kmの場所にある「月夜御水大師(つきよおみずだいし)」。
この付近に水場がなかったため弘法大師が山の岸をつついたところ水が湧き、体をふくと疲れた体が癒されたため「大師加持水」として信仰されるようになりました(現在はお加持水は飲用不可)。
「月夜」という不思議な地名は、ここで野宿をした弘法大師がお経を唱えると沈みかけた三日月が元の位置に戻ったという伝説から。
★月夜御水大師には納経がありません。
■弥谷観音堂
弥谷(いやだに)観音堂は平等寺から薬王寺へ向かう途中、国道55号線から少し脇にそれた場所にあります。分岐点に「弥谷観音」という案内標識あり。
弘法大師が19歳のときこの地を訪れて岩肌に如意輪観音を刻み、17日間の厄除けの護摩供養をしたのが始まりといわれています。福井ダムの治水工事によって現在地に移されました。
平等寺の見どころ
平等寺で個人的に気になる&おすすめの見どころを写真つきでご紹介します!参拝される前にチェックして参考になさってくださいね。
重厚な仁王門
歴史を感じる立派な仁王門がお出迎え。門と低い塀以外に視界を遮るものはなく、開放的な感じですが重厚で圧倒されます。
門にも五色の幕があり、お寺を守る金剛力士は真っ赤なボディで派手。
迫力ある表情ですが、肩幅狭めでややアンバランス。筋骨隆々ではなく、お腹ぽっこりタイプの親近感がわく仁王さんでした。
本堂と大師堂から仁王門まで、五色の綱がつながっています。この綱は本堂と大師堂の御本尊とつながっているので、階段を上がってお参りするのが難しい場合はここでご縁を結ぶことができます。
★仁王門には副住職呼び出しボタンがあり、副住職の手が空いている場合は境内の案内をしていただけます。
かわいい手水鉢
手水鉢には季節の草花が浮かんでいてとてもさわやか、定期的に変わります。
フルオープンな本堂
42段の厄除け階段の上にある本堂も五色のカラフルな幕でおおわれています。平等寺といえば、このフルオープンな本堂がいちばんの見どころでは。
ご覧のとおり、御本尊がばっちり拝顔できます。薬壺を持つ手からこの五色の綱が伸びているのがわかり、本堂でも綱をさわってご縁を結ぶことができました👏
御本尊は脇侍の日光・月光菩薩や十二神将に守られ、右側には不動明王と倶利伽羅龍王も控えています。お寺の本堂ってなかなかじっくり見る機会がないので、お参りのあとはすみずみまで見せていただきましょう。
内陣の天井には四国霊場の各札所の御本尊や梵字が描かれ、外陣には草花が描かれていました。どちらも彩色があり、とても美しいです🥰
お賽銭はまさかの電子マネー対応です。四国霊場では初の試みで、導入時にはローカルニュースで話題になりました。
びんずるさん
「なで仏」でおなじみの賓頭盧(びんずる)尊者。「びんずるさん」「おびんずるさん」として親しまれています。
平等寺は縁側ではなく、本堂の中にびんずるさんがいます。ふかふかの座布団に鎮座して、全身撫でまわせる模範的なびんずるさんでした。
霊験を感じる箱車
「箱車(はこぐるま)」は現在の車イスのようなもので、体が不自由な人を乗せるものです。小さな小屋に車輪と引き手がついていて、人力車のように押したり引いたりして移動していました。
大正時代、難病によって体が不自由になった人がこの箱車に乗って四国を巡礼し、平等寺で霊験を授かって歩けるようになったといわれています。この箱車はお礼に奉納されたものだとか。
本堂内部にある箱車にはQRコードつきで、解説が読めます(平等寺のホームページでも読めます)。
平等寺には3台の箱車が奉納されているそうですが、本堂の中と外の2台しか見つけられませんでした。
お大師さんの寝姿に見える山並み
本堂から見える山並みが、まるでお大師さんが寝ているようだと話題。左側の小さい山が頭、右側が足、真ん中あたりの盛り上がりが袈裟を着ているように見えるとか。
そう言われれば見えるような、見えないような🤔
大師堂もフルオープン!
平等寺は本堂だけではなく、もちろん大師堂もフルオープン。大師堂の隣の小さなお堂は観音堂ですが、こちらは中が見えません。
お大師さんがお厨子の中からコンニチハ。手に持つ独鈷から五色の綱が伸びていて、ご縁を結ぶことができます。大師堂の中には弘法大師の十大弟子の像もありました。
鏡の井戸
本堂への階段の左側の小さなお堂に「鏡の井戸」と呼ばれる湧き水があります。平等寺の縁起にも登場する、弘法大師が井戸を掘ると乳白色の水が湧いたという例の井戸です。
現在は乳白色ではなく、透明の水が湧いています。鏡の井戸の水は「弘法の霊水」と呼ばれ、容器を持参すれば汲んで持ち帰ることもできます👌
今でも万病にきくと信仰されています。
近くには石に彫られた小さな青面金剛像がありました。見ざる・言わざる・聞かざるの三猿を従えているのが特徴で、病気平癒や厄除けの御利益があります。
食べるお札!
平等寺の納経所には授与品がいろいろ並んでいますが、気になるのがこの「食べるお札」。5本入りでお値段1500円、お菓子としては高級品ですが、祈祷料込みと考えると妥当なところでしょうか。
徳島名産の「なると金時」をふんだんに使ったお菓子で甘さは控えめ、さつまいもの味がしっかりしています🤤
一般的な焼き菓子のようなしっとり系かと思いきや、意外と固めのしっかりした食感。お札の文字の部分はチョコレートかと思いましたが、焼き印でした。焼き菓子をイメージして食べるとしっとりフワフワ感がないので、コレジャナイ感があるかも。温めて食べるのが良さそうです。
他のお寺にはない変わった授与品なので、話のネタとしてお土産にちょうどいいかなと思います🙆♀️バラ売りがあればうれしい。賞味期限は購入日から2週間程度でした。
小坊主くん
平等寺は小坊主くん不在。
まとめ
平等寺はお大師さんが「あらゆる人々の心と体の病を平等に癒し去る」と誓われたとおり、誰でも気軽に参拝して御本尊とご縁を結ぶことができます。とても開かれたお寺で、また行きたくなるお寺でした。
境内には梅や桜、モクレンなど花の木が多くて、春の華やかさは必見ですよ。
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