四所(ししょ)神社は徳島駅から2kmほど東に進んだ渭東(いとう)地区にある、1200年以上の歴史がある神社です。藩主からの崇敬が篤かった「徳島市中五社」のひとつですが、他の四社がある眉山周辺とは違う場所にポツンとあります。
境内には徳島市の指定保存樹第1号の大きな松の木があり、遠くからでも見えて目印になります。神社に伝わる伝説から鹿をお祀りしていて、個性ありすぎな狛犬もいる見どころが多い神社でした。
四所神社へのアクセス
県道29号線沿いにあり、徳島駅から車で10分かからないくらいの場所です。道路沿いに鳥居が見えるので、近くまで行けばすぐにわかります。
四所神社の駐車場
四所神社には専用の駐車場がなく、境内に停めるスタイル。駐車できるスペースが広くないので、他に参拝客がいる場合は停められないかもしれません。
公共交通機関でのアクセス
徳島駅からギリギリ徒歩圏内ですが、バス停が目の前にあるので車以外で行く場合はバスがおすすめ。
- JR徳島駅から約2km、徒歩25分
- 徳島市営バス沖洲南海フェリー前行きに乗車し「福島明神前」バス停で下車、徒歩1分
四所神社の御朱印
神社のすぐ裏手にある宮司さん宅で御朱印がいただけます。
拝殿前にある授与所は普段は閉まっているようで、「御用の方はこちらへ」とご自宅の場所と連絡先が掲示されていました。
兼務社の御朱印もいただけます
四所神社では以下の兼務社の御朱印もいただけます。
- 事代主神社:徳島市安宅1丁目2-3-3
- 蛭子神社:徳島市南沖洲1丁目2
- 住吉神社:徳島市住吉1丁目6-55
- 椎宮八幡神社:徳島市佐古山町椎宮1
四所神社について
四所神社の起源は大同2年(807年)と云われている(詳細は伝承で)。徳島市中五社のひとつ。
古くは四所明神・四所大明神と称し、現在でも福島の明神さんとして親しまれている。
三好市(旧三好郡西祖谷山村)の国見山山頂にある国見神社は奥社であるという説がある。また神社前にはこの地で育った小説家・海野十三文学碑が建てられている。海部ハナゆかりの神社としても知られる。(Wikipedia四所神社(徳島市)より引用)
四所神社の正確な創建年は不明ですが1200年以上の歴史があるといわれ、大同年間(806年~810年)にこの地に遷座しました。古くは「四所明神」や「四所大明神」と呼ばれ、現在は「福島の明神さん」として親しまれています。
四所神社が鎮座する渭東(いとう)地区は江戸時代に阿波水軍の本拠地だったので船大工が大勢いて、船大工が中心となって普請したという珍しい神社です。
社地が道路で分断されたため、現在の境内はずいぶんとコンパクトになりましたが道路をはさんだ向かい側にも注連柱が残っています。
徳島城の鎮守として整備された「徳島市中五社」のひとつとして徳島藩主・蜂須賀氏から代々崇敬され、参勤交代のときには藩主は必ず四所神社に参拝していました。
「お亀磯」の伝説
現在地への遷座と四所神社で鹿をお祀りしている理由は、この「お亀磯」の伝説からきています。
昔、徳島市津田町の沖合に亀島と呼ばれる島が存在し、島内にある祠には二頭のシカが飾られていた。ここに毎日お参りに訪れていた老夫婦の夢に神様が現れ、「シカの目が赤くなったら島が沈むので、シカを連れて逃げなさい」と言った。この話を聞いた若者がいたずらでシカの目を赤く塗った為、老夫婦は急いでシカを船に乗せて逃げた。しかしその晩、本当に大津波が島を襲い島は沈んでしまった。その後、老夫婦は自分たちを救ってくれたのはシカのおかげだと思い、シカを神社に祀ったのが四所神社の起こりだと云われている。
(Wikipediaより引用)
10月に行われる秋祭りでは「船だんじり」という船型の御神輿に御神体の鹿が乗せられ、町を練り歩くそうです。
四所神社の御祭神
境内にある由緒書きは文字がかすれていて、一文字目の「武」「斎」「天」「比」しか読み取れませんが、この並びはどこかで見たような…🤔
- 武甕槌神(タケミカズチノカミ)
- 天児屋根神(アメノコヤネノカミ)
- 斎主神(イワイヌシノカミ)
- 比売神(ヒメガミ)
この四柱の神々は春日大社の御祭神と同じですよね。春日大社といえば鹿、四所神社の御神体も鹿という鹿つながりでしょうか。
拝殿前の鹿像の近くにある石(雌鹿の右側にある黒い石)はお亀磯の伝説で神鹿が流されないように押さえた石だとか。伝説の石がものすごい野ざらしになっていますが、いいのか?😂
この鹿像はお亀磯の伝説にちなんで目が赤いそうですが、色あせてしまったのか白っぽくなっていました。
四所神社の見どころ
四所神社で個人的に気になる&おすすめの見どころを写真つきでご紹介します!参拝される前にチェックして参考になさってくださいね。
狛犬がお出迎え!
鳥居の側に並んだ狛犬、手前が明治37年(1904年)、奥が昭和15年(1940年)製の狛犬コンビ。阿形はドヤ顔で飴ちゃんを見せつけてきます。
吽形はひそかに子持ちでした。ずり落ちそうなプリケツがかわいい。
立派な拝殿
威風堂々とした拝殿。
無駄にリアルな天狗のお面が奉納されています。
四所神社の拝殿は、センターにある大きな獅子の彫刻がかっこいいです✨
拝殿には「阿波しじら織り」を編み出した海部ハナという女性が奉納した額があるそうですが、どこにあるのかわかりませんでした💦
個性強めな狛犬
こちらは拝殿前の狛犬。お顔立ちがなんだか東南アジアの石像のようで、クセがすごい😂インパクトありすぎて記憶に残る狛犬さんです。
ただクセがすごいだけでなく「洗い狛犬」という珍しいもので、タワシと水が入ったバケツとひしゃくがセッティングされていました。説明書きが読めないくらいかすれていたので、由来や作法などは不明。
なで仏さんみたいに、体の治したいところと同じ場所を洗えばいいのかな?🤔
もう一組の狛犬はノーマルな徳島型でした。
境内社いっぱい
鳥居の近くには醫王神社と若宮神社が並んでいます。どちらも御祭神や由緒などは不明。
拝殿の左手には神馬堂があります。白いボディで耳がピンと立っていて、顔だけ見るとウサギみたい。
見落としてしまいましたが、神馬さんの足元には2つの石があるそうです💁♀️
お亀磯にあった石で、盗難にあっても必ず戻ってくるという不思議な石。
【蜂須賀公由縁の石】
四所神社の西に練兵場があった頃、藩主が訓練の指揮を取りながら腰かけたところ真っ二つに割れた。その石を神社に奉納して藩の兵士の活躍を祈願したといわれています。
神馬堂の隣にはお稲荷さんがあり、小さな狛狐さんがガッチリ守っています。
拝殿の裏側にも小さな祠がいくつか並んでいます。拝殿と本殿の間を通り抜けることができ、御本殿の神さまの近くでお参りできました。
そのままぐるっと一周すると、拝殿右隣の天神社の前に出ます。天神さんの鳥居はかなり低いので、背が高い人だと頭がぶつかるかもしれません💦
天神社の前にもかわいい狛犬さんがいました。
徳島市の保存樹木第一号「ふくろうの樹」
天神社の前にある大きな松の木は徳島市の指定保存樹木第1号で、樹齢350年以上。「ふくろうの樹」という名前があり、昭和48年(1973年)頃までは実際にフクロウが巣を作っていたそうです。
離れて見るとこんな感じで、隣にある2階建てアパートよりはるかに高い樹高です。余裕で3倍はありそう。
こんなに上のほうにある松の枝ってなかなか見る機会がない光景かも。
徳島の神社を巡っていると「松の木の御神木は松くい虫の被害で枯れてしまった」という説明をよく見るので、この木にはこれからも頑張ってもらいたいです。
花手水が奉納されていました!
2021年1月~2月末までの期間限定ですが、四所神社でも花手水が奉納されていました。徳島新聞でも紹介されていたので、見に行った方も多いのでは。
徳島で花手水が見られる寺社はこちら💁♀️
まとめ
四所神社はほかの市中五社と違って眉山の山際ではなく平地にあるので、コンパクトな境内ながらとても開放感がありました。眉山周辺の神社とあわせて参拝しようと思うと移動がやや面倒ではありますが、立派な拝殿と小さな境内社や大小の狛犬が点在していて見どころがたくさんあるのでおすすめです。
清掃が行き届いていて気持ちよく参拝でき、地域でとても大切にされているのが感じられる神社でした。周辺にある兼務社の御朱印もいただけるので、足を伸ばして参拝してみては。
おすすめのお立ち寄りスポット
徳島市内で御朱印がいただける神社仏閣はこちら。