春日神社は眉山のふもとにあり、交通インフラが貧弱な徳島県では珍しく徳島駅から歩いて行ける貴重な神社。徳島藩主・蜂須賀家に崇敬された「徳島市中五社」のひとつで、奈良県の春日大社と同じ神さまをお祀りしています。
神社仏閣が密集している寺町のはしっこにありますが、周辺には御朱印がいただける寺社がたくさんあるので徳島の御朱印巡りでははずせない神社です!
また、春日神社の境内には紆余曲折あってこの地に鎮座した式内社「豊玉比売神社」があり、春日神社で豊玉比売神社の御朱印もいただけますよ🙆♀️
春日神社へのアクセス
春日神社はJR徳島駅から車で5分くらいの場所にあります。国道192号線の「藍場町」交差点から眉山方面を見ると、春日神社の巨大な看板が見えるので場所はわかりやすいです。
周辺はやや道路の幅が狭く、見通しが悪いところもあるのでご注意を。細い道ですが、意外と交通量があります。
春日神社の駐車場
春日神社には参拝客が利用できる駐車場があります。駐車場には「有料駐車場」という表示がありますが、参拝のための一時利用の場合は無料だそうです。
公共交通機関でのアクセス
春日神社は眉山のふもとにあるので、JR徳島駅から歩いて行けます(徒歩15分くらい)。
阿波おどり会館に向かって右に進むと、お寺が密集している「寺町」に入ります。近くまで行くと春日神社の巨大な看板が見えるので、場所はわかりやすいです。
春日神社の御朱印
春日神社では境内にある豊玉比売神社の御朱印もいただけます。
お願いしたところ『印がない』と言われましたが、他サイトやSNSなどでは印ありバージョンを見たことがあるので、書き手の方によるのかも🤔せっかくなので墨書きだけいただきました💦
豊玉比売神社は今回は印なしなので無料でした。なんか申し訳ない🙇♀️
兼務社の御朱印も拝受可能!
春日神社と豊玉比売神社のほか、以下の兼務社の御朱印をいただくこともできます。
- 三嶋神社 徳島市西大工町5丁目11
- 伊射奈美神社 美馬市美馬町中鳥589
・御所神社:美馬郡つるぎ町貞光字吉良
春日神社でいただける御朱印は全部で5種類、ということになります。
- 春日神社
- 豊玉比売神社(境内社)
- 三嶋神社(兼務社)
- 伊射奈美神社(兼務社)
- 御所神社(兼務社)
忌部神社についてはこちら💁♀️
御朱印は「春日会館」で
春日神社は拝殿左手の春日会館1階が社務所となっていて、御朱印やお守りなどの授与はここで行っています(参道にある授与所は通常は機能していません)。春日会館の中は旅館っぽくて社務所はロビーのような雰囲気ですが、呼び出し用のインターホン的なものはありません🙅♀️
春日神社の社務所はご不在の場合が多く、何度か参拝してようやく御朱印をいただくことができました。遠方から参拝する場合は、事前に電話連絡をしておくのがおすすめです💦
春日神社について
大和国春日社領の富田庄(阿波国名東郡入田村(現徳島市入田町)一帯)に勧請された春日祠に起源を有つといい、蜂須賀家政の阿波入部に際して現在の大滝山東麓(眉山町大滝山1)に遷座されたと伝えるが(文化12年(1815年)の『阿波志』)、一説に天正14年(1586年)の家政による徳島城築城と共に、城下の鎮守として名東郡田宮村から迎えられ、同村から共に遷された勝福寺(通称春日寺)を別当寺とするようになったともいう(昭和48年(1973年)の『徳島市史』)。慶長年間(16世紀末から17世紀初)に蜂須賀氏が徳島藩主となって以後、「春日大明神」と称して歴代藩主からの崇敬を受け、祭祀料として毎年供米10石が春日寺充てに寄進されたという。
(Wikipedia春日神社(徳島市)より引用)
春日神社は奈良県の春日大社から勧請された分社で、もとは春日大社の社領があった富田庄(現在の徳島市入田町)にありました。正確な創建年は不明ですが、天正14年(1586年)に蜂須賀家政公の徳島城入城にともない、今の場所に遷座されています。
「春日大明神」として歴代藩主から崇敬され、明治6年(1873年)に現在の社名である春日神社に改称されました。現在も境内には「春日大明神」と書かれた燈篭がいくつか残っています。
春日神社は徳島城の鎮守として整備された「徳島市中五社」のひとつです。
春日神社の御祭神
春日神社の御祭神は春日大社と同じ武甕槌命(タケミカヅチノミコト)、斎主命(イハイヌシノミコト)、天児屋根命(アメノコヤネノミコト)、比売神(ヒメガミ)の4柱。
春日神社の見どころ
春日神社で個人的に気になる&おすすめの見どころを写真つきでご紹介します!参拝される前にチェックして参考になさってくださいね。
焼き餅屋がある参道
鳥居をくぐると短めの参道があり、左手に授与所(常に閉まっている)と右手には焼き餅屋さんがあります。眉山の滝の焼き餅といえば「和田乃屋」と「よねや」が二大巨頭で、春日神社にあるのは「よねや」です💁♀️
桜の季節には境内でお花見をしながら焼き餅がいただけます。緋毛氈(ひもうせん)が敷かれた縁台が並んでいて、とても風流ですよ。
眉山の名水あります!
春日神社には眉山湧水群のひとつ「春日水(かすがすい)」があります。手水舎の水は春日水を引いたものですが、飲用ではありません。源流は社殿の奥の山際にあるそうですが、見つけられませんでした💦
春日神社以外にも諏訪神社や椎宮八幡神社など、眉山には湧き水がある神社が多いです。
春日神社近くの「錦竜水(きんりょうすい)」は煮沸すれば飲用でき、地元の方が汲みに来ている姿を見かけます。焼き餅の製造にはこの水が使われていて、歴代藩主も愛飲していました。
春日神社に徳島大空襲の痕跡を見る
参道の階段を上がると拝殿があります。
春日神社がある眉山周辺は徳島大空襲の被害が大きく、境内の建物はほぼ戦後に再建されたものばかりですが、拝殿には手の込んだ彫刻があってとても立派。
拝殿には大きな干支の絵も掲げられています。
拝殿前の狛犬は明和6年(1769年)製、わりと新し目ですがとても個性的なお顔立ち。
吽形は顔面がすりきれていて表情がよくわかりませんが、阿形は真ん丸の目がかわいいです。阿形の狛犬の背後には境内社があり、小さな狛犬が並んでいてちょっとした狛犬パラダイスでした。
拝殿右横の狛犬も新しい目の昭和34年(1959年)製。
阿形の狛犬は口の中がぽっかり空洞で奥が見えず、ちょっとした恐怖を覚えます。吽形の狛犬の奥、柵の向こうには小さな稲荷神社がありますが、入れないようになっていました。
境内社前のミニ狛犬は明治2年(1869年)製。この子たちの黒ずんだボディも空襲による被害だそうです😢
かわいい境内社
拝殿の右手奥には小さな境内社が並んでいます。大己貴命(オオナムチノミコト)をお祀りする秋葉社と天押雲根(アメノオシクモネノミコト)をお祀りする若宮社で、右が秋葉社、左が若宮社。
社殿も狛犬もミニサイズでかわいいです🥰
徳島城から移された豊玉比売神社
春日神社の境内にひっそりと鎮座する、こちらの豊玉比売(トヨタマヒメ)神社。
御祭神のトヨタマヒメさまは神武天皇の祖母にあたり、もともとは徳島城がある城山に鎮座していました。
清玄坊が祭祀していたのがトヨタマヒメと思われ、後に「天石門別豊玉龍王宮」として城山に社殿が建てられています。
藩政時代は約束通りに代々藩主が祭祀していましたが、明治維新後は蜂須賀家が徳島を離れたため祭祀が途絶えてしまいました。すると明治初期には全国10位に入るほど人口が多く、そこそこ都会だった徳島は見る影もなく没落。。。
清玄坊とトヨタマヒメの祟りは現役のようです😂
その後龍王宮は歴代藩主を祀る国瑞彦神社へと移されましたが、2000年頃に春日神社へと遷座し、現在は「豊玉比売神社」としてお祀りされています👏
ちんまりとしたお宮のミニサイズの扁額にはしっかりと「豊玉比売神社」と書かれていました✨
春日神社の境内でこうしてしっかりとお祀りされるようになっておよそ20年、トヨタマヒメさまのお怒りが鎮まれば徳島県民としてありがたき幸せにございます🙇♀️
小さな社殿の前にはミニサイズの狛犬もいます。阿吽が通常と逆の配置でした。水の神さまをお祀りする神社では阿吽が逆という説がありますが、そういうこと?🤔
豊玉比売神社のすみっこに置かれている古い手水鉢は城山に龍王宮があった頃に使われていたものだとか。現在は木材が積み重なっていて、残念ながら手水鉢としては使われていません。
地神社
春日神社の拝殿の左手に階段があり、上がると地神社があります。徳島の神社ではおなじみの地神塔がお祀りされています。こんな感じで鳥居つきでしっかりお祀りされているのは珍しいのでは。
地神塔を守る狛犬さんもいました。
地神社からさらに上へと向かう階段があります。ここから眉山に登れますが、階段が350段くらいあってなかなかハードな道のりなので、眉山山頂に行くならロープウェイがおすすめ。
まとめ
春日神社は徳島市中五社に数えられる歴史ある神社。境内には「天石門別豊玉龍王宮」だった豊玉比売神社もあり、徳島城築城に際しての歴史に触れることもできます。
春日神社と豊玉比売神社のほか、兼務社の三島神社や伊射奈美神社などいただける御朱印の種類が多いので、徳島駅周辺で御朱印巡りをするならぜひ参拝してみてくださいね。
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