徳島で「事代主神社」といえば徳島市通町のえべっさんが有名ですが、鳴門市にも同名の事代主神社があります。御祭神や御利益は通町のえべっさんと同じですが、拝殿の裏がすぐ山に面していて自然豊かな環境にある神社です。
こちらの事代主神社の特徴は、毎年1月9日~11日に行われる「十日えびす」での珍しい神事。徳島のローカルニュースでは通町のえべっさんとともに紹介される年明けの風物詩です。比較的コンパクトな神社ですが、十日えびすには毎年5000人以上が訪れてにぎわっていますよ。
鳴門市の事代主神社、聞いたことはあっても実際に参拝したことがある人は少ないのでは。
事代主神社へのアクセス
旧街道沿いにあるため、周辺は道幅がやや狭めです。意外と交通量が多いので、車の運転には御注意を。
事代主神社の駐車場
事代主神社には駐車場がありません。
近隣にコインパーキングなどもなく、駐車できる場所がないので車でのアクセスはおすすめできません。
★十日えびす祭のときは臨時駐車場あり
公共交通機関でのアクセス
JR鳴門線撫養駅からすぐ、徒歩2~3分くらい。交通インフラが貧弱な徳島では珍しく、駅から余裕で徒歩圏内です。
駅から神社まで細い路地をまっすぐ歩いて150mくらいでしょうか。
事代主神社の御朱印
拝殿の左手に社務所があり、訪ねて御朱印をいただきました。御朱印の初穂料は300円です。
直書きはもともとしていないのか、その日書き手の方がいなかったのかはわかりませんが『書置きで良ければ…』とのことで、日付のみその場で書いていただけました。
★いつでもいらっしゃるのかわからないので、遠方から参拝する場合は事前に連絡をしておいたほうが無難かと思います。
事代主神社について
境内に由緒書きなどがないため神社の歴史などの詳細は不明ですが御鎮座から400年以上といわれ、通町の事代主神社と同じく商売繁盛の神さまとして親しまれています。
何といっても鳴門市の事代主神社では「御湯神楽(ゆだてかぐら)」という神事が有名。拝殿の前でお湯を沸かして酒と塩と米を入れて清め、お湯に浸した笹を巫女さんが両手に持って振り、そのお湯のしぶきをかぶると無病息災の御利益があるといわれています。
調べた限りは似たような神事がある神社は少なくて、他には大阪の石切神社くらいでしょうか。本当に珍しいようです。
↓御湯神楽の様子が写真付きで詳しく紹介されていました。
事代主神社の御祭神
事代主神社の御祭神は事代主(コトシロヌシ)命、大国主(オオクニヌシ)命の二柱。
事代主は大国主の子にあたり、181人の子がいるなかで大国主がいちばん頼りにしていたのが事代主といわれています。日本神話では大国主が武御雷(タケミカズチ)神に国譲りを迫られたとき、代わりに事代主に返答させたというエピソードが有名ですね。
また、事代主は七福神の恵比須神、大国主は大黒天と同一とされています。
事代主神社の見どころ
事代主神社で個人的に気になる&おすすめの見どころを写真つきでご紹介します!参拝される前にチェックして参考になさってくださいね。
青銅の鳥居
事代主神社の鳥居は珍しい青銅製✨昔は狛犬も青銅製でしたが、残念ながら戦争中の供出によってなくなってしまったそうです。
一段上がって注連柱。
拝殿のすぐ裏に山が迫っているため境内は奥行きがなく、それほど広くはありません。
新旧の狛犬
青銅の鳥居の奥には新旧の狛犬が鎮座しています。
古いほうは顔面がえぐれてかわいそうなお姿。新しい狛犬は阿形が鞠を持ち、吽形が子供連れの「玉取り子取り」スタイルです。
天井が渋い拝殿
拝殿は立派な瓦屋根。瓦は御神紋入りでした。
拝殿には装飾がないシンプルな扁額がありました。フォントが好き。
拝殿の天井はずらっと家紋?が並んでいて、激渋い。カラフルな天井画もいいですが白黒もかっこいいですね。
センターには干支恵方盤があります。
御本殿へ続く朱塗りの橋
御本殿はかなり山に近い位置にあります。
拝殿と本殿をつなぐのは朱塗りの太鼓橋で、あまり見かけない珍しいスタイルな気がします。橋の下を通れるようになっていて、近くから御本殿の神さまにお参りもできます。
脇を固める境内社
御本殿を挟むように小さなお社が7つ。
右側には大山祇神社、秋葉神社、皇太神宮、塩竈神社が並び、左側には猿田彦神社、天満神社、稲荷神社が並んでいます。稲荷神社の前には小さなお狐さんの像がありました。
芭蕉の句碑
境内の隅には芭蕉の句碑。
「白雪や つもればつもる 色もなし」という句で、どこかから移設されたものだそうです。
芭蕉の句碑の近くには徳島の神社でおなじみの地神塔もあります。台座も五角形でちょっと珍しいタイプでした。
まとめ
徳島で「えべっさん」といえば通町のほうが有名ですが、鳴門市のえべっさんもいい雰囲気の神社でした。山の緑にとけこむ青銅の鳥居と、拝殿の渋い天井画が良かったです。
鳴門市で御朱印巡りをするときには、ぜひ行ってみてくださいね。
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