徳島県名東郡|宝蔵寺は徳島県唯一の村にあるお寺、仁王門の金剛力士が個性的

お寺の御朱印

宝蔵寺(ほうぞうじ)は徳島市の隣、名東(みょうどう)郡佐那河内(さなごうち)村にあるお寺。徳島県で唯一の村ですが、車があれば徳島市内からもアクセスしやすい場所です。

宝蔵寺は山に囲まれた小さな集落にあるコンパクトなお寺ですが、複数の霊場で札所となっています。詳しい由緒などは不明ですが、室町時代の創建という説もあるので、意外と歴史ある重要なお寺なのかもしれません。

宝蔵寺はふだんから納経所に人がいないようなので、事前に連絡してからの参拝をおすすめします。
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宝蔵寺へのアクセス

徳島市方面から向かう場合、国道438号線から神山町方面へ進み、ファミリーマートがある丁字路で脇道へと入ります。そこからどんどん細い道へと入って行くので、道が合っているのか不安になりますが、最後の分岐には宝蔵寺の看板がありました。

嵯峨天一神社が見えたらすぐ小さな橋を渡り、坂道の突き当りに鐘楼門が見えてきます。

宝蔵寺
〒771-4101
徳島県名東郡佐那河内村下中溝38

宝蔵寺の駐車場

宝蔵寺には駐車場はなく、境内に停める形でした。ただし、お寺に続く道はかなり狭く、軽自動車じゃないと通れないかもしれません。

お寺の周辺は細い路地に畑と民家のみでコインパーキングなどがなく、境内に駐車できない場合はかなり難儀します。

公共交通機関でのアクセス

佐那河内村内にはJRの路線がなく、最寄りのバス停からの距離があり、公共交通機関でのアクセスは難しいです。

・JR徳島駅から徳島バス神山高校行きに乗車し「西ノハナ」バス停で下車、徒歩25分(1.6km)

検索するともっと宝蔵寺から近い「舟戸」「馬越峠」「南浦」「中嵯峨」のバス停が出ますが、徳島バス佐那河内線は2019年10月で廃止されました。

宝蔵寺の御朱印

宝蔵寺は複数の霊場で札所となっていて、御朱印も複数あります。

  • 新四国曼荼羅霊場第74番札所
  • 阿波六地蔵霊場第4番札所
  • 阿波秩父観音霊場第3番札所

本堂の隣に納経所がありますが、参拝したのが平日だったからかご不在でした。ただし、納経所に置いてある缶の中にそれぞれの霊場の書置き御朱印と御影が置いてあり、印もすべて揃っているのでセルフ納経できます。

新四国曼荼羅霊場は半紙に書いたものしかなく、バインダー式のものは置いてなかったです。バインダー式の宝印帳でお納経をしている方は事前に連絡してから参拝したほうがいいかもしれません。

今回拝受したのは阿波六地蔵霊場のみで、印の位置は書置きの御朱印を参考にしました。

阿波六地蔵

阿波六地蔵霊場第4番札所の御朱印がこちら。「一願地蔵尊」と書かれています。納経をすると、カラーの御影もいただけます(右ページに貼付)。

納経所に置いてある朱肉が劣化していたのか、時間がたつと少しにじみました。気になる方はマイ朱印を持参しては。

宝蔵寺の納経受付時間

宝蔵寺の納経所にはとくに時間についての表示はありませんでしたが、新四国曼荼羅霊場共通の納経受付時間は7:00~18:00(一部の寺社は17:00まで)となっているので、これを参考にできるかもしれません。

宝蔵寺について

宝蔵寺の創建については諸説あり、室町時代又は江戸時代前期の元和年間(1615年~1624年)と伝わっています。佐那河内村には村内にお寺が4つしかなく、そのうちの1つが宝蔵寺です。

境内には由緒書きなどがなく、残念ながら詳細は不明です。

正式には日晴山宝蔵寺(ほうぞうじ)といい、高野山真言宗のお寺です。山号の読みは不明。

Wikipediaでは山号が「蓮華山」とありますが、仁王門には「日晴山」と掲げられていました。

宝蔵寺の御本尊

宝蔵寺の御本尊は地蔵菩薩で、「一願地蔵尊」と呼ばれています。

阿波六地蔵でのポジションは「金剛幢(こんごうとう)地蔵」、修羅道を救う地蔵菩薩です。

宝蔵寺の見どころ

塀にめり込んだ仁王門

宝蔵寺には立派な仁王門がありますが、遠くから見ると塀にめり込んだ風に見えます。もちろん、近くに行くと塀の奥にあるのがわかります。

二層目には鐘楼があり、仁王門+鐘楼門という珍しい造りの門でした。

金剛力士像は木造で等身大、かなり近くから見ることができます。何ならさわれるぐらいの位置にあり、確実に手はさわられまくっていて真っ黒でした。

この金剛力士さんたち、筋肉モリモリでかなり迫力がありますが、ポーズのクセがすごい。吽形は『世の中銭やでぇ!』なミナミの帝王感あるハンドサイン。

阿形はなぜか熊手を持っていました。商売繁盛で笹もってこいなやつ。

二層目には七福神のえべっさんと大黒さんがいました。門の前側に大黒さん、本堂側がえべっさんという配置。こちらが本堂側、鯛っぽい魚を持って右手に釣り竿的なものを持っていた形跡があるので恵比須さんですよね。

仁王門以外にもなぜか境内には恵比須大黒コンビがいっぱいいました。何かお寺やこのあたりの地域と関係があるのか、単純に縁起物だからなのか、詳細はわからず。

本堂

こちらが宝蔵寺の本堂、仁王門からすぐ正面にあります。建て替えられてからそれほど年数が経っていない感じで、きれいな建物でした。ガラス戸越しに本堂の中が見えます。

本堂の前には檀家さんのものと思われる位牌がたくさん並んでいたのが不思議で、こういうのは初めて見たかも。地域密着型のお寺なんだな、と実感しました。

本堂の扁額には「地蔵殿」とあります。

大師堂

本堂のすぐ右側に大師堂があります。こちらは本堂に比べると少し古い感じの建物で、階段がかなりきしんで壊れそうでした。

山に近い立地のうえ、大師堂の周りはとくに草木がしげっているからか、「蜂の巣があるので注意」という貼り紙がありました。蜂が活発な時期の参拝にはご注意ください。

バカンス感ある水子地蔵

宝蔵寺はコンパクトなお寺なので本堂と大師堂以外にはお堂はありませんが、境内には水子地蔵さんをお祀りしていました。麦わら帽子をかぶっていて、南国風な気になる地蔵菩薩さんでした。

憩いの場所

境内にはベンチがいくつかあり、いろんな手作りオブジェも置いてありました。

おそらく建て替え前の本堂の瓦っぽい獅子さんもいくつか置いてありました。屋根で見ると躍動感があってりりしく見えますが、近くで見ると愛嬌があってかわいいですね。

宝蔵寺の仁王門からの眺め。佐那河内村は山に囲まれたとてものどかな田舎町です。

宝蔵寺は少し高い位置にあり、境内からは集落を見渡すことができました。すぐ近くには「嵯峨天一神社」があり、鳥居も見えます。この嵯峨天一神社は平安時代初期の弘仁3年(815年)1月11日勧請の伝説があり、かなりの古社の模様。ちょうど弘法大師が活躍した年代ですね。

お寺や神社が集落の中心で、地域の方に大切にされている古き良き日本の風景が広がっていました。

まとめ

宝蔵寺がある佐那河内村は公共交通機関でのアクセスは不便ですが、車があれば徳島市内中心部から30分程度で行けます。

山に囲まれたのどかな集落にあるコンパクトなお寺なので、観光地にある大きなお寺に比べると見どころは少ないかもしれません。そのぶん、すごく近くからゆっくり拝観できるというメリットもあり、とくに仁王門の金剛力士像は迫力ある表情とクセがすごいポーズの対比がおもしろいです。

複数の霊場で札所となっていますが、納経所が基本的に無人なのでご注意ください。事前連絡してからの参拝がおすすめです。

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地蔵寺は新四国曼荼羅霊場80番札所、阿波六地蔵第5番のお寺で、同じ小松島市内にある金長神社の御朱印もこちらでいただけます。住宅街の中にある小さなお寺ですが、境内の宝寿水は名水として有名。地域の人に親しまれているアットホームな雰囲気のお寺です。
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