井上八幡神社は四国八十八か所霊場第17番札所井戸寺のすぐ隣にある神社。
近くを通る県道30号線からもチラっと見える赤と白の社殿が印象的なので、井戸寺に行ったことがある人ならピンとくるのでは。パッと見は新しい雰囲気の神社ですが実はかなり昔からあり、白鳳年間創建の井戸寺と同時期、又はもっと古いとの説があります!
鳥居の扁額はシンプルに「八幡神社」となっていますが、このあたりの古い地名が「井上」なので一般的に「井上八幡神社」と呼ばれています。
井上八幡神社へのアクセス
井戸寺のすぐ隣にあり、場所はわかりやすいです。周辺は道幅が狭いのでご注意を。
井上八幡神社の駐車場
駐車場はありませんが、境内に駐車可能。駐車料金は不要です。
公共交通機関でのアクセス
井上八幡神社に車以外で行く場合、JRとバスが利用できます。
- JR徳島線府中(こう)駅から1.5km
- JR徳島駅から徳島バス覚円線に乗車し「井戸寺口」バス停下車、300m
井上八幡神社の御朱印
道路を挟んだ向かいに宮司さんのお宅があり、訪ねて御朱印をいただきました。
お宅にはとくに「宮司宅」や「八幡神社社務所」という表示はないですが、立派な門構えのお宅なのですぐわかると思います。
井上八幡神社では兼務社の御朱印もいただけます。
大御和(おおみわ)神社:徳島市国府町
豊崎八幡神社:徳島市名東町
書置き御朱印もあります
拝殿前に書置き御朱印もあります。
左の「夏詣」は2023年9月末までの期間限定頒布です。
井上八幡神社について
境内に由緒書きはなく、Wikipedia等もないので井上八幡神社の歴史など詳細は不明です。
社殿横にあった「御造営記念碑」には
是社ノ奥深ク厳シク鎮守シ給フ当八幡宮(古称 井上八幡宮)ハ奉勧請白鳳二年宇佐八幡宮ヨリ御分遷
誉田別命 仲哀天皇 三女命ヲ奉齋爾来惟神ノ誠ヲ捧ゲ今ニ至ル迄幾度改修築亦誠ノ奉賛ヲ尽ス 御社殿幾星霜風雨ノ損傷甚シク拝見スルニ忍ビ難キ時恰モ昭和五十三年七月九日夜災火ニ罹リ社殿焼失ス 氏子総代並有志相議リ再建奉賛会ヲ結成氏子崇敬者ノ賛同ヲ得以テ社殿ノ再建神輿殿ノ新築境内整備等種々改修茲ニ芽出度竣工ヲ得タリ
仍テ御神慮ノ奉安ト供ニ御神威赫々ト輝キ益々ノ発揚ヲ期シ之ニ記念トシテ後毘ニ伝フ
昭和五十五年十月(現地造営記念碑より引用)
とありました。こちらによると、
- 白鳳2年(674年)に宇佐八幡宮から分霊された
- 現在に至るまで何度も氏子や崇敬者が社殿の改修、改築をしてきた
- 昭和53年(1978年)7月9日に火災によって社殿が焼失し、昭和55年(1980年)10月に再建された
とのこと。
漢字とカタカナだけって慣れてないとすごい読みにくいYO。
あと、ずっと読み方は「いのうえ」だと思ってたけど、正しくは「いのべ」だったか、違う読み方らしいです。。。インスタでどなたかの投稿で見かけたけど、その投稿を見失って確認できない😂
パーマリンクの「inoue」今さら直せないわ…
井上八幡神社の御祭神
井上八幡神社の御祭神は誉田別尊、宗像三女神と仲哀天皇。
井上八幡神社は”宇佐八幡宮から勧請した”といわれていますが、なぜか御祭神は違う不思議。「宇佐八幡宮」といえば、一般的に大分県宇佐市の宇佐八幡宮のことですよね。
宇佐八幡宮の御祭神は宇佐八幡宮の公式ホームページによると、
- 八幡大神(誉田別尊、ほんだわけのみこと)
- 比売大神(ひめおおかみ)
- 神功皇后(じんぐうこうごう)
となっています。「比売大神」は宗像三女神(多岐津姫命(タギツヒメノミコト)、市杵島姫命(イチキシマヒメノミコト)、多紀理姫命(タキリビメノミコト))のことですが、宇佐八幡宮の比売大神は正体不明な謎の神です。
勧請した神社と御祭神が違うって別に珍しくないのかもしれませんが、ちょっと気になりました。ちなみに宇佐八幡宮は神亀2年(725年)創建。井上八幡神社よりも後にできた神社なので、大分県の宇佐八幡宮とは違う”宇佐八幡宮”から勧請されたのでは、といわれています。
井上八幡神社の見どころ
手水舎
井上八幡神社の手水舎の龍はブラック系のボディに金色の目で、かなり激渋なお姿でした。眼光も鋭くて、迫力がありますね。
でも、配置的に後ろ姿が丸見えなんです。あらやだ、そんなところに蛇口が…。
個性的な狛犬
拝殿前には一対の狛犬さんがいます。
苔むしているため台座の年代は読み取れませんでしたが、こちらは社殿が建て替えられるより前からここにいる古い狛犬っぽい。ちょっと高い位置にあるので見えにくいですが、わりと個性的なお顔立ちでした。ぽっかり空いた鼻の穴が気になるよね。
拝殿前は大きな桜の木があるので、春になると満開の桜をアリーナ席で見ている狛犬さんを拝めます。
現代的な社殿
井上八幡神社はそれほど境内が広くなく、鳥居をくぐるとすぐ正面にデーーーンと社殿があります。
社殿は火災のあと昭和55年(1980年)に再建された築40年のコンクリート製で、とても立派なものですが屋根の避雷針が目立つ。めっちゃ気になる。
もしかして、火災の原因って雷だったんですかね?
ちなみに、お隣の井戸寺の本堂も屋根に巨大な避雷針があります。敷地が隣り合っているとはいえ、それなりに離れている社殿と本堂両方が燃えるような大火災ってやばくない?
社殿は赤と白のカラーリングが印象的です。コンクリート製の堅固な建物ですが、一部は木製なのか部分的に彫刻がありました。
こちらは龍と鳳凰でしょうか、龍は青い丸い玉を持っていますね。あまりにもテイストが違うので、昔の社殿から無事だったものを再利用したのかな?と想像しました。
こちらが御本殿、青空に映えます。
灯籠がいっぱい
拝殿前には奉納された灯籠がいくつか並んでいました。こちらもけっこう古いもののようで、台座が苔で覆われています。
灯籠の足元にはひっそりと古い鬼瓦が!
この子は社殿が建て替えられる前は屋根にいたのかな?屋根から下りても参拝者ににらみをきかせて、神域を守っていました。反対側の灯籠にも鬼瓦があり、対になっています。
社殿から一段下、階段脇にある小さな小さな石の祠には謎の像がちょこんと。何となく中国っぽい雰囲気な髪型と服装ですが、神さまですかね。
境内社もあります
社殿の右隣には小さな境内社があります。小さなお宮なので扁額がなく、社名が不明ですが玉垣内にある石碑には「楠神社」と書いてありました。くすのきじんじゃ?
とくに由緒書きがなかったのでこちらの神社の由来などはわかりませんが、立派なお宮。
まとめ
井上八幡神社は四国八十八か所霊場第17番札所井戸寺のすぐ隣にある神社。お遍路さんが立ち寄る姿はあまり見かけませんが、お参りしているとき前を通りかかったおばあちゃんが神社の前でそっと手を合わせていて、地元の方からは篤く信仰されています。
境内には由緒書きなどがなく詳細は不明ですが、白鳳2年の創建との説があるとても古い神社でした。お近くに行かれるときはお参りしてみては。神社の向かいの宮司さん宅で御朱印もいただけますよ。
★井上八幡神社でいただける御朱印
- 井上八幡神社
- 大御和神社
- 豊崎八幡神社
おすすめのお立ち寄りスポット
井戸寺
井上八幡神社のすぐ隣、四国八十八か所霊場第17番札所です。境内には弘法大師が掘ったという井戸があり、水面に自分の姿が映ると無病息災が約束されます。映らないと…?
四国八十八か所霊場のほか、井戸寺は阿波西国三十三観音霊場の第33番札所となっているので、阿波西国の御朱印もいただけます。
バースブック珈琲国府店
井上八幡神社から約200mくらいの場所にあり、歩いても行けるほどすぐ近くのカフェ。女性に人気のお店ですが、店内が広いので混雑していてもゆっくりとくつろげますよ。
ランチメニューはパンケーキのほか、タコライスやハンバーガーなどいろいろあります!ドリンクメニューも充実。
■定休日:不定休
■座席:54席
■駐車場:無料(書店と共用、80台分)
▼食べログ▼
▼詳細は公式ホームページで▼