徳島の霊場|魂が輪廻する6つの世界を救う六地蔵、阿波六地蔵でふれる地蔵菩薩の徳

お寺の御朱印

四国といえばやはり「四国八十八か所霊場」が有名ですが、そのほかにもさまざまな霊場があります。四国四県にまたがったもののほか、徳島県内だけを巡る霊場もいくつかあります。

そのうちのひとつ「阿波六地蔵霊場」は一日で巡ることもでき、気軽に始めることができますよ。

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六地蔵霊場の「六地蔵」とは

まずは、六地蔵霊場の「六地蔵」について。京都などにはこの地名もありますが、実際のところ六地蔵って何のこっちゃわからんですよね。

仏教において、魂は地獄道・餓鬼道・畜生道・修羅道・人道・天道の6つの世界「六道(ろくどう・りくどう)」を輪廻するとされています。

輪廻(りんね)
魂は生まれ変われを繰り返すという思想

ご存知のとおり地獄に近いほどハードで、天道は仏の世界の一歩手前、人の世よりも素晴らしいところといわれています。

「おじぞうさん」と親しまれている地蔵菩薩は、実はこの6つの世界それぞれを輪廻する魂を救ってくれる仏さまなんです。お寺に行くといろいろな仏さまがいますが、それぞれに役割があります。お釈迦さまの入滅後、56億7千万年後に弥勒菩薩がこの世に現れるまで、お釈迦さまに変わって人々を地獄の苦しみから救い導くというのが地蔵菩薩の役割。

「六地蔵」は魂が輪廻する6つの世界を救う地蔵菩薩の6つの姿を表しているもので、いわば戦隊ヒーロー的なやつ。それぞれにちゃんとお名前もあります。地域によって名前が微妙に違ったりもしますが、以下の2つが代表的なお名前です。

地獄←→天道の順に
■檀陀(だんだ)地蔵・宝珠地蔵・宝印地蔵・持地地蔵・除蓋障(じょがいしょう)地蔵・日光地蔵
■金剛願地蔵・金剛宝地蔵・金剛悲地蔵・金剛幢地蔵・放光王地蔵・預天賀地蔵

こんな感じで、お地蔵さんが6体並んでいるのをお寺などでみかけませんか?それが六地蔵です。

阿波六地蔵霊場とは

阿波六地蔵霊場では地蔵菩薩を御本尊とする県内の6か寺が結集し、地蔵菩薩の徳を広める霊場となったものです。地獄道を救う「金剛願地蔵」からスタートし、天道の「預天賀地蔵」を目指すルートとなっています。

  • 金剛願(こんごうがん)地蔵:地獄道から救う地蔵菩薩の姿
  • 金剛宝(こんごうほう)地蔵:餓鬼道から救う地蔵菩薩の姿
  • 金剛悲(こんごうひ)地蔵:畜生道から救う地蔵菩薩の姿
  • 金剛幢(こんごうとう)地蔵:修羅道から救う地蔵菩薩の姿
  • 放光王(ほうこうおう)地蔵:雨を降らして五穀を実らせる
  • 預天賀(よてんが)地蔵:天人に悟りを得させる

人以下の世界と人から上の世界で地蔵菩薩の性能に差があるのが気になりますね。全行程は約64km、所要時間の目安は5時間となっています。全体の配置はこんな感じ。

車があれば1日で余裕で巡礼できます。レンタカーもおすすめ。

専用納経帳あります

阿波六地蔵霊場では一般的な御朱印帳にも記帳していただけますが、専用の納経帳もあります。私は第1番札所地福寺で購入しましたが、他のお寺にもあるようです。

■納経帳は800円、墨書きの部分は印刷されていて各お寺では印のみ押していただくシステムです。

■納経料は各寺300円、納経をすると無料で御影(おすがた・おみえ)がいただけます。御影はカラーで、納経帳に貼るスペースがあります。

1番札所地福寺

地福寺(じふくじ)の御本尊は「身代わり地蔵」と呼ばれています。ポジションは「金剛願(こんごうがん)地蔵」、地獄道を救う地蔵菩薩です。

2番札所地蔵院

地蔵院の本堂

地蔵院(じぞういん)の御本尊は「安産地蔵」と呼ばれています。ポジションは「金剛宝(こんごうほう)地蔵」、餓鬼道を救う地蔵菩薩です。

★阿波六地蔵霊場会事務局は地蔵院にあるようなので、何か巡礼についての問い合わせがある場合は地蔵院へ。

3番札所東照寺

東照寺(とうしょうじ)の御本尊は「延命地蔵」と呼ばれています。ポジションは「金剛悲(こんごうひ)地蔵」、畜生道を救う地蔵菩薩です。

4番札所宝蔵寺

宝蔵寺(ほうぞうじ)の御本尊は「一願地蔵尊」と呼ばれています。ポジションは「金剛幢(こんごうとう)地蔵」、修羅道を救う地蔵菩薩です。

5番札所地蔵寺

地蔵寺(じぞうじ)の御本尊は「鼠(ねずみ)つき地蔵」と呼ばれています。ポジションは「放光王(ほうこうおう)地蔵」、人間道を救う地蔵菩薩です。

なんでいきなり鼠なの?と思いましたが、放光王地蔵は五穀豊穣の地蔵さまなので、米を食べる鼠は絶許ということでしょうか。

6番札所拳正寺

拳正寺(けんしょうじ)の御本尊は「極楽地蔵尊」と呼ばれています、ポジションは「預天賀(よてんが)地蔵」、天道を救う地蔵菩薩です。

まとめ

阿波六地蔵霊場は徳島市と徳島市に隣接する名西郡石井町、佐那河内村、小松島市、阿南市にかけてをめぐる霊場です。あまりメジャーな霊場ではありませんが他の霊場と重なっているお寺がほとんどで、お参りしたけど御朱印をいただけなかったという心配もほぼありません(4番札所宝蔵寺は無人でしたが書置きがあり、セルフ押印もできました)。

徳島で「霊場」というと四国八十八か所が思い浮かびますが、お遍路は気軽に始めるにはややハード。阿波六地蔵は距離は60kmあまり、一日で十分めぐれる範囲のミニ霊場となっているので霊場ビギナーにもおすすめですよ。

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