智禅寺(ちぜんじ)は淡路市の山あいののどかなロケーションにあるお寺。なかなかじっくりと見る機会がない本堂内陣がフルオープンで、自由に見学することができるのが特徴です。
淡路島七福神では弁財天をお祀りしていますが、尊像は珍しい8本の腕を持つ弁財天です。そのお姿がマツコ・デラックスに似ていると一時期ネットで話題になりました😂
ハッピー券持参で拝観料200円を納めると本堂に上がって御本尊の前でお参りができます。
覚住寺→万福寺→護国寺→智禅寺→長林寺→宝生寺→八浄寺の順に巡礼
智禅寺へのアクセス
淡路島の西側の海沿い(県道31号線)を進むと途中で智禅寺への案内標識や看板があり、近くまで行くと山を背にしたなだらかな坂道の途中にお寺が見えます。
神戸淡路鳴門自動車道「津名一宮」インターから10km、車で20分くらいの場所にあります。
智禅寺の駐車場
お寺の前に参拝客が無料で利用できる駐車場があり、遠くからでもカラフルな幟が見えて目印になりました。
自販機がある広場も智禅寺の駐車場なので、お寺の前がいっぱいの場合はそちらを利用できます。
公共交通機関でのアクセス
智禅寺は周辺にバス停がなく、車以外のアクセスが困難です。
- 三宮・西浦線(高速バス)「江井」バス停から3.7km
- 三宮・西浦線(高速バス)「高田屋嘉兵衛公園」バス停から4km
- 淡路交通「五色バスセンター」から4.6km
智禅寺の御朱印
淡路島七福神の専用納経帳を購入しました。専用納経帳には最初から墨書きと印が押されていて、左上の日付印のみ押していただきます。
智禅寺は淡路四国・西国霊場で番外札所となっていて、御本尊の御朱印もいただけます。
淡路島七福神の専用納経帳の場合はお寺ごとの支払いはありません(2回目以降の巡礼では重ね印でお寺ごとに300円を納める)。
智禅寺のお接待
淡路島七福神霊場では、ハッピー券持参で参拝するとお寺ごとにいろいろなお接待(お土産)がいただけます。
智禅寺のお接待はミニサイズのうちわでした。表は御詠歌、裏には般若心経入りです。
智禅寺の納経受付時間
智禅寺の納経受付時間は8:00から17:00までです。
智禅寺について
智禅寺の正確な創建年は不明。所蔵する寺宝の大般若経には観応2年(1351年)の銘があり、少なくとも700年以上の歴史があるお寺です。かつては隣接する草香八幡神社の別当寺として栄えました。
正式には大廣山(だいこうざん)智禅寺(ちぜんじ)といい、高野山真言宗のお寺で淡路島七福神霊場の第4番札所となっています。
智禅寺の御本尊
お厨子の中の弁財天像は新調されたばかりで、京都の有名仏師・松久宗琳師の作。一時期マツコ・デラックスさんに激似と話題になった弁財天像は、このお厨子の裏に安置されていた小さいやつです。
参拝したときにチェックしてみてくださいね🤗
御本尊の「弁財天(弁才天)」は七福神の紅一点で、インド出身の水の神さま。
琵琶を持っているのが特徴で、日本では宗像三神の市杵島姫命(イチキシマヒメノミコト)と同神とされています。財宝の神、芸術や芸能の神とされ、諸芸上達や学問、金運アップといった御利益があります。
智禅寺でお祀りされているのは、8本の腕を持つ「八臂宇賀弁財天」という珍しい弁天さま。8本の腕には琵琶の代わりに宝珠や剣、弓などを持っています。
お寺の御本尊は大日如来。脇侍の地蔵菩薩像もお厨子もとても古いもので、智禅寺の長い歴史を感じました。お厨子が開いているので、尊像を拝顔できます。
智禅寺の見どころ
智禅寺で個人的に気になる&おすすめの見どころを写真つきでご紹介します!参拝される前にチェックして参考になさってくださいね。
四天王がいる鐘楼門
お寺の入り口には竜宮城のような中国風の鐘楼門、こちらは昭和59年(1984年)に建立された新しいものです。本堂までのアプローチがすみずみまで掃き清められていて、清々しい✨
お寺の鐘は250年前に作られたもので、寺宝だそうです。
鐘楼門の二層目の四方には四天王がいて、小さくても存在感ばつぐんでした。
観音堂暗すぎ問題
鐘楼門を入ってすぐ、右手には観音堂があります。ここには西国三十三観音霊場の観音さまがお祀りされていて、西国霊場をお参りしたことと同じ功徳が得られるというボーナスステージ。ぜひお参りを。
ただ、中は照明がついていなかったのでかなり暗くて、奥のほうはもはや仏さまのお顔も見えないほど💦手前のほうだけお参りして諦めました。
自然光でも見える手前のほうにも両界曼荼羅や天部の仏さまなどが描かれた美しい掛け軸などがあるので、ぜひお立ち寄りを。
お気に入りの焔摩天(えんまてん)さま。閻魔大王の別のお姿で、八方を守護する十二天の一尊です。
本堂へ続く階段
智禅寺の本堂は一段高い場所にあります。階段の両サイドにはためく「弁財天」の真っ赤な幟がかっこいい✨淡路島七福神のお寺のなかでは唯一、境内が立体的になっています。
階段の脇には手水舎があり、小さな「水かけ弁財天」がいました。
周辺には植栽のなかに小さな七福神像がちりばめられていて、探すのも楽しい。琵琶っぽいものを持っているので、これが弁天さまと思われる像。
まずは拝観受付へ
智禅寺はダイレクトに本堂には入れず、まずは本堂右隣にある拝観受付へ行きます。ハッピー券がない場合は本堂の前からお参りをします。
こちらでハッピー券の200円を納めてから本堂へ移動、『10分くらい後に行くのでそのままお待ちください』という斬新なシステムでした。時間の都合で御祈願が不要な場合は、本堂でお参りだけしてすぐに帰ることもできるようです。
受付前にさらっと置いてある灯籠、この形ってたぶんキリシタン灯籠ですよね🤔
本堂は見学自由!
智禅寺は受付をすませると本堂へ案内されますが、ご住職が来られるのはおよそ10分後。それまでは気兼ねなく本堂の内部を見学できるんです!お厨子もフルオープンで、御本尊を間近で拝顔できました。
なかなかお寺の中をじっくり見る機会ってないですよね。ふだん見ることがない珍しいものがいっぱいあって、かなりワクワクしました😆
写真中央にあるピッカピカの「金銀如意宝珠」は、弁財天が右手に持っている”心に描いたものをすべて叶える”という宝珠にちなんだものです。ご利益ありそう✨
マツコ・デラックス似の弁財天はいちばん左奥のお厨子に安置されていました。こちらの右下の尊像ですが、ちょっと高い位置にあるので見にくいかも。
智禅寺でも受付や本堂内にポスターを貼ってマツコ弁財天をアピールしているんですが、意外とわかりにくい場所にあるので皆さん探されていました😂
両サイドの壁には仏教にまつわる人物画がありました。こちらは真言密教が中国から日本に伝わるまでに現れた偉大な人物を表す「真言八祖」。
第1祖:インドに仏の教えを広めた「龍猛菩薩」
第2祖:龍猛菩薩の弟子で、すごい超能力があったという「龍智菩薩」
第3祖:龍猛菩薩の弟子で、インドから中国に密教の教えを伝えた「金剛智三蔵」
第4祖:金剛智の弟子で、金剛経本を求めてインドへ向かった「不空三蔵」
第5祖:インドから中国へ大日経を広めた「善無畏」
第6祖:金剛智三蔵と善無畏に師事し、2つの密教を継承した「一行禅師」
第7祖:不空三蔵の弟子で、唐の時代の皇帝から三代にわたって崇敬された「恵果阿闍梨」
第8祖:遣唐使で唐に渡り、恵果阿闍梨から密教のすべてを伝授された「弘法大師空海」
一番左が弘法大師、その右隣が弘法大師の唐での師匠・恵果阿闍梨(けいかあじゃり)です。
仏さまに仕える童子もいろいろ。
顔と髪型が同じで服の色以外でまったく見分けがつかないですが、絵の下にはそれぞれのお名前が書いてありました。一番手前の青い服の童子は文殊菩薩に仕える「善財童子(ぜんざいどうじ)」です。
本堂での読経タイム
受付での宣言通り、10分くらいでご住職が来られてお勤め開始。
お勤めの作法は七福神霊場共通で、二拍手→般若心経→御真言→二拍手の順にご住職と一緒に唱えます。
お勤めのあとは軽くお説法があり、御本尊の弁財天はインド出身の神さまであることや八臂宇賀弁財天についてのわかりやすい解説をしていただけました。
終わった後もご住職は先に退出され、お土産コーナーを見る時間がありました。次の参拝者がいない場合はゆっくり見学できそうです🤗
昭和な絵柄が気になる漫画
智禅寺のお土産コーナーにはめちゃくちゃ気になるものが…。昭和感丸出しの絵柄がインパクトありすぎなこの漫画たち😂昭和生まれの私が子供の頃に観光地のお寺でよく見かけた、子供にも仏教エピソードがわかりやすい教育漫画です。
懐かしすぎて購入。
智禅寺にあったのはこの3種類ですが、他にも「天国と地獄」「おじぞうさま」などかなりのバリエーションがある模様。天国と地獄が欲しい。
まとめ
智禅寺はすみずみまで掃き清められた美しい境内が印象的でした。
本堂をゆっくり見学できるのが智禅寺の大きな魅力。いろいろな仏さまがお祀りされていて、かなり見ごたえがありました。お寺好きな方におすすめですよ。
おすすめのお立ち寄りスポット
智禅寺の近くで御朱印がいただける神社仏閣や、合わせて行きたいおすすめスポットをまとめました。
長林寺
智禅寺からいちばん近い淡路島七福神霊場のお寺は福禄寿を祀る長林寺(ちょうりんじ)です。
🚙智禅寺から約6.5km
伊弉諾神宮
智禅寺から淡路国一の宮・伊弉諾神宮まで車で15分くらいなので、合わせて参拝してみては。