地蔵院は徳島市の西部、名東(みょうどう)町にあるお寺。
四国霊場の正式な札所ではありませんが弘法大師にゆかりがある番外札所で、「地蔵越え」と呼ばれる古くからの遍路道もあり、お遍路さんの参拝も多いお寺です。
徳島のシンボル・眉山(びざん)の西の端っこのふもとに位置し、古墳が多い土地柄。境内にも古墳があります。
地蔵院へのアクセス
国道192号線沿いに地蔵院の大きな看板があり、最初の分岐で「眉山カントリークラブ」方面へ進みます。あとはずっとまっすぐで、国道から地蔵院までは1kmくらいです。
地蔵院周辺は一部道幅が狭いところがあるのでご注意を。
地蔵院の駐車場
お寺の前に広い駐車スペースがあり、無料で利用できます。
お寺に入らずそのまままっすぐ進むと、「地蔵越え」といわれる峠道。抜けると八万町への近道になり、意外と交通量が多いです。
公共交通機関でのアクセス
最寄り駅からはやや距離があるので、車以外で行く場合はバスがおすすめです。
- JR徳島線鮎喰(あくい)駅から2.1km
- 徳島バス地蔵院回転場行きに乗車し、「地蔵院回転場」バス停で下車
ひとつ前に「地蔵院前」というバス停がありますが、トラップです😂終点の地蔵院回転場から地蔵院まで徒歩5分くらいでしょうか。
地蔵院の御朱印
地蔵院は複数の霊場で札所となっていて、御朱印が複数あります。
- 新四国曼荼羅霊場第75番札所
- 阿波六地蔵霊場第2番札所
阿波六地蔵霊場
阿波六地蔵霊場第2番札所の御朱印がこちら。「安産地蔵尊」と書かれています。納経をすると、カラーの御影もいただけます(右ページに貼付)。
★専用の納経帳で巡礼しています。印刷されたものに印だけいただくシステム。
お接待として、お寺の名前入りのオリジナルのおせんべいをいただきました。
地蔵院について
地蔵院は弘仁年間(810年~824年)に弘法大師によって開基されたと伝わっています。
四国巡錫中にこの地を訪れ、『女人の大役はお産なり。末世にいたるまで婦女の難産を救い安らかに子孫を授けん。そのために名東(みょうどう)の地に地蔵菩薩を勧請し奉らん。』と発願され、みずから刻んだ地蔵菩薩像を安置しました。
江戸時代には藩主に寺領を寄進され、庇護を受けて栄えました。
正式には如意山(にょいざん)地蔵院(じぞういん)聖幢寺(しょうとうじ)といい、真言宗大覚寺派の別格本山です。寺号よりも院号が有名なお寺。
地蔵院といえば「地蔵院池」
お寺の前にある大きな池は「地蔵院池」というどストレートなネーミングですが、こちらはもともと地蔵院の放生池でした。
周囲は桜並木になっていて春には絶好のお花見スポットで、初夏にはあじさいもきれいです。釣りスポットとしても有名で、休日には釣り人の姿も。
池の周りは遊歩道が整備されているので、子供やお年寄りの散歩コースとしてもにぎわっています。駐車場の隅には子供向けの遊具もありますよ。
子供が乗ってばいんばいんするやつ。なんでカニをチョイスしたのか🤔
また、地蔵院池は江戸時代には藩主の船遊び場となっていて、当時の屋形船の鷁首が今も寺宝としてお寺に保管されているそうです。
地蔵院の御本尊
御本尊は地蔵菩薩。
地蔵院は歴代徳島藩主の奥方の安産祈願所で、古くから「安産の地蔵さん」として信仰されています。現在も安産祈願のために参拝する女性が多く、本堂にはたくさんのよだれかけ(現代っ子は「スタイ」とか「ビブ」っていうやつですね😂)が奉納されています。
本堂に奉納された絵も『あー、めっちゃ安産だったわー』みたいなのが多くて、さすが安産の地蔵さん。
「すこやかに育ちますように」という、子供の成長を願う絵馬もたくさん奉納されています。クセがすごい隣のダルマさんのほうが気になりました😂
地蔵院の見どころ
地蔵院で個人的に気になる&おすすめの見どころを写真つきでご紹介します!参拝される前にチェックして参考になさってくださいね。
時計つき仁王門
駐車場から境内入り口へ向かうと、立派な仁王門があります。
金剛力士像はやや傷んでいますが、迫力の表情。相方に比べてでかすぎる阿形のティクビが気になりました。こうやって改めて写真で見ると、顔のクオリティーもちょっと違う…作者が違うのかもしれません。
こちらの仁王門の裏側にはなぜか場違いな洋風の時計があり、思わず二度見しました。学校の教室とか駅にある大きいやつ、時間めっちゃ見やすいやつ。
地蔵越えするお遍路さんが時間を気にするからでしょうか?たしかに、参拝タイミングが重なった歩き遍路のご夫婦はお参りを済ませて足早に峠に向かっていましたが…。
しょんぼり手水舎
手水舎の吐水龍さんは角がなくてしょんぼりしてますが、水の勢いはしっかり強め。
彫刻の龍もいます。
古墳あります!
仁王門からすぐ、こんもりとした緑の物体が見えます。これは「穴不動(あなふどう)古墳」という古墳で、徳島市の指定文化財となっています。
古墳は眉山の北西の谷部に位置する。尾根の斜面を削って造られた直径約20mの円墳で、南西の谷の奥に向かって横穴式石室が開いている。
横穴式石室は、全長9.3m、玄室長4.3m、幅2.2m、高さ2.0m、羨道長4.3m、幅2.0m、高さ1.8mを測り、平天井式で、玄室と羨道の幅はほぼ等しい。石室は結晶片岩(青石)で築かれ、奥壁には1枚石を用いている。玄室の両側壁は巨石を1~2段積んだ後、最上部にはやや小さめの石を積んでいる。羨道の両側壁には巨石を2~3段に積んでいる。
石室の構築方法は、まず奥壁を据え、奥壁側から玄室・羨道の壁麺を築いた後、羨道の天井石を架け、最後に玄室の天井石を架けている。
7世紀中頃の飛鳥時代(古墳時代終末期)の特徴的な石室構造を持ち、矢野古墳(国府町)の次に造られた阿波の国の豪族の墓で、この時代に造られた本県で唯一の古墳である。(現地案内板から引用)
地蔵院の周辺には他にも「節句山古墳群」や「八人塚古墳」があり、鮎喰(あくい)川を越えてさらに西の気延(きのべ)山には200を超える古墳があるとも。
発掘も研究もぜんぜん進んでいませんが、節句山古墳や八人塚古墳は4世紀後半頃のもので、このあたりは意外な古墳密集地帯なんです。古墳時代にはとても重要な土地だったんでしょうね✨
古墳の周りには西国三十三観音霊場の観音さまが配置されています。デフォルメされていても頬杖をついた如意輪観音のアンニュイさはわかりやすい(右から2番目)。
この写真の右から4番目は馬頭観音ですが、すり切れていて馬頭が行方不明でした😂
古墳の入り口にはなぜか洋風のドアがあり、絵馬がいくつか掛けられています。薄暗い石室の内部には不動明王がお祀りされていました。穴不動ってそういうこと!?(たぶん違う)
穴不動古墳のお不動さんは商売繁盛、家内安全の仏さまとして信仰されているそうです👏
古墳の上にはちんまりした七重塔があります。駐車場側からもこのこんもりした古墳の山と七重塔が見えますよ🙋♀️
▼徳島で「境内に古墳があるお寺」といえば、鳴門市の東林院もはずせない▼
▼同じ阿波六地蔵霊場第6番札所拳正寺にも古墳あります▼
ゆりかごから墓場まで「十三仏堂」
本堂の左手には真新しい「十三仏堂」があり、新築のいい匂いがしました。
中の十三仏は新しいものではないので、お堂だけ建て替えたようですね。
「十三仏」は初七日から三回忌まで死後の裁判を司る地獄の偉い人「十王」にプラスして、七回忌から三十三回忌までの三王で構成されています。
- 秦広王(しんこうおう):初七日の裁判をする不動明王の化身
- 初江王(しょこうおう):死後14日目の裁判をする釈迦如来の化身
- 宋帝王(そうていおう):死後21日目の裁判をする文殊菩薩の化身
- 五官王(ごかんおう):死後28日目の裁判をする普賢菩薩の化身
- 閻魔王(えんまおう):死後35日目の裁判をする地蔵菩薩の化身
- 変成王(へんじょうおう):死後42日目の裁判をする弥勒菩薩の化身
- 泰山王(たいざんおう):死後49日目の裁判をする薬師如来の化身
- 平等王(びょうどうおう):死後100日目の裁判をする観音菩薩の化身
- 都市王(としおう):一周忌の裁判をする勢至菩薩の化身
- 五道転輪王(ごどうてんりんおう):三回忌の裁判をする阿弥陀如来の化身
- 蓮華王(れんげおう):七回忌の裁判をする阿閦(あしゅく)如来の化身
- 祇園王(ぎおんおう):十三回忌の裁判をする大日如来の化身
- 法界王(ほうかいおう):三十三回忌の裁判をする虚空蔵菩薩の化身
地蔵院の十三仏はラスト三王の阿閦如来と虚空蔵菩薩の間が抜けているので、センターの大きな仏像が大日如来でしょうか。
安産祈願のお寺に十三仏…まさにゆりかごから墓場まで👏
カラフルな本堂
地蔵院の本堂は両サイドに蘇鉄がわさわさ生えていて、南国感があります。
本堂の彫刻は彩色があってカラフル。鳳凰や獅子、お花などがありとても華やか。鳳凰に挟まれている物体、逆さまの人参にしか見えないけど何だろう。
本堂にはなで仏で有名な「賓頭盧尊者(びんずるそんじゃ)」もいます。茶系のびんずるさんでした。
新築ピカピカ大師堂
大師堂も建て替えられたばかりのようで、ピカピカでした。修行大師も真新しいです。
地蔵院の大師堂の天井には寺宝の胎蔵界曼荼羅が描かれているそうですが、もちろん扉は開いていないのでじっくりは見えず…。
この曼荼羅は300年以上前に描かれたもの。ガラス越しなのでわかりにくいですが、こちらがセンターの大日如来です。色鮮やかでとても美しい曼荼羅でした。ご開扉とかあれば、じっくりと見てみたいものです。
まとめ
地蔵院は眉山の山裾にあり、峠を越えると八万町に行けるので、17番札所井戸寺から18番札所恩山寺への近道として昔から多くのお遍路さんが行き来しています。
弘法大師が開基し、ゆかりがあることから番外札所として参拝され、今は阿波六地蔵霊場と新四国曼荼羅霊場の札所となっています。
境内には古墳のほか威風堂々とした本堂、ピカピカの大師堂や十三仏堂などいろいろと見どころがありました。お寺の前の地蔵院池では桜やあじさいが楽しめるので、花の季節に合わせて参拝してみては。
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