四国八十八か所霊場第9番札所法輪寺は土成町にあり、畑に囲まれていることから「田中の法輪さん」と呼ばれています。近くまで行くとすぐわかるポツンと札所でした😂
法輪寺は健脚祈願のお寺として有名で、本堂には大量のわらじが奉納されていて圧巻!御本尊は四国霊場で唯一の涅槃釈迦如来、トイレには烏枢沙摩明王がいて、寺宝として弘法大師の御衣を所有するなどコンパクトな境内ながら見どころがたくさんあるお寺です。
法輪寺へのアクセス
法輪寺は県道12号線からやや奥まった場所にありますが、周辺には案内標識が複数あるので場所はわかりやすいです。周りには建物がほとんどなく、「田中の法輪さん」といわれるだけあって、田んぼの中にポツンとあるので見つけやすい。
高速道路を利用する場合、徳島自動車道土成インターから3.1kmです。
土成インターからは国道318号線を鴨島方面へ進み、県道12号線へ入って脇町方面へ進みます。途中に標識があるので案内にしたがってください。周辺の道路は道幅がやや狭めです。
法輪寺の駐車場
法輪寺には参拝客が無料で利用できる駐車場があります(普通車50台)。
公共交通機関でのアクセス
法輪寺は公共交通機関でのアクセスが不便な場所にあります。車以外で行く場合はJR鴨島駅からタクシー利用がおすすめです。
・JR徳島線鴨島駅から4.6km
・徳島バス二条・鴨島線に乗車し「二条」バス停で下車、法輪寺まで1.8km
前後の札所
8番札所熊谷寺から2.4km
10番札所切幡寺まで3.8km
法輪寺の御朱印
法輪寺は本堂左手奥に建て替えられたばかりのきれいな納経所があります。
法輪寺の御影
法輪寺で納経をすると、御本尊のお姿を描いた御影(おすがた・おみえ)が無料でいただけます。
カラーの御影をいただく場合は別途200円が必要です。
法輪寺について
巡錫中の空海(弘法大師)が白蛇を見、白蛇が仏の使いといわれていることから釈迦涅槃像を刻んで本尊として開基したと伝えられている。当初は現在地より4キロメートル北方の法地ヶ渓にあり白蛇山法林寺と号した。
天正10年(1582年)に長宗我部元親の兵火により焼失。正保年間(1644年 – 1648年)に現在地に移転して再興され、田園の中にあるため「田中法輪寺」と呼ばれ、当時の住職が「転法林で覚りをひらいた」ことから、現在の山号と寺号に改められた。その後安政6年(1859年)に失火にて鐘楼堂を残して全焼、明治になって現在の堂宇が再建された。
昔、松葉杖で参拝に来た人が杖がなくても歩けるようになったことから、本堂におびただしい数の草鞋が奉納されている。(Wikipedia法輪寺より引用)
法輪寺は弘仁6年(815年)に弘法大師によって開基されました。この地で白蛇を発見した弘法大師は、「白蛇は仏の使い」といわれていることから釈迦涅槃像を刻んで本尊としました。
当初は「白蛇山法林寺」という山号・寺号で、現在の場所ではなく4kmほど離れた場所にありました。
長宗我部元親による天正の兵火で焼失し、天保年間(1644年~1648年)に現在の場所に移転して再興されています。このとき、当時の住職が「天法林で覚りを開いた」ことから現在の山号・寺号に変わっています。
安政6年(1859年)に再び火災にあい、現在の堂宇は明治になって再建されたものです。
正式には正覚山(しょうかくざん)菩提院(ぼだいいん)法輪寺(ほうりんじ)といい、高野山真言宗のお寺です。
法輪寺の御本尊
法輪寺の御本尊は弘法大師作といわれる75cmほどの大きさの涅槃(ねはん)釈迦如来で、天正の兵火でもその後の火災でも奇跡的に焼失を免れています。四国霊場で涅槃釈迦如来が御本尊なのは法輪寺だけという激レア御本尊ですよ。
5年に一度開帳されるという秘仏で、次回は2025年に開帳される予定です!タイミングがあえば、ぜひ拝顔したいですね。直近のの開帳は2020年2月15日でした。
★納経所には御本尊の写真が掲示してあるので、『どうしても今見たい!』と思う方はチェックしてみてくださいね。
法輪寺の見どころ
法輪寺で個人的に気になる&おすすめの見どころを写真つきでご紹介します!参拝される前にチェックして参考になさってくださいね。
山門前の「あわじ庵」
法輪寺の山門前には、「あわじ庵」というお遍路さんのあいだで有名なお店があります。
こちらは「手作りの草餅がおいしい」と評判で、立ち寄って購入してみましたが現在は手作りではないようです(スーパーなどでも売っているあわしま堂の草餅でした😥)。お餅以外にも鳴門金時やアイスクリームなどがあるので、お遍路さんの休憩にぴったりですよ。
あわじ庵の前には大正時代の道しるべがあります。
金剛力士がいる鐘楼門
法輪寺の山門は鐘楼門で、2階には鐘があります。1階には金剛力士像が隠れていて、鐘楼門と仁王門が合体したものでした。
金剛力士像は正面もサイドもガードが固めで見えにくいですが、色鮮やかで目がぱっちりしたかわいい系のお顔。
屋根がかわいい手水舎
鐘楼門をくぐると、すぐ左手に手水舎があります。屋根には鬼瓦と、なぜかかわいい鳥さん。何かいわれがあるのかは不明ですが、他のお寺ではあまり見かけない珍しいものです。
奉納されたたくさんのわらじと本堂の見どころ
鐘楼門から本堂まではそれほど距離もなく、法輪寺はコンパクトな境内のお寺で段差が少なくフラットです。本堂と大師堂は回廊でつながっていました。
本堂の中には山もりのわらじ。
法輪寺は健脚祈願のお寺で有名なんです。ここにあるのは、すべて足腰が不自由な方や歩いてお遍路をする方などが奉納したもの。
昔、お遍路をしていた足が不自由な方が法輪寺の境内に入ると不思議と足が軽くなり、杖なしで歩けるようになったという伝承があります。それ以降、法輪寺は健脚祈願のお寺として信仰されています。
本堂にあるわらじは「足腰健康わらじ」と呼ばれるもので、納経所で購入して奉納できます(持ち帰りもOK)。
大量のわらじに圧倒されて見落としがちですが、法輪寺の本堂内部には天女の彫刻がありますよ✨やや色あせぎみですが、色白でべっぴんさんでした。
本堂に掲げられている「大正9年5月1日」の銘がある古いこちらの絵。これはお遍路さんが奉納したもので、四国遍路によって不治といわれた難病が治った感謝の奉納額だとか。
本堂の柱では鯉が滝登りをしています。反対側にもいました。
大師堂
本堂の右隣には大師堂。大師堂には法輪寺の寺宝である弘法大師の御衣(おころも)があります。
承和2年(835年)に入定した弘法大師は今も高野山・奥の院で修行を続けているといわれ、年に一回衣替えが行われています。高野山では衣替えのお下がりの切れ端を「御衣切」として授与しています。
法輪寺にある御衣は明治15年(1882年)に明治天皇から下賜されました。残念ながら現在は一般公開されていませんが、納経所に寺宝の写真がありますよ。
賓頭盧尊者
本堂と大師堂をつなぐ回廊には賓頭盧尊者がいます。大師堂の左奥でちょっとわかりにくいですが。
「賓頭盧(びんずる)尊者」はなで仏で病気を治してくれる御利益があり、自分の体の治したいところと同じところをなでるといいといわれています。
法輪寺では扉の隙間からギリギリ拝顔はできますが、なでることはできません🙅♀️
延命地蔵
本堂と大師堂の回廊前には延命地蔵尊。延命地蔵尊は新しく生まれた子供を守り、寿命を延ばす・短命を防ぐという御利益があります。
トイレの神さま「烏枢沙摩明王」
法輪寺のトイレにはトイレの神さまでおなじみの烏枢沙摩明王(うすさまみょうおう)が「厠(かわや=トイレ)本尊」としてお祀りされていますよ。
納経所では烏枢沙摩明王のお札を購入できます(500円)。四国霊場ではトイレに烏枢沙摩明王をお祀りしているお寺はけっこうありますが、お札を入手できるところは多くありません。法輪寺の烏枢沙摩明王のお札はカバー付きなので、設置しやすくておすすめです。
15番札所 国分寺
27番札所 神峯寺
30番札所 善楽寺 など
小坊主くん
法輪寺の小坊主くんは珍しい納経所案内バージョンでした。
まとめ
田舎のお寺といった感じで、田園風景のなかにポツンとたたずむ法輪寺は境内はそれほど広くありませんが、見どころが凝縮されたお寺です。納経所では四国霊場ではほとんど手に入らない烏枢沙摩明王のお札や足腰お願いわらじを購入でき、御本尊と寺宝の写真が掲示されてるなど忘れずにチェックしたいポイントがありますよ。
5年に一度しか開帳されないという四国霊場唯一の御本尊・涅槃釈迦如来は次回2025年2月15日に御開帳予定。ぜひ拝顔したいですね✨
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