明王院(みょうおういん)は四国三十六不動霊場の第2番札所で、「鼠不動」と呼ばれています。
1番札所大山寺(たいさんじ)からの距離は21.5kmとそこそこ離れた場所にあり、山のほぼ頂上だった大山寺とは違い平野にあって見通しがよくて、吉野川の堤防のすぐ近く。
境内からは阿波富士・高越山(こうつざん)も見え、自然豊かな場所にあり、のどかな景色も見どころのひとつ。他のお寺では見かけない、個性的な案内小僧が気になるお寺です。
明王院へのアクセス
明王院は県道12号線から少し奥まった場所にあります。
曲がる場所にはとくに目印になるものはないですが、道路沿いには大きめの看板があります。この看板は鳴門方面、池田方面どちらから行っても見えます。
明王院の駐車場
お寺の前に参拝者が無料で利用できる駐車場があります。駐車場には新し目のきれいなトイレもありました。
公共交通機関でのアクセス
明王院は近くに駅がなく、バスの路線もないため車以外でのアクセスが困難です。
- 最寄り駅→JR徳島線山瀬駅から2.1km
- 最寄りバス停→徳島バス「川島庁舎前」バス停から4.4km
前後の札所
1番札所大山寺から21.5km
3番札所最明寺まで11.5km
明王院の御朱印
四国三十六不動霊場のバインダー式納経帳で巡礼しています。
明王院の御影
明王院で納経をすると、童子さんの御真言と梵字が書かれた御影が無料でいただけます。
左の金色の童子さんカードは別途300円でいただけます。
明王院について
境内からは吉野川の堰堤が見渡せ開放的であり、本堂背後の小山には石仏や五輪塔があり歴史を感じさせる。春には数種の桜の花が咲き誇る。当寺本尊の不動明王は鼠不動と云われ米を食い荒らすネズミを追い払い、豊作への願いが込められ、厄除祈願、学業成就にも霊験あらたかといわれる。
(Wikipedia明王院(徳島県阿波市)より引用)
明王院の創建については、西暦830年頃に弘法大師によって一宇が建立されたとされています。創建当時は「谷島の渡し」と呼ばれた吉野川の渡し舟の船着き場付近にお寺がありました。
室町時代には四国の守護大名・細川氏の祈願所となり栄えました。しかし、天文13年(1543年)に吉野川の洪水により堂宇が流され、御本尊を始めとする仏像は川島城へと流れついた記録があります。明王院が再建されるまで、御本尊は吉野川市川島町の「長楽寺」というお寺に安置されていました。
元和4年(1622年)にようやく現在地で再興され、旧阿波郡、麻植郡(現在の阿波市、吉野川市)の寺務を統括する「中本寺」の格を有していました。
正式には磨日山(まにちざん)明王院(みょうおういん)慈眼寺(じがんじ)といい、高野山真言宗のお寺です。
明王院の御本尊
明王院で祀られている不動明王は「鼠(ねずみ)不動」と呼ばれています。
鼠不動のいわれ:伝えによると、昔、お供えしていた仏飯がネズミに食され、その御下がりを頂いていた寺男がお不動さんにネズミに食されないようにと祈願したところ、翌朝、お不動さんの剣にネズミが刺さっていて、以降、仏飯が食べられることがなくなったという。それを聞いた近郊の人々が鼠不動というようになり、御札を受けに来るようになった。(先々代住職大我和尚の伝えによる)
(Wikipedia明王院(徳島県阿波市)より引用)
米を食い荒らしてしまうネズミは農家の大敵なので、ネズミを追い払ってくれるありがたいお不動さまとして地域の農家から信仰されました👏
お寺の御本尊は阿弥陀如来です。
明王院の見どころ
明王院で個人的に気になる&おすすめの見どころを写真つきでご紹介します!参拝される前にチェックして参考になさってくださいね。
鐘楼門じゃない鐘楼
駐車場からぐるっと回って、ここからが参拝順路。
鐘楼門、というかこれは完全に鐘楼オンリーですよね。斬新な配置でした😂この鐘楼堂は昭和24年(1949年)に再建されたものです。
鐘楼の両サイドにはパイプ椅子やベンチがあり、地域の憩いの場的な雰囲気があります。実際、お参りしているときにご近所の方と思われるお年寄りを数人見かけました。現在地で再建されてからおよそ400年、今でも地域で親しまれているのがうかがえます😊
鐘楼からは田舎の癒される風景
鐘楼からの眺めがこちら。すぐ目の前には吉野川の堤防と、写真には写っていないですがもう少し右のほうに阿波富士・高越山(こうつざん)がきれいに見えます。
写真だとやはり写る範囲が限られるので雰囲気がわかりにくいですが、目の前の山は左右の端が見えないほど遠くまで広がり、周辺には高い建物がないので見通しがよく、とてものどかで癒される田舎の景色でした。
もっと天気がいい日ならさらに最高の眺めですよね✨
案内小坊主
明王院はわりとコンパクトなお寺ですが、境内に入ってすぐ、案内小坊主がしっかりと案内してくれました。不動堂も納経所もこの位置から丸見えなんですけど、わかりやすくていいですね。
明王院には四国八十八か所で見かける例の小坊主とは違う、なんか独特な小坊主がいっぱいいます😂駐車場にも一人いました。他にもどこかに潜んでいるかもしれません。
不動堂
四国三十六不動霊場のお勤めはこちら、不動堂で。参拝したときは扉が閉まっていたので、中には入れませんでした。こちらの不動堂は平成元年(1989年)に建て替えられた比較的新しいもので、まだピカピカでした✨
お迎え童子はここ!
四国三十六不動霊場のお寺にはそれぞれ担当童子がいて、「お迎え童子」という像もあります。
明王院では「制吒迦(せいたか)童子」をお祀りしているので、制吒迦童子さんがお出迎え。童子さんがどこにいるかはお寺ごとにバラバラですが、明王院では不動堂の前にいました。
また、四国三十六不動霊場では童子さんごとにそれぞれの”教え”があります。制吒迦童子さんの教えは「笑顔でありましょう」なんですが、教えとは真逆の表情なのが気になりますね。めっちゃ不機嫌そう😂
制吒迦童子は不動明王に仕える八大童子の一人で、相棒の矜羯羅(こんがら)童子とともにお不動さまの脇侍レギュラーをつとめています。赤い肌で、手には殺傷能力高そうなこん棒を持ち、暴れん坊なのが特徴。
おだやかで優しい矜羯羅に対してやんちゃな制吒迦という、少女漫画でヒロインが揺れ動きがちな黄金コンビです。
ピカピカの本堂
不動堂の隣が御本尊の阿弥陀如来をお祀りする本堂で、こちらには山号「磨日山」の扁額がありました。本堂も扉が閉まっていて、外からのお参りになりました。
阿弥陀堂は平成15年(2003年)に建て替えられたばかりです。スロープも設置され、現代的な雰囲気の本堂でした。落慶記念として稚児行列や奉納阿波踊りなどが盛大に行われたとか。
まとめ
明王院は田園風景が広がる吉野川の堤防近くにあり、境内からはのんびりとした田舎の風景が楽しめます。創建から1200年の長い歴史があり、お不動さんの「鼠不動」という愛称から地域の農家に信仰されていることがうかがえました。
こちらの明王院は四国三十六不動霊場の第2番札所。吉野川をはさんだ対岸には第9番札所明王院があるので、間違えないようにご注意ください🙇♀️
おすすめのお立ち寄りスポット
明王院の近くで御朱印がいただける神社仏閣や、合わせて行きたいおすすめスポットをまとめました。
賀茂神社
明王院から1.5kmくらいの場所にある賀茂(かも)神社。日本で唯一、黄泉の国でイザナギノミコトをお助けした桃の実・オオカムズミノミコトを主祭神としてお祀りしています。
御朱印もいただけますよ🙆♀️
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