四国八十八か所霊場第3番札所金泉寺は板野町にあるお寺です。鳴門市にある1番札所霊山寺、2番札所極楽寺からもわりと近いので、一緒に参拝するのがおすすめですよ🤗
金泉寺には弘法大師が掘った井戸があり、「姿がはっきり映ると長生きする」といわれています。井戸のほかにも珍しい倶利伽羅龍王像や満願弁財天など御利益スポットもたくさん✨
源義経が戦勝祈願をしたお堂や弁慶が力試しをした石もあって、歴史好きな方や義経ファンにもおすすめ。
金泉寺は四国霊場以外にも複数の霊場で札所となっていて、御朱印は3種類あります。
- 四国八十八か所霊場第3番
- 阿波西国三十三観音霊場第23番
- 阿波北嶺薬師霊場第9番
金泉寺へのアクセス
金泉寺は幹線道路から少し奥まった場所にあり、少しわかりにくいかもしれません。周辺は道が狭いので通行に注意してください。
高速道路を利用する場合、各インターからの距離は以下のとおりです。
- 高松自動車道板野インターから1km
- 徳島自動車道藍住インターから3.2km
金泉寺の駐車場
金泉寺には参拝客が無料で利用できる駐車場があります(普通車14台)。
やや台数が少なめなので、春や秋のお遍路シーズンには停められないことがあるかもしれません💦
公共交通機関でのアクセス
金泉寺に車以外で行く場合、JRとバスが利用できます。
JRを利用する場合
- 最寄り駅はJR高徳線の板野駅、駅からの距離は約700m
バスを利用する場合
- 徳島バスの鍛冶屋原線「板野駅前」バス停で下車、バス停から金泉寺まで約700m
前後の札所
2番札所極楽寺から2.6km
4番札所大日寺まで5km
金泉寺の御朱印
金泉寺は複数の霊場で札所となっているので複数の御朱印がいただけます。
- 四国八十八か所霊場第3番
- 阿波西国三十三観音霊場第23番
- 阿波北嶺薬師霊場第9番
北嶺薬師霊場の専用納経帳は金泉寺で購入できました😊
四国霊場第3番の御朱印
阿波西国三十三観音霊場第23番の御朱印
阿波北嶺薬師霊場第9番の御朱印
金泉寺の御影
金泉寺で納経をすると、御本尊のお姿を描いた御影(おすがた・おみえ)が無料でいただけます。
カラーの御影をいただく場合は別途200円が必要です。
金泉寺の納経所受付時間
金泉寺の納経所受付時間は7:00から17:00までです。
金泉寺について
大寺の村名は、当寺に由来する。板野郡は、板東と板西に分かれていたが、その境は当寺の堂の扉板をもって境としていた。
寺伝によれば天平年間(729年 – 749年)に聖武天皇の勅願により行基が本尊を刻み、金光明寺と称したという。弘仁年間(810年 – 824年)に、空海(弘法大師)が訪れた際に、水不足解消のため井戸を掘り、黄金井の霊水が湧出したことから寺号を金泉寺としたという。
亀山法皇(天皇在位1259〜1274)の信仰が厚く、京都の三十三間堂をまねた堂を建立、千躯の千手観音を祀った。また、背後の山を亀山と名付け山号を亀光山と改めた。また、『源平盛衰記』には、元暦2年(1185年)に源義経が屋島に向かう途中本寺に立ち寄ったとの記載がある。
1582年(天正10年)には長宗我部元親による兵火にて大師堂以外の大半の建物を焼失したが、建物はその後再建され現在に至る。境内からは奈良時代の瓦が出土しており、創建は寺伝のとおり奈良時代にさかのぼると推定される。(Wikipedia金泉寺より引用)
天平年間(729年~749年)に聖武天皇の勅願があり、行基菩薩により「金光明寺(こんこうみょうじ)」として開基されたのが始まり。境内から奈良時代の瓦が出土していて、創建は寺伝の通り天平年間と推定されています。
弘仁年間(810年~824年)に弘法大師がこの地を訪れたとき、水不足で苦しむ民衆のために井戸を掘り、黄金の霊水が湧き出たことから「金泉寺」という寺号に変えました。この井戸が後述する「黄金の井戸」です。
亀山法皇(在位1259年~1274年)の信仰が厚く、境内に京都の三十三間堂に似た堂を建立して千手観音を祀り、背後の山を「亀光山」と名付けたといわれています。ちなみに、この「三十三間堂に似た堂」は現存していないっぽい。亀山法皇は弘法大師を信仰していて、全国のゆかりの土地を巡り、金泉寺にもしばらくご滞在されました。
長宗我部元親の天正の兵火(1582年)によって大師堂以外の建物が焼失しましたが、その後1674年に再建されています。
正式には亀光山(きこうざん)釈迦院(しゃかいん)金泉寺(こんせんじ)といい、高野山真言宗のお寺です。
金泉寺の御本尊
金泉寺の御本尊は釈迦如来、行基作といわれています。
脇侍として阿弥陀如来と薬師如来。脇侍(わきじ・きょうじ)は仏教彫刻で中尊の左右にひかえる如来や明王のことをいいます。
たしかに御影にも3体が描かれていますね。左側が薬の壺を持っているので薬師如来っぽいです。
御本尊は四国霊場開創1200年記念の2014年には開帳されていました。
金泉寺の奥の院
■愛染院(あいぜんいん)→金泉寺から3km
わらじの紐が切れたことで討死したという板西城の城主・赤沢宗伝の廟があり、いつからか腰から下の病を治してくれると信仰されています。病が治ればわらじを奉納するという習わしがあるため、大きなものからミニサイズまでたくさんのわらじが奉納されています。
刷毛(はけ)で豪快に書く御朱印(刷毛書き梵字)は全国的にも珍しく、四国ではここだけという激レアなもの。
■導引大師・宝国寺(ほうこくじ)→金泉寺から1.3km
岡上神社の近くにあり、お寺感がない小さなお堂なので見落としがちです。現在は無住で、お向かいの民家の方が納経を引き継いでいるとか。
Wikipediaによると「宝国寺は奥の院ではない」という説もあり、番外札所なのかも🤔
金泉寺の見どころ
金泉寺で個人的に気になる&おすすめの見どころを写真つきでご紹介します!参拝される前にチェックして参考になさってくださいね。
鮮やかな朱色の仁王門
鮮やかな色が印象的な仁王門は修復されたばかりのようで、色彩がとても鮮やかです。
金剛力士像は目がゴールド、茶系のボディで珍しいです。
仁王門の裏側には、なぜかお寺に似つかわしくない洋風のドアがあります。二度見しました😂
極楽橋
仁王門をくぐると「ごくらくばし」と書かれた赤い橋があり、正面に本堂が見えます。仁王門から極楽橋まではそれほど距離はありません。
瓦には菊の御紋
金泉寺は聖武天皇勅願のお寺なので、屋根瓦をよく見ると半分が菊の御紋になっていますよ。天皇の勅願によるお寺は、よく見るとどこかに菊の御紋が隠れていたりします(丸出しの場合もあり)。
慈母観音
本堂左手には「慈母観音」像。
慈悲深い愛情で見守ってくれるという、まさに母の愛があふれるありがたい観音さまですが、アンニュイな表情で何かを見つめています。
目線の先には謎のカプセルに入った金ぴかの童子がいて、慈母観音は童子に水をかけています。
…どういう状況?
とりあえず中の湿気がすごそうです😂
安産と子育てに御利益がある「子安大師」
慈母観音の隣には「子安大師」像。赤ちゃんを抱いた、珍しい弘法大師像です。子安大師には安産や子授け、子育ての御利益があります。
幅広い御利益の「倶利伽羅龍王」
不動明王の化身とされる倶利伽羅(くりから)龍王像。
剣に龍がからみついた不思議な姿ですが、これは仏と人が一体となるさまを表しているんだとか。剣は仏の世界を、龍が剣をのんでいる様子は人の世界を表しています。ちなみに、俱利伽羅剣の高さは1200万km、からみついた龍の吐く息の音は2億万の雷に匹敵するという壮大すぎる単位のオンパレード😂
概念はよくわからないですが、倶利伽羅龍王には商売繁盛、必勝祈願、安産祈願、交通安全、家内安全までオールマイティーな御利益があるので、金泉寺を参拝したときは忘れずに拝んでおきましょう👏
納経所では倶利伽羅龍王の手ぬぐいも購入できます!龍がギョロ目でかわいいですよ。
長慶天皇陵
本堂の右奥には「長慶天皇陵」。
長慶天皇(在位1368年~1383年)は南北朝時代の第98代天皇です。亀山法皇のご滞在以降、金泉寺は天皇家とのご縁があり、こうして境内に天皇陵もあるというわけです。
ここにあるのは「御陵石」と呼ばれるもので、大正5年(1916年)に裏山から発掘されました。高さ80cm、幅40cmで菊の御紋があり、「長慶天皇寛成尊太上天皇御陵広永五年三月十九日崩御五十三歳」と刻まれているとか。残念ながら近くから見てもよくわからなかったです😅
長慶天皇陵といわれる伝承地は全国にいくつかあり、金泉寺はそのうちのひとつです。
願いごと何でも来い!「満願弁財天」
倶利伽羅龍王の横には小さな池があり、「満願弁財天」像があります。
「満願」というだけあって、この弁天さまはすべての願いを叶えてくれるという御利益がありますよ。倶利伽羅龍王とともに、金泉寺でおさえておきたいスポットですね。
満願弁財天の向かいにはかわいい朱塗りのお社がありました。池の中にあるので、こちらに弁財天がお祀りされている模様。
ミニサイズながら、木鼻には獅子が飛び出す手の込んだ彫刻があります。迫力の表情でした。
赤い弘法大師
大師堂には御本尊の弘法大師像が安置されていますが、金泉寺のお大師さんはなぜか賓頭盧尊者なみに真っ赤っかで、とても珍しい尊像です。
金泉寺のお大師さんが赤いのにはちゃんと理由があります。
遠目から見ると照明のせいか紫色っぽくて顔色が悪く見えますが、金泉寺の大師堂は堂内に入ることができるのでお近くからご覧ください。近くで見るとちゃんと赤いです。
金泉寺のメインイベント「黄金の井戸」
大師堂の右手奥には、弘法大師が掘ったといわれる「黄金の井戸」が残っています。ここでは金泉寺のメインイベントにぜひチャレンジしましょう👍
この井戸に自分の姿がはっきり映ると長命、ぼやけて映ると短命といわれています。井戸はかなり深いうえに底は暗くて見えにくく、長命短命ジャッジ関係なしにのぞくのがちょっと怖い…🥺
おそるおそる覗き込んだところ、鏡並みにはっきり見えたので長命が約束されました🤗
黄金の井戸の奥には「黄金地蔵」が鎮座していて、こちらは「北向き地蔵」とも呼ばれています。名前とは違ってぜんぜん金色ではなく、いたって普通の小さなお地蔵さまでした。かなり古そうで、お顔がぼやけています。
このお地蔵さまは首から上の病気を治してくれる御利益があります。自分が治したいところと同じところをなでるといいそうですよ。
早めに懺悔しとこう「閻魔堂」
黄金の井戸の隣には「閻魔(えんま)堂」があります。井戸に姿がぼやけて映った場合は、閻魔堂で死後の裁判をお手柔らかに、とお願いしておきましょう👏
閻魔堂の中にはもちろん閻魔大王が鎮座されています。色鮮やかでものすごい迫力😲閻魔さまの両サイドには死後の裁判を司る偉い人が勢揃いしていますが、どれが誰かはわかりません。
- 秦広王(しんこうおう):初七日の裁判をする不動明王の化身
- 初江王(しょこうおう):死後14日目の裁判をする釈迦如来の化身
- 宋帝王(そうていおう):死後21日目の裁判をする文殊菩薩の化身
- 五官王(ごかんおう):死後28日目の裁判をする普賢菩薩の化身
- 閻魔王(えんまおう):死後35日目の裁判をする地蔵菩薩の化身
- 変成王(へんじょうおう):死後42日目の裁判をする弥勒菩薩の化身
- 泰山王(たいざんおう):死後49日目の裁判をする薬師如来の化身
- 平等王(びょうどうおう):死後100日目の裁判をする観音菩薩の化身
- 都市王(としおう):一周忌の裁判をする勢至菩薩の化身
- 五道転輪王(ごどうてんりんおう):三回忌の裁判をする阿弥陀如来の化身
左端にはどう見ても裁かれる側っぽいラフな格好の人がいますが、この方も地獄の偉い人でしょうか😂
調べて見ると、十王と一緒に「奪衣婆」や「懸衣翁」がお祀りされることがあるそうです。やたらと垂れた胸部がおばあちゃんっぽいので奪衣婆…ですかね🤔
義経ゆかりの八角観音堂
金泉寺には屋島の戦いに向かう途中の源義経が立ち寄り、戦勝祈願をしたという伝承があり、観音堂には義経が祈願をした聖観音がお祀りされています。金泉寺の聖観音は別名「勝運(しょううん)観音」と呼ばれ、とても運が強い観音さまと伝わっています。
義経は小松島市の金磯弁財天付近に上陸し、鳴門市と香川県東かがわ市を結ぶ大坂峠を越えて屋島に向かったといわれていて、小松島から鳴門・板野にかけては義経が立ち寄ったといわれるゆかりの地が点在しています。
こちらの聖観音が阿波西国三十三観音霊場の札所本尊となっています👏
弁慶の力石
金泉寺にはもうひとつ義経御一行様ゆかりのものがあり、納経所前の庭園に「弁慶の力石」があります。戦勝祈願で立ち寄ったとき、弁慶がこの石を持ち上げて力試しをしたとか。
柵で囲われているため、今は力試しはできません😂
気になる修行大師
基本的に真顔で直立不動のお姿をしている修行大師像ですが、金泉寺の修行大師は珍しく半笑い。もしくはドヤ顔に見えます。
赤い前掛けがお似合いですね。
小坊主くん
小坊主くんファンの方には残念なお知らせですが、金泉寺にはいつもの小坊主くんがいません😫
まとめ
金泉寺は左右に視界が開ける横長の境内で、とても広々としたお寺でした。
幅広い御利益がある倶利伽羅龍王と何でも願いを叶えてくれる満願弁財天は必見ですよ。
順序よく見どころが並んでいるので、すみずみまでじっくり拝観しましょう。
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