兵庫県淡路市|伊弉諾神宮は神話の時代から鎮座する淡路島の一宮!神々の父が眠る幽宮

淡路島の御朱印

伊弉諾(いざなぎ)神宮は淡路島にある淡路国一の宮。国生み神話に登場する伊弉諾尊(イザナギノミコト)が御祭神で、日本最古の神社のひとつです。

伊弉諾尊は日本の国土と神々を生み出した後、最初に作った国土である淡路島に「幽宮」を建てて余生を過ごし、この地に葬られました。

幽宮(かくりのみや)
神霊が人前に示現することなく永久に鎮まる宮。要するに隠居用のお屋敷。

伊弉諾神宮は伊弉諾尊の陵墓の上に建つとても神聖な場所で、「淡路島一のパワースポット」ともいわれていますよ。

スポンサーリンク

伊弉諾神宮へのアクセス

伊弉諾神宮
〒656-1521
兵庫県淡路市多賀740

伊弉諾神宮は県道88号線沿いにあり、車でのアクセスが便利で場所もわかりやすいです。

神戸淡路鳴門自動車道津名一宮インターから伊弉諾神宮までは車で5分程度、インターを下りて右折し、そのまままっすぐ進むと伊弉諾神宮の鳥居が見えます。

伊弉諾神宮の駐車場

伊弉諾神宮には参拝者が無料で利用できる駐車場があります(普通車25台)。

50台駐車可能な第二駐車場もあり、初詣時期など混雑するときは近くの中学校の校庭が臨時駐車場となります。

伊弉諾神宮の駐車場には利用時間があります。
利用時間は7:00~18:00までで、時間外は閉鎖されるのでご注意を。

公共交通機関でのアクセス

淡路島には鉄道がないため、車以外で行く場合は路線バスを利用します。

淡路島行きの高速バスに乗車する場合は「津名港ターミナル」で下車し、淡路交通の路線バスに乗り換えます(津名港から乗車時間20分、430円)。

神戸発の高速バスには一部の路線で伊弉諾神宮前で停車する便があります。バスでのアクセスについて、詳しくは伊弉諾神宮の公式ホームページの「所在地・地図」をご参照ください。

伊弉諾神宮の御朱印

伊弉諾神宮は表神門の左右に建物がありますが、拝殿を背にして左側はお守りなどの授与専門となっていて、御朱印は右側の建物でいただけます。

伊弉諾神宮では「御朱印」ではなく「御神印」という表記になっていて、オリジナル御朱印帳の表紙も「御神印帳」となっています。

御朱印(御神印)の初穂料:500円
※500円以上をお気持ちで」という表示ですが、ほとんどの人が500円を納めています。
★2018年11月に参拝したときは御朱印の初穂料は「300円以上をお気持ちで」というシステムでしたが、変わったようです。オリジナル御朱印帳も初穂料1000円→1500円に値上がりしていました。

伊弉諾神宮のオリジナル御朱印帳

伊弉諾神宮にはオリジナルの御朱印帳(御神印帳)があります。

11cm×16cmの小さいサイズで、さわやかな白系カラー。表には参道の大鳥居や太陽が描かれ、裏には金色で社号の「伊弉諾神宮」と、伊弉諾神宮の別名である「淡路幽宮」「日之少宮」と書かれています。

オリジナル御朱印帳:2000円(御朱印込み)

カバーなしなので、必要な方はご用意ください。

伊弉諾神宮の社務所受付時間

伊弉諾神宮の社務所受付時間は8:30~17:00までです。

参拝は24時間可能。

伊弉諾神宮について

伊弉諾神宮の正確な創建年は不明ですが、西暦400年代前半の履中天皇や允恭(いんぎょう)天皇の時代の書物に伊弉諾神宮についての記載があります。それよりも前からあったはずなので、1600年以上の歴史があると考えられます。

伊弉諾尊(イザナギノミコト)はこの地で亡くなり、屋敷跡に神陵を建ててお祀りしたことが神さまを祀った最初であることから、日本最古の神社といわれています。伊弉諾神宮がある一帯は伊弉諾尊の陵墓だったので、明治時代までは禁足地でした。

地元では「いっくさん」や「イザナギさん」として親しまれていて、「日之少宮(ひのわかみや)」「一宮皇太神」などの別名もあります。

全国に24ある「神宮」号を持つ神社のひとつで、兵庫県では唯一の神宮です。

伊弉諾神宮の御祭神

伊弉諾神宮の御祭神は伊弉諾尊(イザナギノミコト)と伊弉冉尊(イザナミノミコト)の2柱の神です。

日本初の夫婦神で、オノゴロ島に降り立ち淡路島、四国、隠岐島、九州と次々に国土を生み、最後に本州を生み出しました。国土に続いて、たくさんの神々も生み出しています。

「国生み」の場面は古事記の冒頭に記されていて、日本神話の始まりに登場するのがイザナギ・イザナミの夫婦神。いわば日本という国にとっての父と母です。

この夫婦神はいつまでも仲睦まじく暮らしました、というわけではなく、意外なことに最後はケンカ別れをしています。

国産み神話のその後…
イザナミは火の神を産んだときの火傷が原因で命を落とし、イザナギは愛する妻に会うために黄泉の国へと迎えに行きます。
イザナミに『黄泉の国の神に現世に戻れるよう相談して来るので、それまでは姿を見ないでほしい』と言われたにも関わらず、イザナギは待ちきれずに姿を見てしまいます。
体が腐って蛆がわいた死後の姿に驚いたイザナギは現世へと逃げ帰り、あの世とこの世の境目(黄泉比良坂・よもつひらさか)に大きな岩を置き、イザナミが出てこれないようにふさぎました。
そのとき、夫の仕打ちに怒ったイザナミは『あなたの国の人間を毎日1000人殺します』と物騒な予告をし、それに対してイザナギは『それならば毎日1500人産まれるようにしよう』と答えました。
これ以降、古事記にイザナミは登場せず、夫婦は黄泉比良坂で永遠の別れをしています。

伊弉諾尊が現世に帰ってみそぎをしたとき、顔を洗うと天照大神(アマテラスオオミカミ)・月読命(ツクヨミノミコト)・素戔嗚尊(スサノオノミコト)の3柱の神が生まれました。

古事記のあらすじはこちらの記事をご覧ください。

イザナギは新しく生まれた神々に国を託し、淡路島に「幽宮(かくりのみや)」を建てて余生を過ごしたといわれています。

伊弉諾神宮には長らくイザナギだけがお祀りされていましたが、昭和7年(1932年)にイザナミが正式に御祭神となりました。

伊弉諾神宮の御利益

国生み・神生みを成し遂げたイザナギの御神徳から、心願成就・厄除け開運・縁結び・子授け・安産・夫婦円満・病気平癒・心身浄化など多岐にわたる御利益があります。

伊弉諾神宮はとくに縁結びの御利益が有名で、縁結びのパワースポットといわれています。縁結びだけでなく、男女関係で傷ついた心を癒してくれる御利益もあります。

また、黄泉の国でのエピソードから、「人生に一区切りをつけて再スタートをしたいときに参拝するといい」ともいわれています。

ラッキーアイテムは桃!

伊弉諾神宮といえば、桃。

桃は古来から魔除けのお守りで、黄泉の国から逃げ帰るイザナギはイザナミがさしむけた追手に桃を投げて追い払い、無事に現世に戻ることができました。

イザナギは助けてくれた桃の実に「意富加牟豆美命(オオカムズミノミコト)」という神名を与え、人々を苦しみから救うように命じました。オオカムズミは日本で唯一、徳島県阿波市の賀茂神社でお祀りされています。

伊弉諾神宮では絵馬も桃の形をしていて、桃のお守りなどもありました。

伊弉諾神宮の見どころ

伊弉諾神宮で個人的に気になる&おすすめの見どころを写真つきでご紹介します!参拝される前にチェックして参考になさってくださいね。

厳かな参道

参道の入り口にある一の鳥居はかなりの大きさで、石でできた神明鳥居では日本最大級だとか。高さはおよそ8mあります。鳥居や参道の灯籠は阪神大震災で倒壊する被害にあい、震災後に再建されました。

鳥居の両側にある灯籠には右側に「修理」、左側に「固成」と刻まれています。「修理」の文字だけを見ると”壊れたものを直す”というイメージしかわきませんが、ちゃんと伊弉諾神宮らしい由来がありました。

修理固成とは
「しゅりこせい」又は「つくりかためなせ」と読みます。
これは古事記の国生み神話に登場する言葉で、天の神々がイザナギとイザナミに『国をあるべき姿に整え(修理)、固めなさい(固成)』と命じました。

二の鳥居まで、参道にはたくさんの灯籠が並んでいます。いつもきれいに清掃されていて、砂利を踏みしめる音が心地いいです。

参道には国歌・君が代にもうたわれる「さざれ石」があります。

”さざれ石の巌となりて苔のむすまで”とうたわれるように、さざれ石は大きな石に小さな石がいくつもくっついて、長い年月をかけてひとつの岩になったものです。

なかなか実物を見る機会がない貴重なものなので、ぜひ見てくださいね。伊弉諾神宮には、熊本産と淡路島産のふたつのさざれ石があります。

亀がいる手水舎

手水舎の水鉢は大きな一枚岩でできています。

これは豊臣秀吉が大坂城築城に際して全国から石を集めたとき、運んでいる最中に誤って淡路島の郡家浦に沈んでしまったものを江戸時代に氏子の漁師が見つけて奉納したもの。石には「嘉永三年(1850年)」と刻まれています。

石の上には長寿を表す亀がいて、「幽宮」と書かれたひしゃくが並んでいました。

太陽の運行図

伊弉諾神宮を中心に、全国の主要な神社が一直線に並んでいることを表す図「ひのわかみやと陽の道しるべ」があります。

伊弉諾神宮の真東には藤原京と伊勢神宮、南には伊弉諾尊・伊弉冉尊にゆかりのある淡路島の諭鶴羽神社、北には出石神社、西には海神神社があります。さらに夏至と冬至の日の出・日の入りの方角には出雲大社や諏訪大社、高千穂神社など名だたる神社が配置されています。

「ひのわかみやと陽の道しるべ」の配置
北:出石神社(兵庫県)
南:諭鶴羽神社(淡路島)
東:伊勢神宮 内宮
西:海神神社(対馬)
夏至の日の出:諏訪大社(長野県)
夏至の日の入:出雲大社(島根県)
冬至の日の出:熊野那智大社(和歌山県)
当時の日の入:高千穂神社(宮崎県)

1000年以上も前にどうやって正確な位置を割り出したのか、とても不思議ですよね。この図は手水舎の近くにありますが、参道からは少し奥まった場所にあるため見落としがち。

放生の神池

参道を進むと大きな池があり、「放生(ほうじょう)の神池」と呼ばれています。この池では健康長寿や病気平癒を願う神事が行われてきました(放生神事)。

池の中にはたくさんの鯉や亀がいますが、病気平癒の願いを込めて鯉を、快癒のお礼に亀を池に放つという祈願方法があるためです。

昔は伊弉諾神宮の神陵を囲むように濠が張り巡らされていて、この池も濠の名残だとか。

茅葺屋根の神門

放生の神池の前には明治16年(1883年)に建てられた表神門があります。それ以前は随神門があり、左右には門守の神(閽神、かどもりのかみ)がいたそうです。

表神門の前は東西150mの馬場の広場となっていて、秋祭りでは流鏑馬神事が行われています。昔は馬に乗って矢を放つスタイルでしたが、現在は馬を調達することが難しいため、地上から的を狙う形で実施されています。

茅葺屋根の重厚なたたずまいで、扁額には伊弉諾神宮の別名である「一宮皇太神」と書かれています。

陵墓に建つ拝殿

表神門の先に拝殿があります。明治15年(1882年)に再建された比較的新しいものですが、重厚で迫力があります。拝殿前の狛犬は文政4年(1821年)製の古いものでした。

本殿の下にはイザナギノミコトの陵墓があります。

もちろん本殿には一般人が立ち入ることはできませんが、遠目から見ることはできますよ。本殿の中には注連縄がついた木があり、本殿の裏側には石が祀られているそうですが、私は見つけられませんでした。参拝するときは、ぜひ探してみてくださいね。

あまり知られていませんが本殿の裏側にも参拝所があり、拝殿からよりも近くから神さまにお参りができます👏菊の御紋がまぶしい賽銭箱も置かれています。

夫婦大楠

伊弉諾神宮には兵庫県の天然記念物に指定されている、樹齢900年以上の大きな楠の御神木があります。もとは2株の木が途中でひとつになり、大きく成長しました。

御神木は「夫婦大楠(めおとのおおくす)」と呼ばれ、この木にはイザナギとイザナミが宿っているとか。夫婦大楠には縁結び・子授け・夫婦円満の御利益があります。

木の幹には男女を表す凹凸が。下の写真が凸の部分、反対側に凹があります。

根元はこんな感じでかなりの大きさ、左手で木に触れながら反時計回りに一周するとパワーがいただけるといわれています。現在は柵で囲まれているので触れながらの一周は難易度高め、足元に気をつけてください。

見上げると、空を埋めつくす勢いで枝を伸ばしています。

夫婦大楠の側には「岩楠(いわくす)神社」があります。こちらにはイザナギとイザナミの最初の子である「蛭子(ヒルコ)命」がお祀りされていて、子孫繁栄・夫婦円満・延命長寿の神として信仰されています。

眼病に御利益がある左右神社

伊弉諾神宮の境内にはいくつかの摂社・末社がありますが、そのうちのひとつが「左右(そう)神社」。

左右神社には天照大神と月読命がお祀りされています。黄泉の国から帰ってきた伊弉諾尊がみそぎをしたとき、左目から天照大神が、右目から月読命が生まれました。なので、左右神社という名前です。

目から生まれた2柱の神には眼病治癒の御利益がありますよ。

毛髪に感謝

神聖な境内に唐突に現れる「頭髪感謝」という石碑と毛根っぽい謎のモニュメント。

「髪(カミ)」は「神(カミ)」と同音なため、古来から日本では頭髪は生命の象徴とされ、神聖なものとして崇めていました。このモニュメントは、美容・理容業界など頭髪に関わる会社によって業界の発展と平安を祈念するため奉納されたものです。

単独で書かれている、ひときわ大きな「リーブ21」の社名が気になります😂

まとめ

神話の時代から鎮座する伊弉諾神宮は、長い歴史があり日本の国土と神々を産み出した伊弉諾尊(イザナギノミコト)と伊弉冉尊(イザナミノミコト)がお祀りされています。

15000坪の広大な境内には紹介した以外にも昭和天皇お手植えの木や伊勢時宮遥拝所、菊の御紋入りの神馬像などたくさんの見どころがまだまだあります。

淡路島は鉄道がないので島内の移動がやや不便ですが、車があれば伊弉諾神宮までは津名一宮インターから5分程度とアクセスが便利ですよ。

「淡路島一のパワースポット」といわれる伊弉諾神宮の神聖な空気を感じに、ぜひお参りしてくださいね。

タイトルとURLをコピーしました