徳島県鳴門市|潮明寺は徳島のあじさい寺!紀貫之の歌碑と木に彫られた弘法大師も見どころ

お寺の御朱印

梅雨の時期になると、民家や公園などいろんなところで可憐な紫陽花(あじさい)の花が咲きますよね🤗

全国各地の神社やお寺には「あじさい神社」や「あじさい寺」として有名なところがあり、花の時期にはたくさんの人が訪れています。徳島では「花のお寺」として知られる四国霊場第8番札所熊谷寺があじさいの名所として有名ですが、鳴門にも素敵なあじさい寺があるのをご存知でしょうか!

潮明寺(ちょうめいじ)はそれほど大きなお寺ではないですが、境内いっぱいに多種多様な色とりどりのあじさいが咲き誇り、「徳島のあじさい寺」といった雰囲気。

かなりおすすめです🙆‍♀️

2021年の紫陽花も見ごろです!
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潮明寺へのアクセス

潮明寺
〒772-0053
徳島県鳴門市鳴門町土佐泊浦字高砂22

大毛島の南海病院の近くにあります。

・神戸淡路鳴門自動車道鳴門北インターから約3.7km、鳴門インターから約6.3km

潮明寺の駐車場

山門を車でそのまま通り抜け、境内に駐車可能です。無料で利用できます。

公共交通機関でのアクセス

最寄駅からの距離があるので、車以外で行く場合はバスがおすすめです。

  • JR鳴門駅から3.6km
  • 徳島バス鳴門線に乗車し「鳴門東小前」バス停で下車、約600m

「渡し船」という選択肢

潮明寺があるのは鳴門市北部の「大毛島(おおげじま)」という島。陸続きではないので、もちろん橋を渡らないといけないんですが、大毛島へ渡る「小鳴門橋」にはご覧のとおり歩道がありません(一応、歩行者も通行可能)。

車以外でのアクセスを考えている場合は、路線バスのほかに「岡崎渡船」が運営する渡し船が利用できます。土佐泊側の乗り場から潮明寺までは300m~400mくらいで、そこそこ近いですよ。

渡し船は無料で利用でき、自転車や原付でも乗船できるようです。1時間に1~2本程度で運行されています。時刻表はこちらのリンク先でご確認ください。

前後の札所

3番札所不動院から11.6km

5番札所長寿寺まで11.9km

潮明寺の御朱印

本堂に隣接してご自宅があり、玄関に入ると左手に納経所があります。インターホンあり。

納経料:300円

潮明寺の御影

潮明寺で納経をすると、御本尊のお姿を描いた御影(おすがた・おみえ)が無料でいただけます。

潮明寺について

当寺の本尊は十一面観世音菩薩で、永禄5年6月18日、鳴門海中より出現した尊像で奈良時代の作と伝えられています。境内には、鳴門市史跡の、紀貫之の土佐日記の中の若「年ごろを住みし所の名にしおえば 来よる波をもあわれとぞ見る」の歌碑が二基あります。
また、昭和35年に銀杏の木に彫られたお大師さまの彫刻があり、地域の方の信仰の対象となっていますが、銀杏の木の成長と共に、お大師さまのお姿がだんだん中に入られかくれてしまわれるのではという銀杏の大木があります。
また、境内の奥の墓地には、阿波水軍の土佐泊城主森志摩守の観音開きの扉がついたお墓もあります。渦で名高い鳴門の海岸近くの静かな環境の中にあるお寺ですので是非ご参拝にお出かけ下さい。

新四国曼荼羅霊場ホームページより引用)

潮明寺境内には由緒書きなどがなかったので正確な創建年や詳細な歴史は不明ですが、曼荼羅霊場のホームページによると御本尊は永禄5年(1562年)に鳴門の海中から出現したとか。

この御本尊をお祀りするために創建されたのであれば創建からおよそ460年と考えられるので、そこそこ長い歴史がありますね😊

正式には海門山(かいもんざん)潮明寺(ちょうめいじ)といい、高野山真言宗のお寺です。

阿波水軍・森家の菩提寺

潮明寺は「阿波水軍」で知られる森志摩守の菩提寺で、蜂須賀氏の阿波入国まではここ土佐泊(とさどまり)が森家の本拠地だったそうです。蜂須賀家に仕えた後、阿南市の椿泊(つばきどまり)へと移り、明治になるまで17代に渡って活躍しました。

阿波水軍(あわすいぐん)
蜂須賀氏が徳島藩の大名として入国する前から、阿波国(徳島)にあり、豊臣秀吉の朝鮮出兵にも参加した。また代々、蜂須賀氏の中老として参勤交代における瀬戸内海の海上移動などで重責を果たした。
Wikipedia森甚五兵衛より引用)

お寺の墓地には観音開きの扉がついた立派な森家代々のお墓があるそうです。参拝したときは墓地周辺が工事中だったので、奥まで行けませんでした。

また、潮明寺の裏山には森志摩守が城主をしていた「土佐泊城跡」があります。森家の初代は長宗我部元親の兵火でも降伏せず、土佐泊城を守ったとか。やるじゃん🤗

土佐泊城は阿波侵攻で落城しなかった数少ない城の一つですが、天正14年(1586年)に廃城となったので現在は遺構はほとんど残っていないようです。

潮明寺の御本尊

御本尊は十一面観音、苦しんでいる人や困っている人をすぐ見つけるために頭の上に11の顔を持ち、あらゆる方向を見守っている仏さまです。

縁起によると鳴門の海の中から発見された尊像で、奈良時代の作だとか。

潮明寺の見どころ

潮明寺で個人的に気になる&おすすめの見どころを写真つきでご紹介します!参拝される前にチェックして参考になさってくださいね。

ややわかりにくい山門

瓦がふきかえられたばかりの立派な山門が入り口です。細い路地沿いにあり、周辺には看板等がないので見逃してしまうかも。

一瞬、通り過ぎそうになりました😅

車の場合は、このまま山門を通り抜けると奥のお堂の前に駐車できるスペースがありました。

山門を入るとすぐ、六地蔵や石仏が並んでいます。どれも古いもののようでした。

本堂?大師堂?

曼荼羅霊場の赤い幟があるのでこちらが本堂かと思うんですが、他サイトでは「大師堂」と紹介されていました。どっちが正解?🤔

拝顔はできませんが、本堂には御本尊のほかに大日如来と不動明王が安置されているそうです。

こちらには「海門山」という山号の扁額がありました。

一見本堂っぽいこちらのお堂ですが、たぶん本坊。お堂の前には香炉やろうそく立てがあるので、こちらにも仏さまがお祀りされているっぽい。

こちらには寺号の扁額がかかっていました。達筆すぎて読めないやつですが、たぶん「潮明寺」ですよね😂

手作り感ある木製で、さわやかなブルー系のカラーと木目の流れ方から何となく「海」を感じました。鳴門の渦潮をイメージしたものでしょうか(知らんけど)。

謎の家紋

潮明寺の屋根瓦や本堂前の香炉には「◇(菱形)」が3つ並んだ家紋が刻まれていました。調べてみると、これは「三つ目菱」という紋のようです。

森志摩守の菩提寺なので、森家の家紋かと思ったんですが違いました。どちら様でしょうか…🤔

歓喜天

山際にはひっそりと小さなお宮があり、歓喜天がお祀りされていました。

歓喜天(かんぎてん)
歓喜天はインドの神さま「ガネーシャ」のような、頭が象さんという変わったお姿をしています。仏教の守護神となる前、歓喜天は暴れん坊の困ったちゃんだったので十一面観音が美女に変身してなだめたというエピソードがあり、セットでお祀りされることが多いそうです。

潮明寺は御本尊が十一面観音さまなので、やはりセットでお祀りされている模様。

水子地蔵

比較的最近建立されたっぽい水子地蔵さん。優し気な表情で赤ちゃんを抱いています。参拝したときはあじさいに囲まれていて、極楽浄土のような美しさ。

紀貫之の歌碑

潮明寺がある「土佐泊(とさどまり)浦」は、名前が表すとおり昔は京都から土佐(高知県)へ向かう途中の寄港先でした。土佐での国司(こくし、昔の県知事的な役職)の任を終えて都へ戻る途中の紀貫之(きのつらゆき)も土佐泊に立ち寄っていて、「土佐日記」に歌を残しています。

年ごろを 住し所の 名にし負えば 来寄る波をも あわれとぞ見る

歌とか言われてもとっつきにくい言い回しが難しくてよくわかんないですが、『ここは以前何年も住んだ所と同じ名を持っているから、懐かしくて寄せてくる波さえもしみじみとした思いで見ることだ』という意味だとか。

歌碑は慶応3年(1867年)に建てられたもので、老朽化したため新しいものが追加されています。右側が慶応のもの、左側が新しく建てられたものっぽい。

十三仏

境内の奥は墓地になっていて、入り口には十三仏の像がありました。

十三仏(じゅうさんぶつ)
死者の追善供養のための初七日から三十三回忌までの13回の仏事を守る本尊のこと。仏さまの中でもとくに慈悲深い性質をもつ如来さまや観音さまが死者に救いをさしのべてくれるという、
十三仏信仰もあります。
写真はあんまり考えずにいちばん最後の虚空蔵菩薩側から撮ってしまいましたが、「十三仏」の仏さまは以下のラインナップです。
  • 初七日(しょなのか):不動明王
  • 二七日(ふたなのか):釈迦如来
  • 三七日(みなのか):文殊菩薩
  • 四七日(ししちにち):普賢菩薩
  • 五七日(ごしちにち):地蔵菩薩
  • 六七日(ろくしちにち):弥勒菩薩
  • 七七日(しちしちにち):薬師如来
  • 百箇日(ひゃっかにち):観世音菩薩
  • 一周忌:勢至(せいし)菩薩
  • 三回忌:阿弥陀如来
  • 七回忌:阿閦(あしゅく)如来
  • 十三回忌:大日如来
  • 三十三回忌:虚空蔵菩薩

銀杏のお大師さん

墓地の手前には樹齢400年以上といわれる大きな銀杏の木がありました。400年というと、この木はお寺の創建と同時期に植えられたのかもしれませんね😆

しっかりとした幹の真ん中に、なんだか不自然に開いた穴があります。中をのぞいてみると…

お大師さんがコンニチハ🤗

この弘法大師のお姿は今から55年前の昭和35年(1965年)に刻まれたものですが、木の成長とともに少しずつ飲み込まれています。

あと30年~50年くらいで完全にお姿が見えなくなるのでは、と推定されています。お早めに!

徳島のあじさい寺!

潮明寺にお参りするなら、やっぱり6月がおすすめ!

山門からの眺めが素晴らしくて、テンション上がります。

入って右側の山裾に沿っていろんな種類のあじさいが植えられていますが、こんもりとボリュームがあり、見ごたえがありました。

花色も種類もいろいろで、見たことない珍しいあじさいがたくさん!

こちらはガクアジサイですが、右側の薄いブルーの花はあまり見かけない鮮やかな色でした。

紫とピンクがハーフ&ハーフでグラデーションになったお花も😄

花びらの先がクルンとカールした変わったアジサイもあります。これは初めて見たかも。たぶん「ポップコーン」という品種だと思います。

こちらは花が大振りな西洋アジサイ、可憐な薄紫が素敵ですね✨

植えられているのは少しずつですが、いろんな品種、いろんな花色のあじさいがあるので見ていて飽きません!

「知る人ぞ知る名所」という感じなので、見物に来る人もそれほど多くなくて、ゆっくりと見ることができました。

構図を考えながらゆっくりと撮影できるので、写真が趣味な方にもおすすめですよ🥰

まとめ

鳴門市の北部、大毛島にある潮明寺は路地沿いにひっそりとたたずむお寺。

コンパクトな境内ですが、お庭のお花は丁寧にお世話されていて、とくに山沿いにたくさん植えられたあじさいは本当に見事!知る人ぞ知る「あじさい寺」として、6月には見物に来られる方の姿もちらほらとあります。

お花の他にも、鳴門市の文化財に指定されている紀貫之の歌碑や樹齢400年の銀杏の木に彫られた弘法大師もぜひご覧ください🤗

新四国曼荼羅霊場第4番札所となっていて、御朱印をいただくこともできますよ。

おすすめのお立ち寄りスポット

鳴門市には他にも御朱印がいただける神社やお寺がたくさんあるので、あわせてお参りしてみては。

あじさいの名所まとめました💁‍♀️

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