爪彫り薬師(つめほりやくし)は四国八十八か所霊場第28番札所大日寺の奥の院。
「奥の院」といえば、一般的にお寺や遍路道から遠く離れたアクセス不便な場所にありがちですが、爪彫り薬師は大日寺から徒歩5分もかからず行けてアクセス便利。納経は大日寺で行っているので、あわせてお参りしてみては。
爪彫り薬師へのアクセス
28番札所大日寺までのアクセスは割愛します。
案内表示にしたがって大日寺の納経所を通り過ぎてまっすぐ進み、徒歩5分もかかりません。
爪彫り薬師の御朱印
爪彫り薬師の御朱印は大日寺の納経所でいただけます。納経料は300円です。
爪彫り薬師の御影
爪彫り薬師で納経をすると、御本尊のお姿を描いた御影(おすがた・おみえ)が無料でいただけます。
奥の院にもカラーの御影があるのかは不明。
爪彫り薬師の納経受付時間
爪彫り薬師の納経受付時間は7:00~17:00まで、大日寺と同じです。
爪彫り薬師について
荒廃していた大日寺を弘法大師が復興させたのと同じ頃、この地に生えていた楠に弘法大師が爪で薬師如来の姿を刻んだといわれています。
明治時代にその楠が台風で倒壊したため、跡地にお堂を建てて「爪彫り薬師」を安置しました。現在のお堂は平成26年(2014年)に建て替えられたばかりで、まだピカピカの新築でした。
爪彫り薬師は目、耳、鼻、頭、顔など首から上の病に霊験があるといわれています。
爪彫り薬師の御本尊
爪彫り薬師の御本尊は薬師如来、楠に弘法大師が爪で刻んだものといわれています。お堂に奉納されている木の板に彫られた薬師如来、実物もこんな感じなんでしょうか。
爪彫り薬師の見どころ
大日寺から楽々アクセス!
納経所から爪彫り薬師同まで、まっすぐ敷石があります。この参道の敷石も新しく整備された感じで、古い写真を見ると舗装はありませんでした。
参道の入り口にはちんまりとした石仏がたくさん並んでいます。なぜここにあるのか由来などは不明ですが、五百羅漢的なものでしょうか。見える範囲は全部、色や大きさ、表情が違いました。
弘法大師の御加持水
爪彫り薬師にはお堂のほかにもうひとつ見どころがあります。それがこの「弘法大師の御加持水」。真新しいろうとやひしゃくが置いてあるので御加持水は持ち帰りOKのようですが、容器は置いてなくて持参必須。
この御加持水はお大師さんの時代から湧いている水で、渇水のときも枯れたことがなく、地域の皆さんから大切にされてきました。「土佐の名水40選」に選ばれた名水です。
こんなに近くでも奥の院まで参拝する人はやはり多くないようで、山の中にポツンとあるお堂で孤独にお勤めすることになりますが、背後からお大師さんがしっかりと見守ってくださいます。丸みがあり、おだやかなお顔立ちのお大師さんです。
こちらの尊像も真新しいものでした。
穴のあいた石を奉納する
「首から上の病に霊験がある」という爪彫り薬師ですが、おかげをいただいた(御利益があった)場合は自然に穴のあいた石を奉納するのが習わしです。
お堂の周りにはたくさんの石、石、石。すべて穴があいたものでした。「自然に穴のあいた石」ってかなりハードル高そうですが、どこで見つけたんだろう…。
お堂の隣にうず高く積み上げられていました。
まとめ
爪彫り薬師は奥の院には珍しく、お寺から徒歩で行けてアクセス便利。
ペットボトルなどを持参すれば、土佐の名水40選にも選ばれた「弘法大師の御加持水」をくんで持ち帰ることもできます。
大日寺を参拝するときは、ぜひ爪彫り薬師にもお参りしてみては。
▼爪彫り薬師の納経を行っている28番札所大日寺はこちら▼