拳正寺(けんしょうじ)は阿南市羽ノ浦町にあるお寺、阿波六地蔵霊場の第6番札所です。
境内には「穴観音」と呼ばれる古墳があり、内部には如意輪観音がお祀りされています。古墳がある洞窟は「如意輪閣」というお堂になっていて、如意輪閣には見どころがいっぱい😆
木造の四天王像や迫力ある龍の天井画もありますよ💁♀️
拳正寺へのアクセス
近くに目印になるものがなく、場所は少しわかりにくいかもしれません。県道274号線から脇道に入り、近くまで行くと道路からも仁王門が見えます。
拳正寺の駐車場
駐車場は無料で利用できます。駐車場は境内の隅にありますが三方が壁に囲まれた縦長のスペースにあり、やや駐車しにくいです。
公共交通機関でのアクセス
車以外で行く場合、JRとバスが利用できますが、最寄り駅・最寄りバス停からは徒歩10分~15分程度と少し遠いです。
- JR牟岐線羽ノ浦駅から900m
- 徳島バス橘西行きに乗車し「羽ノ浦北」バス停で下車、1km
拳正寺の御朱印
阿波六地蔵霊場第6番札所の御朱印がこちら。「極楽地蔵尊」と書かれています。納経をすると、カラーの御影もいただけます(右ページに貼付)。
▼阿波六地蔵霊場について、詳しくはこちらをご覧ください▼
拳正寺について
境内に由緒書きなどがなく、Wikipedia等の情報もないので歴史など詳細は不明です。
拳正寺の境内にある観音山古墳は6世紀末から7世紀の初めにできたもので、唐から帰国した弘法大師が洞窟に如意輪観音を安置したと伝わっています。おそらく、同時期か少し後にお寺も建立されたと思われます。
仁王門や本堂の扁額から察するに、正式には寶珠山(ほうじゅざん)華蔵院(けぞういん)拳正寺(けんしょうじ)と号する模様、宗派は高野山真言宗です。
「拳正寺」という寺号は”力こそ正義”的な絶妙な世紀末覇者感があり、北斗の拳を読んでいた80年代少年ジャンプ世代に刺さります😂
拳正寺の御本尊
拳正寺の御本尊は地蔵菩薩で、「極楽地蔵尊」と呼ばれています。
阿波六地蔵でのポジションは「預天賀(よてんが)地蔵」、天道を救う地蔵菩薩です。
拳正寺の見どころ
拳正寺で個人的に気になる&おすすめの見どころを写真つきでご紹介します!参拝される前にチェックして参考になさってくださいね。
中国風の仁王門
拳正寺の門は仁王門+鐘楼門の珍しい造りで、白い壁がまぶしい✨中国風のかわいらしい門ですが、石に記された寺号はやたらと力強くて対照的でした😂
こちらの金剛力士さんはガラスでおおわれていて、反射するので写真はうまく撮れず…。小柄ですが、木造で迫力ある金剛力士さんでした。ぜひ現地でご覧ください。
仁王門には「寶珠山」の扁額があります。達筆ゥ!
このまま門を進むと、ゆるやかな坂道沿いに並ぶ墓地を経由して本堂にたどりつくと思われます。車の場合は反対側に境内まで行ける道がありました。墓地に用事がない場合は車道を通るほうが早いかも。
巨木マニア歓喜!
こちらが境内へと続く車道。まあまあの傾斜ですが、それほど距離はありません。この車道沿いには巨大なクロガネモチの木があります。高さは約20m、幹周りは約3.2mあり、なかなかの迫力でした。
幹にコブがあるのがクロガネモチの特徴だそうで、あちこちにボコボコとしたコブがあります。大きく伸びた枝が複雑に絡まっていて、生命力にあふれていました。
本堂
こちらが拳正寺の本堂。建て替えられてからそれほど年数が経っていないような雰囲気です。本堂の隣がご自宅で、本堂とは回廊でつながっていました。
拳正寺に納経所っぽい建物はなく、ご自宅のインターホンを鳴らしましたが応答なし…。ちょうど本堂から奥様と思われる女性が出てきたので、無事に納経をお願いできました。遠方から参拝する場合は、事前に連絡してからのほうがいいかもしれませんね🤔
阿波六地蔵霊場では唯一、本堂にあげていただき御本尊の近くでお勤めができました。そのとき『般若心経はわかりますか?』とお声がけいただいたので、拳正寺では般若心経の教本を貸していただける模様。持参していなくても安心ですね。
本堂には院号と思われる「華蔵院」の扁額があります。
お寺の御詠歌と御本尊・地蔵菩薩の御真言も掲げられています。
写真はないですが、本堂の天井は格子天井になっていて、色とりどりの花の絵がすごくきれいでした。
謎のお堂①
如意輪閣と本堂の間には謎のお堂がありますが、扉が閉まっていてこちらには何がお祀りされているのか不明。扁額がありますが、達筆すぎて読めないやつ…。
お賽銭箱には「喜捨」とあり、これは読めました。個性的なフォントで好き。謎の躍動感があり、ウキウキしてお賽銭を投入しました。
隣には弁財天もお祀りされています。
謎のお堂②
本堂に向かう手前には手水舎があります。その隣にはちょこんと小さなお堂があり、こちらも何がお祀りされているかは不明。
内部は見えにくいですが石仏がお祀りされていて、上のほうに「申」みたいな文字がありました。庚申さんの「申」でしょうか?かなり薄れていてわかりにくいですが、手もいっぱいあるし、足元に三猿っぽいのもいたし、たぶん青面金剛だな(名推理)。
またまた境内に古墳があるお寺
本堂の左手には「如意輪閣」という扁額がかかった立派なお堂があります。駐車場からだといちばん近いのがこの如意輪閣でした。
中に入って見ると…そこにはぽっかりと洞窟。「観音山古墳」という古墳でした。
拳正寺があるのは「観音山」という小さな山。観音山の中腹にある洞窟に、1200年前に弘法大師が如意輪観音像を安置したと伝わっています。この如意輪観音は「穴観音さん」と親しまれていて、正月三が日は開帳されているそうですよ。
穴観音専用の御真言や御詠歌もあるほど信仰されていて、阿南市の文化財にも指定されています。
拳正寺にはオリジナルの穴観音のお守りがあり、御詠歌にあるとおり、願いを叶えてくれる功徳とご加護を授けてくれるとか。如意輪閣の中に貼り紙があり、このお守りがものすごく気になりましたが聞きそびれてしまいました。次回参拝したときには拝受したい。
東林院、地蔵院に続き、境内に古墳があるお寺第三弾でした。
▼鳴門市大麻町の東林院には「穴観音古墳」▼
▼徳島市名東町の地蔵院には「穴不動古墳」▼
四天王が守る如意輪閣
如意輪閣は観音山古墳のほかにも見どころがあります!まずは、古墳の入り口を守るように配置された木造の四天王。等身大ほどではないですが、そこそこの大きさでした。
- 持国天は東の守護、魔を祓う宝刀を持っているのが特徴。
- 増長天は南の守護、槍のような武器(戟、げき)を持っているのが特徴。
- 多聞天は北の守護、宝塔を持っているのが特徴。反対の手には戟やこん棒を持っています。
- 広目天は西の守護、筆と巻物を持っているのが特徴。
持国天、増長天、広目天、多聞天の並び順で安置されるのが基本形ですが、拳正寺では微妙に違いました。
如意輪閣の四天王はガッチリとした鎧を着こんでいますが、肩や背中などに謎の顔があるのが不思議。持国天はお腹に顔があり、かなり目立ちます。これ何だろう??🤔
そして、四天王の足元にも注目!
四天王像は基本的に邪鬼を踏んでいるものですが、この邪鬼がそれぞれ表情豊かで、むっちりしていてかわいい。
増長天に踏まれた邪鬼はしょんぼり、多聞天と広目天に踏まれた邪鬼はかなりの不本意顔でした。持国天は顔面をダイレクトに踏んでいるので、さすがにいけないと思います😂
天井画もすごい!
如意輪閣には一面の天井画があります!
カラフルな格子天井は華やかなお花の絵で埋めつくされていて、とても見ごたえがありました。堂内がちょっと薄暗いのが玉に瑕😂
センターには迫力ある龍の絵も!よく見ると丸い枠から爪がはみだしていて、今にも龍が出てきそうなトリックアートみたいになっています🐉
出て来ないように蓋をされているみたいな不思議な格子が気になる…。
まとめ
阿波六地蔵霊場の最後の札所、拳正寺は境内に古墳がある珍しいお寺。古墳がある「如意輪閣」には迫力ある四天王とユーモラスな邪鬼の像や美しい天井画など、見どころもいっぱいでした。
「穴観音さん」として親しまれる如意輪観音は洞窟の奥にあるのであまり見えないですが、お正月には開帳されているそうなので、ぜひ参拝しては。
おすすめのお立ち寄りスポット
拳正寺と同じ阿南市エリアにある御朱印スポットはこちら💁♀️