最明寺(さいみょうじ)は徳島県の西部、美馬市にあるお寺。
「最明寺」という寺号は「最明寺入道」と呼ばれた鎌倉幕府の第5代執権・北条時頼にゆかりがあることからつけられたもので、本堂や山門の瓦には北条氏の家紋入り✨境内はそれほど広くありませんが、地域の歴史が感じられる素敵なお寺でした😊
2つの霊場で札所となっていて、2種類の御朱印がいただけます。
- 四国三十六不動霊場第3番
- 阿波西国三十三観音霊場(西部)第33番
最明寺へのアクセス
周辺にとくに案内もなく、曲がる場所がわかりにくいです💦ローソン美馬脇町猪尻店が唯一の目印。
・徳島自動車道脇町インターから約10分
最明寺の駐車場
車は境内に乗り入れ可能、無料で駐車できます。
初めて行くと駐車場への分岐がちょっとわかりにくいかも😫坂道を上がると墓地が見えますが、寺号標の奥に境内へと車で入れるルートがあります(赤い矢印のルート)。
ここへ入らずにまっすぐ行くと山門がありますが、山門方面から奥には車で入れないので注意🙅♀️お参りだけの短時間なら山門前にも駐車可能です(彼岸などのお墓参りシーズン以外)。
公共交通機関でのアクセス
路線バスはなく、車以外でのアクセスは不便です。
・JR徳島線穴吹駅から3km
最明寺の御朱印
本堂の右手に納経所があります。こちらは四国三十六不動霊場の御朱印で、「開運不動」とあります。
最明寺の御影
右:納経をすると無料でいただける御影
左:別途300円でいただける童子さんの金色のカード
最明寺について
「萩寺」とも地元では呼ばれ、萩の花が境内のいたるところで9月中旬頃になると咲き乱れる。
開山を行基として天平年間(729年~748年)に創建され、現在地より北東200mの日野谷源流東側に位置し西光寺と号した。その後、江戸時代前期に現在地に移転し西明寺と改号する。現在の寺名は鎌倉時代に最明寺入道北条時頼が滞留したという伝説が西明寺縁起に残されていることに由来する。
納経をすると「不動十二天守護」の月毎に変わる梵字シールをもらえる。(写真の右上が1月の地天で、1月の左横が2月の梵天で、1月の下が5月の毘沙門天)(Wikipedia最明寺より引用)
天平年間に創建されたと伝わる古刹で、正式には弥天山(みてんざん)常光院(じょうこういん)最明寺(さいみょうじ)といい、真言宗大覚寺派のお寺です。
Wikipediaによると、萩のお寺として有名だそうですが、参拝したときは季節はずれだったので拝めず。参拝は9月がいいかもしれませんね。
そして、Wikipediaにある梵字のシールは今ももらえるんでしょうか…私もらってない😂
最明寺の御本尊
御本尊は聖観音菩薩。
「観音菩薩」といえば千手観音や十一面観音、如意輪観音などさまざまなバリエーションがありますが、実は基本形態は聖観音。観音さまは人々を救うためにTPOに合わせて姿を変えておられるだけなんです。
国の重要文化財「兜跋毘沙門天」
拝顔はできませんが、最明寺には兜跋毘沙門天(とばつびしゃもんてん)という変わった毘沙門天像が安置されているとか。「兜跋」というフレーズは聞きなれませんが、「長い外套(がいとう)のような上着のこと」だそうです。ロングコートを着たシャレオツな毘沙門天、というとイメージしやすいでしょうか😂
「地天女」が天に向かって広げた両手の上に毘沙門天が立つ、という謎のポージングで、さらに毘藍婆(びらんば)・尼藍婆(にらんば)という二体の鬼を従えている独特なお姿が兜跋毘沙門天の最大の特徴です。
いわば戦隊ヒーローものの合体フォーメーションです💁♀️
かなりシュールな光景ですが、唐の時代に領土の端っこがチベット軍に攻めこまれたとき、高僧が戦勝祈願の祈祷をすると城門に兜跋毘沙門天が現れて敵を追い払ったという中国の伝説があるそうです。ちゃんと元ネタがあるんですね😂
毘沙門天といえば越後の虎と呼ばれた戦国武将・上杉謙信が信仰していたことで有名で、武士によって戦勝祈願のために祀られることが多い仏さまです。おそらく、最明寺の兜跋毘沙門天も三好家など徳島ゆかりの戦国武将が祀っていたと考えられています。
最明寺の兜跋毘沙門天は腰をひねっているのが特徴だそうですが、その特徴はわかりやすいような、わかりにくいような…😂
最明寺の見どころ
最明寺で個人的に気になる&おすすめの見どころを写真つきでご紹介します!参拝される前にチェックして参考になさってくださいね。
ゴージャスな山門
新しいですが、立派な瓦屋根でゴージャスな山門です✨門の前には寺号標があり、「真言宗大覚寺派別格本山最明寺」とあります。
門前は参道に沿って墓地がありました。
この△が3つ並んだ家紋(「三つ鱗」というそうです)は北条氏のもので、最明寺には「最明寺入道(さいみょうじにゅうどう)」と呼ばれる北条時頼(ほうじょうときより)が滞在したという伝承があります。
身分を隠して全国行脚…水戸黄門的な感じ?
北条時頼は30歳の若さで出家して37歳で亡くなっているので、実際のところ徳島にも来たのかは不明なんですが、最明寺の縁起に書かれているそうです。元の寺号は漢字違いの「西明寺(さいみょうじ)」で、最明寺入道にあやかって「最明寺」に改められた、とされています😲
瓦がかっこいい!
本堂は明治12年(1879年)に火災で焼失し、その後再建されたもの。築120年くらいで、お寺としては比較的新しい建物ですが、瓦はかなりヴィンテージ感があってかっこいいです✨
瓦にも北条氏の「三つ鱗」の家紋入りでした。
本堂の扁額、「聖観音」とあります。
境内はそれほど広くなくて、左奥から本堂、本堂玄関、納経所という並びになっています。伝統的な日本家屋という雰囲気で、とても素敵でした。
本堂の前の白いお堂は宝物殿でした。ふだんは内部には入れず、中も見えません。
Wikipediaによると、宝物殿は
県文化財・阿弥陀如来坐像と重文・毘沙門天立像安置
とあるので、気になる兜跋毘沙門天の尊像はこちらに安置されているようです✨ということは、4月3日には宝物殿の内部も見られるんでしょうか。
宝物館の前には六地蔵さん。おそろいの赤い前掛けがキュートです🥰
忘れちゃいけない護摩堂
不動霊場の巡礼の場合、本堂だけでなくこちら「護摩堂」にもお参りを。不動明王がお祀りされているのはこちらです。本堂からは少し離れているので、忘れがちかもしれませんね💦
護摩堂の前には注連柱があり、どことなく神社っぽい雰囲気があります。神仏習合時代の名残でしょうか。
護摩堂の前には最明寺の御本尊である聖観音さまの立像がありました。本堂では拝顔できないので、しっかり拝んでおきましょう👏
最明寺は高台にあるので見晴らしがよく、とくにここからの眺めが良かったです✨
お参りしたとき、ご住職なのかたまたまお若い僧侶の方がこちらでお経をあげておられたので、入れ替わりで護摩堂の中でお勤めさせていただけました。通常はお堂の外からのお参りのようです👏
護摩堂には不動明王をセンターに五大明王が安置されていました。仏前の鏡に間抜け面が写っていたのでゴキゲンな星くんで隠しておきます😂
お迎え童子はここ!
四国三十六不動霊場のお寺にはそれぞれ担当童子がいて、「お迎え童子」という像もあります。
最明寺では「不動恵(ふどうえ)童子」をお祀りしているので、不動恵童子さんがお出迎え。童子さんがどこにいるかはお寺ごとにバラバラですが、最明寺では護摩堂の手前にいました。
また、四国三十六不動霊場では童子さんごとにそれぞれの”教え”があります。不動恵童子さんの教えは「優しい言葉でありましょう」。チクチク言葉、ダメ絶対🙅♀️
童子さんのお隣には不動明王が。寄り目でなかなかクセがすごいお顔立ち😂
お砂ふみできます
本堂から護摩堂へ向かう途中、無縁墓が整然と並んでいます。
お寺にはこうして無縁仏さんの墓石がまとめられていることがありますが、意外なのがここが「お砂踏み道場」となっているところ。珍しくないですか?
四国霊場お砂踏み所
香炉の周辺には四国八十八ヶ所霊場、高野山、善光寺のお砂を勧請しおさめました。お砂踏みをなさいますと各霊場をお参りした功徳をいただけます。
とあります。
灯籠を一周すると四国霊場、高野山、善光寺をお参りしたのと同じ功徳が得られるボーナスステージです。徳、積んで行こうぜ👍
ひっそりと鎮守さん
門の脇にはひっそりと鳥居があり、何やら奥にお祀りされていました。不思議と神明鳥居です。
鳥居がめちゃめちゃ低くて中腰じゃないとくぐれず、足元はランダムに積まれた苔むした石段というなかなかデンジャラスな参道となっています😂
鳥居の奥には小さなお宮が2つ並んでいて、左側は扁額もなくどんな神さまがお祀りされているのかは不明。右側のお宮は扉が格子になっているので、中が見えました。
そーっと中を見てみると…この独鈷を持ったスタイルはお大師さん?🤔
ちょっと不思議な空間でした。
まとめ
最明寺は「最明寺入道」と呼ばれる北条時頼ゆかりのお寺。山門や本堂の瓦に並ぶ北条氏の家紋(△が3つ並んだ「三つ鱗」)は必見です。
2つの霊場で札所となっていて、御朱印は2種類いただけます。
- 四国三十六不動霊場
- 阿波西国三十三観音霊場(西部)
最明寺は参拝におすすめのタイミングがあるので、ぜひ合わせてお参りしてみては😆
- 国の重要文化財に指定されている兜跋毘沙門天は毎年4月3日に開帳
- 地元では「萩のお寺」として有名、萩の見ごろは9月
おすすめのお立ち寄りスポット
最明寺の近くで御朱印がいただける神社仏閣や、合わせて行きたいおすすめスポットをまとめました。
西照神社
パワースポットとして有名な西照(にしてる)神社まで車で30分程度で、それほど近くはないうえに、なかなかハードな山道ですがおすすめのスポットです。標高1000mの山の上にあるため、他に参拝者がいない場合は人の気配がまったくなく、静寂に包まれた別世界でした。
西照神社でも御朱印がいただけますし、運がよければかわいらしい絵入りの御朱印(書置きのみ、数量限定)がいただけるかも!?😆