四国八十八か所霊場第18番札所恩山寺は小松島市の山の中にあるお寺。
徳島市内を抜け、県南部へと近づいて阿波の札所もいよいよ終盤にさしかかります。山の中にありますが、国道55号線からそれほど離れていないので、アクセスは不便ではありません。
恩山寺は弘法大師の母君にゆかりがあるお寺で、山号や寺号はお大師さんがつけたもの。大師堂に寄り添うように御母公堂があるのが特徴です。
また、恩山寺は全国でここでしか手に入らない「摺袈裟(すりげさ)」という激レアなお守りを頒布していることでも有名です。
お参りするときはぜひ「摺袈裟」もチェックしてくださいね💁♀️
恩山寺へのアクセス
国道55線を阿南・室戸方面へ進むと恩山寺への案内標識があるので、表示通りに進みます。途中から道幅が狭くなるので、運転にはご注意を。
・徳島自動車道徳島インターから約25分
恩山寺の駐車場
恩山寺には参拝客が無料で利用できる駐車場があります(普通車20台)。
公共交通機関でのアクセス
恩山寺は公共交通機関でのアクセスが不便です。最寄り駅からかなりの距離があるので、車以外で行く場合はバスがおすすめです。
- JR牟岐線南小松島駅から4.7km
- 徳島バス立江線に乗車し「恩山寺前」バス停で下車、900m
前後の札所
17番札所井戸寺から16.8km
19番札所立江寺まで4km
恩山寺の御朱印
恩山寺は本堂や大師堂とやや離れたところに納経所があります。本堂に向かって右手奥に客殿があり、その隣が納経所となっています。
奥の院・金磯弁財天の納経も恩山寺で行っています。お参りした場合は忘れずに。
恩山寺の御影
恩山寺で納経をすると、御本尊のお姿を描いた御影(おすがた・おみえ)を無料でいただけます。
カラーの御影をいただく場合は別途200円が必要です。
恩山寺の納経受付時間
恩山寺の納経受付時間は7:00から17:00までです。
恩山寺について
寺伝によれば聖武天皇の勅願により行基が開基し、当初は「大日山福生院密厳寺」と号する女人禁制の道場で、「花折り坂」より上は女性の立ち入りが許されなかった。
弘仁5年(814年)、空海(弘法大師)が本寺で修行していた際、訪問してきた母(玉依御前)のために、仁王門の辺りに護摩壇を築き17日間の修法を行い女人解禁を成就し、母を迎え入れた。玉依御前は本寺で出家・剃髪しその髪を奉納したことから、「玉依御前の剃髪所」と云われていて空海が自身の像を刻み現在の寺名に改めたとされる(母養山 恩山寺)。
天正年間(1573年 – 1592年)に長宗我部元親の兵火によって焼失したが、江戸時代に入って徳島藩主蜂須賀氏の支援を受けて復興、文政年間(1804年 – 1830年)に現在の諸堂が建立された。(Wikipedia恩山寺より引用)
恩山寺は聖武天皇の勅願によって行基菩薩が天平年間(729年~749年)に開基、当初は大日山福生院密厳寺と号して、女人禁制のお寺でした。
弘仁5年(814年)に弘法大師がこの地で修行をしていたとき、讃岐・善通寺から母の玉依御前(たまよりごぜん)が訪ねてきましたが女人禁制のため会うことができず、弘法大師は母君のために女人禁制を解く17日間の修法を行ったといわれています。
母君はここで髪を切って出家し、剃髪した髪をお寺に奉納しました。そのとき、弘法大師は現在大師堂の御本尊となっている自像を彫り『我が願いは末世薄福の衆生の難厄を除かん』と誓われました。
天正年間(1573年~1592年)には長宗我部元親による兵火で伽藍が焼失しています。またお前か。
正式には母養山(ぼようざん)宝樹院(ほうじゅいん)恩山寺(おんざんじ)といい、高野山真言宗のお寺です。
恩山寺の御本尊
恩山寺の御本尊は薬師如来、行基菩薩作といわれています。ガラス戸越しに本堂の中が見えますが、拝顔はできません。
恩山寺だけで授与されている最強のお守り「摺袈裟」
恩山寺の本堂にはデカデカと「摺袈裟有(すりげさあり)」と書かれています。
摺袈裟とは仏を表す梵字や仏の功徳を説いた言葉「陀羅尼(だらに)」を刷ったもので、「袈裟曼荼羅(けさまんだら)」とも呼ばれるもの。
現在のものは印刷ですが、お寺には江戸時代の版木が残っているそうで古くから授与されていたようです。
お守りは願いごとが叶ったときや一年ごとに交換するなど、だいたい有効期限があるものですが摺袈裟は授与されたものを一生使える優れもの✨
生きている間はカバンなどに入れて日頃から持ち歩き、死んだときは棺桶に入れてもらいましょう。
摺袈裟は閻魔大王が『死者が眠る墓に摺袈裟をかけ、一週間供養すれば死者がよみがえる』と説いたことに由来しているもので、生きている間もあの世へ行くときにも御利益がある一生ものの最強のお守りですが、日本全国で恩山寺でのみ頒布されています。超絶激レア。
摺袈裟は納経所のお守りコーナーにはなく、書き手の方の背後に三方に乗せられて置かれていました。希望する場合は納経所で申し出ましょう。
この白い袋に入れた状態で祈祷をしているので、袋から出さずに持ち歩くといいそうですよ。当然ですが、中を開いて見てはいけません🙅♀️
恩山寺の見どころ
恩山寺で個人的に気になる&おすすめの見どころを写真つきでご紹介します!参拝される前にチェックして参考になさってくださいね。
ビッグ修行大師像
駐車場からはえげつない角度の坂を登って境内へと向かいます。
坂を登り切ったところに巨大な修行大師像があり、お遍路さんを迎えてくれます。写真では大きさがいまいちわかりませんが、高さは4mあります。
本堂
恩山寺の本堂は階段を上がった一番上にあり、山に囲まれて静かな雰囲気でした。かなり歴史のありそうな建物なので、Wikipediaにあるように文政年間(1804年~1830年)に建てられたものっぽい。
奉納された薬師如来の絵が掲げられていました。
恩山寺は勅願のお寺なので本堂には菊の御紋の彫刻も。
天井には一面に千社札が。
大師堂
本堂の一段下に大師堂があり、寄り添うように御母公堂があります。御母公堂には出家のときに剃髪した髪と、弘法大師が彫った母君の像も納められていますが中は見えません。
大師堂の御本尊は弘法大師が自ら彫った大師像ですが、拝顔はできません。
賓頭盧尊者
恩山寺の賓頭盧尊者(びんずるそんじゃ)は大師堂と御母公堂の間にいらっしゃいました。
「びんずるさん」と呼ばれるなで仏ですが、小さな箱にみっちり詰まっていて、なでられないタイプのびんずるさんでした。
地蔵堂
大師堂を背にして右手に、やや崩壊ぎみのお堂があります。こちらは地蔵堂で、地蔵菩薩像と釈迦の十大弟子の像があります。お堂は古びていますが、像は彩色があってきれいでした。
こちらは地蔵菩薩像。
続いて釈迦の十大弟子が並んでいます。表情や衣装、ポーズがそれぞれ違うので、詳しい方なら見分けがつくかも。
弘法大師お手植えの「びらんじゅ」
恩山寺へ向かう途中の山道に大きな木があります。これは「毘蘭樹(びらんじゅ)」という木で、弘法大師お手植えといわれていて、徳島県の天然記念物に指定されています。
普通の木は樹皮でおおわれているものですが、びらんじゅは木肌がむき出しでズルムケです。この特徴から、博打で負けた人が身ぐるみをはがされた状態に例えられ、びらんじゅに触ると勝負運が下がるとか。。。
ギャンブラーの皆さまは決して触れないように!
逆に、びらんじゅの葉っぱは勝負運アップのお守りになるそうです。どっちやねん😂
意外なところに仁王門
びらんじゅの近くには古びた仁王門がありました。知らないと完全に見落としてしまう場所です。恩山寺に向かう途中の赤い橋の近くにありますよ。
仁王門は長い間放置されているようなボロボロさですが、中にはちゃんと金剛力士もいます。頭でっかちで、等身のバランスが独特な金剛力士でした。
小坊主くん
恩山寺には大師堂前に小坊主くんがいました。
青い帽子と青いチェックの前掛け、同系色でまとめたおしゃれスタイル。
まとめ
小高い山の上にある恩山寺は静かな雰囲気で、弘法大師が母君を想う優しさがあふれるお寺でした。
仁王門や地蔵堂、摺袈裟など、知らないと見落としがちなものが恩山寺にはたくさんあります。とくに、摺袈裟は買いそびれると他では入手できないので、ぜひチェックしてくださいね🙆♀️
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おすすめのお立ち寄りスポット
恩山寺の近くで御朱印がいただける神社仏閣や、あわせて行きたいおすすめスポットをまとめました。
小松島市の御朱印一覧はこちら💁♀️
旗山
恩山寺の近くに源義経ゆかりのスポットがあります。徳島に上陸した義経一行が軍議を開いたといわれる小さな山の上に銅像があるだけですが、歴史好きな方におすすめ。