四国八十八か所霊場第19番札所立江寺は小松島市の住宅街の中にあります。JRの駅が近く、徳島の札所では貴重な駅から余裕で徒歩圏内の好立地✨
住宅街の中にあるので境内はそれほど広くはありませんが、拝顔できる御本尊や天井画がきれいな本堂、関所寺の恐怖の伝説が残る「黒髪堂」など、見どころが盛りだくさんなお寺です。
「四国総関所」の御朱印やステッカーもあるので、参拝の記念にぜひチェックしてください💁♀️
立江寺へのアクセス
幹線道路からはやや奥まった場所にありますが、周囲には案内標識が複数あるので迷わずたどり着けます。
- 徳島自動車道徳島インターから車で30分
立江寺の駐車場
立江寺の駐車場は有料で、利用料金は一回300円でした。お寺まで徒歩5分くらいの少し離れた場所にあります。
立江寺の仁王門のすぐ近くに八百屋さんがあり、こちらには参拝者も利用できる屋根付きの駐車場があります。料金は一回200円、駐車台数が少ない(4台分くらい)ので空いていればラッキー。
公共交通機関でのアクセス
立江寺は交通インフラが貧弱な徳島では珍しく、駅近のお寺です。近くにはバス停もあり、車以外でもアクセスが便利です。
- JR牟岐線立江駅から徒歩5分
- JR徳島駅から徳島バス立江線(萱原行き)に乗車し「立江小学校前」バス停で下車、徒歩5分
前後の札所
18番札所恩山寺から4km
20番札所鶴林寺まで13.1km
立江寺の御朱印
立江寺は仁王門を入って正面に見える建物に納経所があります。
立江寺では以下の御朱印もいただけます。
- 奥の院・清水寺
- 四国霊場十三仏
- 四国霊場総関所(朱印のみ)
- 阿波七福神・毘沙門天
立江寺の御影
立江寺で納経をすると、御本尊のお姿を描いた御影(おすがた・おみえ)が無料でいただけます。
カラーの御影をいただく場合は別途200円が必要です。
立江寺の納経受付時間
立江寺の納経受付時間は7:00から17:00までです。
立江寺について
寺伝によれば、聖武天皇の勅願寺として、行基が光明皇后の安産を祈願し一寸八分 (5.5cm) の金の子安の地蔵菩薩を刻み「延命地蔵菩薩」と名付けて本尊として開基したとされる。空海(弘法大師)が訪れた際、小さい本尊は失われる恐れがあるとして、一刀三礼して等身大の地蔵菩薩を刻み、本尊を胎内に収めたといい、このときに寺名が立江寺と改められたと伝えられている。当時は現在地から400mほど西の奥谷山清水寺のある場所であったという。
天正年間(1573年 – 1593年)に長宗我部元親の兵火により全焼したが、幸い本尊は難を逃れた。その後徳島藩藩祖蜂須賀家政によって現在の地で復興された。昭和49年(1974年)に火災が発生、本堂が焼けたが本尊は無事で昭和52年(1977年)に再建された。(Wikipedia立江寺(小松島市)より引用)
立江寺は聖武天皇の勅願により、天平19年(747年)に創建されました。
立江寺の建立にあたっては、どこからともなく飛んできた一羽の白鷺がお寺を建てるべき場所を示したという伝説がありますが、その場所は現在の場所ではなく400mほど離れた奥の院・清水寺(せいすいじ)があるところだとか。
場所が変わった理由は、天正年間の長宗我部元親による兵火。またお前か😂立江寺も被害を受けて堂宇が焼失し、徳島藩主・蜂須賀家の藩命によって再建されたときに現在の場所に移っています。
正式には橋池山(きょうちざん)摩尼院(まにいん)立江寺(たつえじ)といい、高野山真言宗のお寺です。
徳島県民は「たつえ」ではなく「たっちぇ」と言いがち😗
阿波の関所寺
四国霊場に4つある関所寺のひとつで、立江寺は「阿波の関所」とも呼ばれています。
これは昔の国境などにあった”関所”とは違い、「悪人は境内に立ち入ることができない」という信仰的な意味合いのもの。
邪悪な心を持つ者や行いが悪い者が関所寺に入ると、弘法大師が仏罰を下すといわれています。
四国霊場の関所寺はこちら💁♀️
- 19番札所立江寺(徳島県・四国霊場の総関所)
- 27番札所神峰寺(高知県)
- 60番札所横峰寺(愛媛県)
- 66番札所雲辺寺(香川県)
神峰寺、横峯寺、雲辺寺…どれも山の中のお寺ですが、立江寺だけ平地にあるのが不思議ですね🤔
立江寺の御本尊
立江寺の御本尊は地蔵菩薩、昔から「立江の地蔵さん」「子安の地蔵さん」として信仰されています。
行基菩薩が刻んだ地蔵菩薩像は6cmほどの小さいものだったため、紛失をおそれた弘法大師が等身大の地蔵菩薩像を彫り、胎内に納めたといわれています。
長宗我部元親による兵火でも昭和49年(1974年)に起きた火災でも焼失を免れているラッキー御本尊です。四国霊場では珍しく、拝顔できますよ。
立江寺の見どころ
立江寺で個人的に気になる&おすすめの見どころを写真つきでご紹介します!参拝される前にチェックして参考になさってくださいね。
白鷺が止まっているときに渡ってはいけない橋
立江寺の縁起にも登場する「白鷺」。
立江寺の近くにある「白鷺橋(しらさぎばし)」は悪人が渡ると仏罰が下るといわれ、前途に凶事が起こるとか足がすくんで動けなくなるという伝説があります。
立江寺が四国霊場の総関所といわれているのも、この伝承が元になっているとか。白鷺の姿を見ることなく通ることができればあなたは善人、おめでとうございます。
「総関所」の御朱印あります!
立江寺では「四国総関所通行証」の御朱印もいただけます。本堂や仁王門、多宝塔を描いた立江寺境内の風景画に朱印を押したもので、印以外は印刷です。
この印は白衣などにも押していただくことができ、通行証の印と同じデザインでステッカーもあります。
白衣への押印:200円
ステッカー:300円
自販機に挟まれた手水舎
仁王門を入ってすぐ、手水舎があります。
手を清めたあとは喉を潤してみないか?といわんばかりに自販機にはさまれているのが気になる。ちなみに大塚製薬と伊藤園でした。
自販機の隣の大きな地蔵菩薩は「子授地蔵尊」です。
手水舎の「卍」の彫刻が芸術的でした。
ゴージャスな本堂
立江寺の本堂は昭和52年(1977年)に再建されているので比較的新しいですが、焼失前の本堂にも劣らないとても立派なものです。
観音堂と護摩堂がドッキングした造りになっていました。
ゴージャスな彫刻はとても見ごたえがあります。
香炉も立江寺オリジナルで、「阿州立江寺」と書かれています。
天邪鬼が香炉を背負っているのは四国霊場のお寺でもよく見かけますが、立江寺のは邪鬼っぽくない福々しい感じのボディラインです。これも邪鬼?何だろう?
本堂の天井画は火災のあとの再建にあたって東京芸大の教授など40名が描いたもので、花鳥風月などをモチーフに286枚の絵で構成されています。昭和の日本画の文化財として評価されている素晴らしいもので、ついつい見入ってしまいました。
天井画のなかには立江寺にゆかりが深い白鷺の絵もありますよ。
おみくじコーナーには珍しい木造の修行大師像があり、真顔で握手を求めてきます。数々のお遍路さんと握手をしてきたお大師さん、手がめっちゃ黒ずんでいましたがスベスベの手触りです。
びんずるさんと福禄寿
☝びんずるさん
☝寿老人
立江寺の賓頭盧尊者は本堂の中にいました。賓頭盧(びんずる)尊者は「びんずるさん」と呼ばれるなで仏で、体をなでると病気が治ると信仰されています。
向かって右側がびんずるさんで、反対側のやさぐれた立て膝座りのおじいちゃんは七福神の寿老人です。
立江寺は阿波七福神霊場の札所なんですが、お祀りしているのは毘沙門天です。なんでここに寿老人?とちょっと不思議でした。
大師堂
本堂と向い合う位置に大師堂があります。
大師堂の御本尊は「黒面大師」と呼ばれる、黒いお姿をした珍しい大師像だとか。黒面大師は「厄除け大師」とも呼ばれていて、人々の厄を受けてお姿が黒くなったという伝説があります。
黒面大師はふだんは拝顔できませんが、毎年お正月(元旦から1月10日まで)には開帳されています。
お守りも!
厄除け黒面大師のお守りもあります。表はゆる~いお大師さんの絵、裏には「立江寺」の寺号入り。
庚申堂・神変堂
大師堂の前には小さなお堂があり、庚申堂と神変堂が一体化しています。庚申堂は青面金剛をお祀りしたもので、神変堂は役行者をお祀りしています。
関所寺の仏罰が下るとこうなりました
「悪人が参拝すると仏罰が下る」といわれる立江寺ですが、実際に仏罰が下った伝説があり、その証拠が境内に残されています😮
「肉付き鐘の緒伝説」というこの伝説の名前がすでにヤバイですが、こんな話です。
大師堂の右隣にある「黒髪堂」の中には、このお京さんの髪が 頭 皮 ご と 巻き付いたままの鐘の緒が奉納されています。
ヒェッ😱
200年ほど前のものですが、どう見ても人の髪の毛っぽい黒いものがガッチリ絡まっているのがわかる状態。なかなかホラーな光景でした。写真はやたらと高画質で撮れたので載せるのやめときます😂
気になるお京さんたちのその後ですが、改心した二人は出家して立江寺の近くに庵を結び、一心に地蔵菩薩を拝んで生涯を終えたとか。
この庵が番外霊場の「お京塚」として残っていて、立江寺の1kmほど北にあります。
一願即成の「白杉大明神」
黒髪堂の隣には「白杉大明神」という祠があります。
あまり聞いたことがない神さまなので「白杉大明神」で検索してみると、主に立江寺のこの白杉大明神が出てくるので、他ではほとんどお祀りされていない感じでした。
祠にある由緒書きによると、弘法大師が唐へ渡るときに守護したのが白杉大明神だとか。「至心に勤念すれば一願必ず叶うべし」とあり、願いごとを叶えてくれる神さまのようです。
毘沙門堂
仁王門近くの「毘沙門堂」には、阿波七福神霊場の札所本尊として毘沙門天がお祀りされています。
毘沙門天像は邪鬼を踏んでいる姿が多いですが、立江寺では虎をガッチリ踏んでいます。虎は毘沙門天のお使いの神聖な動物のはず、なぜ踏まれているのか😂
毘沙門堂の天井にも本堂と同じくカラフルな絵があります。こちらは白地なので本堂の天井画よりもさらに色が強調されて、とてもきれいでした✨
小坊主くん
立江寺の小坊主くんは大師堂前にたたずんでいました。
まとめ
立江寺は四国霊場では珍しい、駅近で街なかにあってアクセス便利。
境内は意外とコンパクトですが、本堂・大師堂以外にもたくさんあるお堂や多宝塔などたくさん見どころがあるので、時間をかけてゆっくりと参拝したいお寺です。
また、立江寺の仁王門近くには明治時代から続く老舗の和菓子屋さん(酒井軒本舗)があり、名物の「たつえ餅」が有名なので、ぜひ参拝のあとには寄ってみてくださいね。
立江寺の後は20番札所鶴林寺、21番札所太龍寺と阿波の三大難所である「遍路転がし」が続くハードウェイになります。
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おすすめのお立ち寄りスポット
立江寺の近くで御朱印がいただける神社仏閣や、あわせて行きたいおすすめスポットをまとめました。
お京塚
「黒髪堂」でおなじみのお京さんが庵を結んだという場所がこちら。今は庵はなく、「お京塚」として遍路小屋(お遍路さんの休憩所)になっています。
遍路小屋以外には何もないですが、立江寺の関所寺エピソードにゆかりのスポットなので、立ち寄ってみては。