四国八十八か所霊場第5番札所地蔵寺(じぞうじ)は「羅漢さん」と呼ばれて親しまれています。四国霊場で唯一のレアな御本尊やカラフルな大師堂、樹齢800年の大銀杏などがあり、見どころがたくさん!大きな銀杏の木があるので、秋には境内地面が黄色いじゅうたんのようになり、紅葉の名所としても知られています。
幹線道路から近いので近くにコンビニがあったりと便利な場所(徳島県内比)で、4番札所大日寺からもすぐそこ。このあたりまではお遍路さんにもまだまだ優しい道のりで、もうしばらく『お遍路意外と楽勝やん!』気分を楽しめます🤗
「羅漢さん」の由来である五百羅漢堂が奥の院として隣接していて、五百羅漢の納経は地蔵寺で行っています💁♀️
地蔵寺へのアクセス
県道12号線から県道34号線に入り、まっすぐ進むとすぐに地蔵寺の看板が見えます。
- 高松自動車道板野インターから5km
- 徳島自動車道藍住インターから6km
地蔵寺の駐車場
地蔵寺には参拝客が無料で利用できる駐車場があります(普通車30台)。
公共交通機関でのアクセス
地蔵寺は最寄り駅から距離があるため、車以外で行く場合はバスを利用するのがおすすめです。
- 地蔵寺の最寄り駅はJR高徳線の板野駅、駅からの距離は3.4Km
- JR徳島駅から徳島バスの鍛冶屋原線に乗車して「羅漢」バス停で下車、地蔵寺まで300m
前後の札所
4番札所大日寺から2km
6番札所安楽寺まで5.3km
地蔵寺の御朱印
地蔵寺は大師堂の左手奥に納経所があり、そこで書いていただけます。以下の御朱印もいただけます。
- 奥の院 五百羅漢堂
- 阿波西国三十三観音霊場第24番札所
地蔵寺の御影
地蔵寺で納経をすると、御本尊のお姿を描いた御影(おすがた・おみえ)が無料でいただけます。
カラーの御影をいただく場合は別途200円が必要です。
地蔵寺の納経受付時間
地蔵寺の納経受付時間は7:00~17:00までです。
地蔵寺について
寺伝によれば弘仁12年(821年)、嵯峨天皇の勅願により空海(弘法大師)が一寸8分(約5.5cm)の甲冑を身にまとい馬にまたがる姿をしていると云われる勝軍地蔵菩薩を自ら刻み、本尊として開創したと伝えられる。
嵯峨・淳和・仁明の3代の天皇の帰依が篤かった。宇多天皇の頃、紀州熊野権現の導師であった浄函上人が、熊野権現の託宣によって霊木に2尺7寸(約80cm)の延命地蔵菩薩を刻み、前述の勝軍地蔵菩薩を胎内に納めたという。
本尊が勝軍地蔵というところから源義経などの武将の信仰も厚くかった。当時は伽藍の規模も壮大で26の塔頭と、阿波・讃岐・伊予の3国で300あまりの末寺を持ったという。しかし、天正10年(1582年)に長宗我部元親の兵火によりすべて焼失。江戸時代、徳島藩主蜂須賀氏の庇護を受け、歴代住職や信者の尽力により再興された。(Wikipedia地蔵寺(徳島県板野町)より引用)
地蔵寺は811年に嵯峨天皇の勅願により弘法大師が開基したといわれています。
嵯峨天皇・淳和天皇・仁明天皇の3代にわたって天皇からの帰依が厚く、勝軍地蔵菩薩を御本尊とすることから源頼朝、源義経や三好氏など名だたる武将からの信仰も集め、最盛期には阿波・讃岐・伊予に末寺300寺を持つかなり巨大なお寺でした。地蔵寺は今でも12000坪もの広大な敷地があります。
長宗我部元親の天正の兵火(1582年)により焼失していて、江戸時代に徳島藩主の保護を受けて再建されました。
正式には無尽山(むじんざん)荘厳院(しょうごんいん)地蔵寺(じぞうじ)といい、真言宗御室派のお寺です。
地蔵寺の御本尊
地蔵寺の御本尊は延命地蔵菩薩と胎内に納められた弘法大師作の勝軍地蔵菩薩で、御影にも二体の仏さまが描かれています。
「勝軍(しょうぐん)地蔵菩薩」は甲冑を身に着けて軍馬に乗った姿の地蔵菩薩のことで、勇ましいお姿が特徴です。勝軍地蔵菩薩は悪者を退治して災いをはらってくれるといわれています。
勝軍地蔵菩薩を御本尊としているのは四国霊場では地蔵寺だけと、かなりの激レア!本堂では前立本尊を拝観することができます。
地蔵寺の見どころ
地蔵寺で個人的に気になる&おすすめの見どころを写真つきでご紹介します!参拝される前にチェックして参考になさってくださいね。
ゆる~い二天像
地蔵寺の仁王門には、金剛力士像ではなく二天像があります。甲冑を着た勇ましい多聞天と持国天なんですが、見るべきなのはこの圧倒的なクオリティー。
どうですか、このゆるキャラ的なかわいさ😂
そして、通常は門に向かって右側が口を開いた阿形(あぎょう)で左側が口を閉じた吽形(うんぎょう)という配置になっていますが、地蔵寺では阿吽が逆になっています。
国の有形文化財指定の本堂
地蔵寺の本堂は国の有形文化財に指定されています。
本堂は右側に不動堂とえびす堂が合体している造りになっていて、回廊でつながっていました。
- 不動堂には不動明王像があり、すべての障害や悩みをうち払ってくれる御利益があります。
- えびす堂には七福神のえびすさまが祀られ、商売繁盛や豊作祈願に御利益があります。
堂内は上のほうの装飾がカラーで、とても華やかでしたよ✨地蔵寺の本堂でお参りするときは、ぜひ目線を上へ。
縁側には賓頭盧尊者
地蔵寺の本堂の縁側には賓頭盧尊者(びんずるそんじゃ)がいます。「びんずるさん」と呼ばれるなで仏で、自分の治したいところと同じところをなでるといいそうですよ。
4番札所大日寺のびんずるさんと違い、リアルでなんか怖いお顔立ち。
カラフルな大師堂
地蔵寺の大師堂は部分的に装飾がとてもカラフルでした✨こういう形式は珍しいですね。こちらの大師堂も国の有形文化財に指定されています。
飛び出す鳳凰的な鳥がいたり、向拝の彫刻がすごいです。
へちま封じの淡島堂
大師堂の右隣には「淡島(あわしま)堂」があります。こちらは和歌山県の淡島神社の分身で万病封じの守護神といわれ、喘息退散の御利益があります。
万病封じのなかでもとくに婦人病にきくといわれていて、昔の女性はただ拝むだけでなく髪を切って淡島堂に納め、熱心に祈願したそうです。
また、淡島堂には数百年続く「へちま加持」というものがあり、へちまの中に病気を封じるという変わった加持祈祷をします。
たらちね銀杏
地蔵寺の境内には大きな銀杏の木があって、「たらちね銀杏」と呼ばれています。
この銀杏は樹齢800年以上、弘法大師お手植えと伝わっています。樹齢800年だとお大師さんとは年代が合わない気がしますが、細かいことは気にしない😗
秋には境内が一面黄色で染まってとてもきれいですが、お寺の方は落ち葉の掃除がたいへんそうでした💦
修行大師像が紅葉の赤と銀杏の黄色に挟まれて美しい✨
澄んだ音が響く水琴窟
地蔵寺には水琴窟があります。
地蔵寺には2つの水琴窟があり、ひとつは本堂手前の八角形のお堂の前にある水子地蔵の前。
経木にそっと水をかけると音がする、と書いてありましたがやり方がヘタクソなのか何の音もせず😂本来は「ピーン」という澄んだきれいな音がするそうです。
もうひとつは納経所の手前にありますが、見落としました💦
地蔵寺といえば奥の院「五百羅漢」
地蔵寺の奥の院「五百羅漢堂」には木造で等身大、極彩色の羅漢像が並んでいます。「羅漢(らかん)」とはお釈迦さまの500人の弟子のこと。
地蔵寺が「羅漢さん」と呼ばれているのはこの五百羅漢堂が由来です。木造で彩色のある羅漢像は全国的にもとても珍しく、四国ではここだけ。規模は日本最大級ともいわれています。
200円の拝観料が必要ですが、地蔵寺に参拝したときにはぜひ五百羅漢にも。
境内にはやたらと五百羅漢への案内があり、地蔵寺的にも一押しスポットの模様。
小坊主くん
3番札所金泉寺以来の小坊主くんです。久しぶり😂
まとめ
奥の院の五百羅漢で有名な地蔵寺ですが、地蔵寺にも見どころがたくさんあります。
とくに、大師堂のカラフルさとゆるかわ二天像は他の四国霊場のお寺にはない地蔵寺の特徴です。樹齢800年といわれる大きな銀杏の木があるので、ぜひ紅葉シーズンに行ってほしいお寺です🤗
四国ではここだけという珍しい五百羅漢もぜひ拝観してくださいね。
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