四国八十八か所霊場第14番札所常楽寺は徳島市国府町にあります。
国府町は四国霊場の札所が密集しているのでとてもお参りしやすく、お遍路さんにとってありがたい場所。13番札所から17番札所までが「徳島市中5か所参り」として昔から信仰されていて、13番札所以外はすべて国府町にあります。
常楽寺の御本尊は四国霊場で唯一の弥勒菩薩、岩盤がむきだしのワイルドな境内には大きなアララギの霊木があり、自然豊かな環境にあるとても個性的なお寺です💁♀️
常楽寺へのアクセス
周辺には案内標識が複数あるので、場所はわかりやすいです。常楽寺までの道は途中から急に道幅がくなるので、車の運転にはご注意を。
- JR徳島駅から車で15分くらい
- 徳島自動車道藍住インターから8.7km
- 高松自動車道板野インターから11.8km
常楽寺の駐車場
常楽寺には参拝客が無料で利用できる駐車場があります(普通車20台)。
公共交通機関でのアクセス
常楽寺に車以外で行く場合、駅からは距離があるためバスを利用します。
・JR高徳線府中(こう)駅から3.2km
・JR徳島駅から徳島バス神山線(延命経由寄井中行き)に乗車し「常楽寺前」バス停で下車、徒歩5分
前後の札所
13番札所大日寺から2.3km
15番札所国分寺まで0.8km
常楽寺の御朱印
常楽寺は石段を上がり境内に入ってすぐ右手に納経所があります。
常楽寺では御本尊のほか、
- 14番札所奥の院・慈眼寺
- 四国霊場十三仏(弥勒菩薩)
の納経も行っています。
常楽寺の御影
常楽寺で納経をすると御本尊のお姿を描いた御影(おすがた・おみえ)が無料でいただけます。
カラーの御影をいただく場合は別途200円が必要です。
常楽寺の納経受付時間
常楽寺の納経受付時間は7:00~17:00までです。
常楽寺について
寺伝によれば、空海(弘法大師)がこの地で修行をしていた際に、弥勒菩薩が多くの菩薩を連れた姿を感得した。そこで霊木に弥勒菩薩を刻み堂宇を建立して本尊として安置したという。空海の甥に当る真然僧正が金堂を建立、祈親上人が講堂、三重塔などを建立し七堂伽藍の大寺院となったと伝える。
天正年間(1573年 – 1592年)に長宗我部元親の兵火によって焼失。万治2年(1659年)に徳島藩主蜂須賀光隆によって、現在地より下った谷間に再興された。文化12年(1815年)に元の山上への建て替えを願い出て、3年後、低地の谷間から石段を50段ほど上った現在地に移転した。(Wikipedia常楽寺(徳島市)より引用)
常楽寺は現在はそれほど大きなお寺ではありませんが、かつては七堂伽藍を持つ大寺院でした。
天正年間(1573年~1592年)、やっぱり長宗我部元親の兵火によって焼失。万治2年(1659年)に3代目藩主・蜂須賀光隆公によって再興されました。
文化15年(1815年)にお寺の下にあるため池が作られ、常楽寺は現在地に移転しています。移転のときに山を削り、岩盤の上に本堂を建てたため、岩盤むきだしの光景が珍しいお寺になりました。
正式には盛寿山(せいじゅざん)延命院(えんめいいん)常楽寺(じょうらくじ)といい、高野山真言宗のお寺です。
常楽寺の御本尊
常楽寺の御本尊は弥勒菩薩、四国霊場ではここだけの激レア御本尊です。
弥勒菩薩はお釈迦さまの入滅から56億7千万年後に人々を救うために降臨されるという仏さま。
弥勒菩薩は弘法大師が御遺告のなかで『吾れ閉眼の後、兜率天(とそつてん)に往生し弥勒慈尊の御前に侍すべし。56億余の後、必ず慈尊と御共に下生し、吾が先跡を問うべし…』とふれるほど、思い入れのある仏さまです。
天正の兵火やその後の数回の火災でも、弘法大師が彫った御本尊は難を逃れています。
常楽寺の見どころ
常楽寺で個人的に気になる&おすすめの見どころを写真つきでご紹介します!参拝される前にチェックして参考になさってくださいね。
山門がない珍しいお寺
常楽寺にはお寺らしい山門がなく、寺号を記した質素な石柱があるだけです。1番札所から順に参拝した場合、常楽寺が山門がない初めてのお寺なので違和感があるかもしれません。
コンパクトながらアップダウン激しめの境内
常楽寺はそれほど広い境内ではないですが、ゴツゴツした岩盤がむきだしの「流水岩の庭園」に阻まれてなかなか本堂にたどりつけません。けっこうアップダウン激しめで、つまづきそうになるのでご注意を💦雨の日や雨の後はとくに足元がすべりそうです。
一番奥が本堂、本堂の手前には大師堂があり、大師堂は地蔵堂と薬師堂に挟まれた形になっています。常楽寺の本堂と大師堂は国の有形文化財に指定されています。
本堂の龍の彫刻
本堂では激レアな御本尊を拝顔することはできませんが、凝ったデザインの彫刻がきれいなのでぜひじっくり見てくださいね✨
とくに、龍の彫刻は目が赤くてヒゲが水色と部分的にカラーです。他のお寺でもこんな感じの龍の彫刻はありますが、目が赤いのは初めて見ました。
糖尿病・眼病治癒のアララギ大師
本堂のすぐ前にある高さ10mの大木がアララギの木、これが「アララギ大師」と呼ばれるものです。平成30年(2018年)に台風の被害にあったため部分的に伐採されて、倒れないように支えられている痛々しい姿でした。
アララギの木(イチイの木)は糖尿病の薬として使用されていて、弘法大師が持参していた霊木を削り糖尿病に苦しむ老人に飲ませて治療した、という伝説もあります。この木はその霊木の残りを挿し木にして育ったもの、といわれています。
現在もアララギ大師は糖尿病と眼病の治癒祈願で信仰されています👏
木の中にはとても小さなかわいらしいお大師さまが隠れています🥰意外と高い位置にあるので、知らないと見落としてしまいそうでした。
アララギ大師の手ぬぐいもあり、納経所で購入できます。絵の再限度がすごい、そっくり😂
猫好きには天国のようなお寺
常楽寺の納経所付近には猫がいっぱい。
納経所の扉を開けると一緒に中に入ろうとしていましたが、お寺で飼っているわけではなく周辺に住み着いている野良猫だそうです。
10匹くらいが並んで日向ぼっこしていてかわいかったですが、人にはぜんぜん慣れていなくて近づくと警戒して逃げていきます。
小坊主くん
常楽寺には大師堂に赤い前掛けをした小坊主くん。
さらに納経所前のベンチには小坊主くん3兄弟がいて、座るとプレッシャーをかけてきます。
多すぎない?😂
まとめ
常楽寺は参拝しやすい平地にあるお寺ですが、境内は流水岩の庭園がデコボコしていてかなり歩きにくいです。
とてもコンパクトな境内ですが、本堂の美しい彫刻やアララギ大師など見どころがありました。
常楽寺はお寺のすぐ下にため池があり、水鳥の鳴き声が聞こえるとても自然が豊かな環境にあります。ため池の周囲には桜並木があるので、春の参拝がおすすめですよ。
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