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神社仏閣の豆知識|田村神社で学ぶ古事記!わかりやすいあらすじとゆる~い挿絵がクセになる

雑記

讃岐国(香川県)の一の宮・田村神社の駐車場の片隅にある、日本の神話をゆる~く紹介する絵を知っていますか?神社の創建1300年を記念して作られたものですが、目立たないので見たことない人が多いかもしれません。

でも、いかした挿絵はなかなかのクオリティーで、見ないなんてもったいない!

日本の神話って意外と内容を知らなかったり、神さまの名前などが難解で大人でもけっこう読みにくいものですが、田村神社では子供でも理解できるよう全編ひらがなでわかりやすく書かれていますよ。

田村神社にある古事記の絵とストーリーに解説をプラスしたので、古事記のあらすじをフワッと知りたい方、長いですがぜひご一読ください。

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古事記による日本のはじまり

国のはじめ

駐車場にある日本神話の挿絵

てんと ちが まだ わかれていなかったとき このくには まるで みずにういた あぶらのように
うみにうかぶ くらげのように ただよっていました

いきなり予想外にカオスな絵で始まりますが、最初はこの世界には本当に何もなくて、天と地の区別すらもなく何もない空間でした。

②の「神々のお生まれ」までこれといったエピソードはなく、漂ったまま長い長い年月を過ごします。

神々のお生まれ

駐車場にある日本神話の挿絵

そのなかで たかまがはら という てんの とてもたかい ところに てんのちゅうしんのかみ
あめのみなかぬしのかみがうまれ つぎに すべてのものをうみだすかみ かみむすびのかみが
うまれました

なんか神々しいの来た。

あるとき突然天と地がスパーーーンと分かれ、そこに1柱の神が現れます。絵的には天照大神っぽいですが、ぜんぜん別の神さまです。

「てんのちゅうしんのかみ」と書かれているのは

  • 天之御中主神(アメノミナカヌシノカミ)
  • 高御産巣日神(タカミムスビノカミ)

の2柱の神のこと。

アメノミナカヌシは日本に最初に現れた神なので、「至高の神」「宇宙の神」ともいわれます。でも、これといった活躍の描写がない不思議。

国生み

駐車場にある日本神話の挿絵

さて はじめにあらわれた さんにんのかみたちは さいごに あらわれたいざなぎのかみ
いざなみのかみをよび 「ちじょうは まだ あぶらのように ただよっている。しっかりと
つくりかためなさい」といわれ あめのぬぼこ という りっぱな ほこを さずけました
そこで ふたりのかみは てんとちのあいだにかかる あめのうきはしの うえにたちました
どろどろとした ちじょうへ ほこを つきおろし 「こおろ こおろ」と かきまわしました
さっと ひきあげると ほこのさきから しずくが ぽつりぽつりと したたりおちました
その したたりおちた しずくが しだいにかたまって ついに しまに なりました
このしまを 「おのごろじま」といいます

ここから急に話が長くなるうえに、「はじめに現れた三人の神」って急に一人増えとるがな。

アメノミナカヌシとタカミムスビのほか、「はじめに現れた三人の神」には実はもう1柱の神・神産巣日神(カミムスビノカミ)がいました。

アメノミナカヌシ、カミムスビ、タカミムスビの3柱の神々を「造化三神(ぞうかさんしん)」といい、このへんの初期の神さまは男女の区別がない「独神(ひとりがみ)」です。

このあたりは古事記的にはまだ微妙に漂っている時期で、地面は未完成。造化三神の後にようやく伊邪那岐神(イザナギノカミ)、伊邪那美神(イザナミノカミ)の2柱の神が現れます。

造化三神は最後に生まれたイザナギ&イザナミを地上に派遣し、国造りをすることを命じました。

省略されていますが、造化三神の後にも男女の区別がない独神が4柱、イザナギ&イザナミの前に男女ペアの神が4組ひそかに生まれています。

神々の出現順をまとめると、

  1. 天之御中主神(アメノミナカヌシノカミ):至高の神
  2. 高御産巣日神(タカミムスビノカミ):天の創造の神
  3. 神産巣日神(カミムスビノカミ):地の創造の神
  4. 宇麻志阿斯訶備比古遅神(ウマシアシカビヒコヂノカミ):活力の神
  5. 天之常立神(アメノトコタチノカミ):天の永久性を象徴する神

以上が別天津神(ことあまつかみ)」という神の世界でも別格のグループ。

以降に生まれた神々は「神世七代(かみのよななよ)」というグループになります。

  1. 国之常立神(クニノトコタチノカミ)
  2. 豊雲野神(トヨグモヌノカミ)
  3. 宇比地邇神(ウヒヂニノカミ)・須比智邇神(スヒヂニノカミ)
  4. 角杙神(ツヌグイノカミ)・活杙神(イクグイノカミ)
  5. 意富斗能地神(オオトノヂノカミ)・ 大斗乃弁神(オオトノベノカミ)
  6. 淤母陀琉神(オモダルノカミ) ・阿夜訶志古泥神(アヤカシコネノカミ)
  7. イザナギ・イザナミ

「国生み神話」は有名なので、イザナギ&イザナミは名前だけ知っている人も多いのでは。国生みのイメージ的に日本で最初の神さまっぽいですが、実はイザナギ&イザナミよりも前に神さまはいたんですね。

ちなみに、この世の始まりからイザナギ&イザナミの出現まで150億年かかっているそうです。宇宙の年齢と同じやん!

このあたりでようやく世界が「高天原(たかまがはら)」という神々が住む天の世界、「葦原の中つ国(あしわらのなかつくに)」という地上、「黄泉の国(よみのくに)」という死者の世界に分かれます。

まだ未完成で油のように漂ったままの葦原の中つ国に降り立ったイザナギ&イザナミは、造化三神に渡された「天沼矛(あめのぬぼこ)」で地面をかきまわして地面を作ります。

矛の先からしたたりおちた雫が固まり、最初にできた島が「おのごろじま」です。「淤能碁呂島(おのごろじま)」は淡路島そのものであるとか、淡路島にある沼島(ぬしま)という離島だとか、絵島だとか、諸説ありまくり。

国のはじまり

駐車場にある日本神話の挿絵

ふたりのかみは あめのうきはしから おのごろじまへ おりてみることにしました
そしてまわりをみわたし ほどよいところに あめのみはしらを たて おおきなきゅうでんを たてました
ふたりのかみは おおきなはしらを ぐるぐるとまわり ふうふになるやくそくをしましたが
さいしょは うまくいきませんでした
そこで たかまがはらのかみに そうだんして うらないをしてもらったところ
「おんなのほうが さきに こえを かけたから うまくいかなかったのだ。
もどって いいなおしなさい」といわれ ふたりのかみは いわれたとおりにやりなおしたところ
こんどは ふうふに なることができました
こうして ふたりのかみは たくさんのかみをうみだしたのです

油のように漂っていた地上がちょっと固まったので、イザナギ&イザナミは上陸を試みます。ほどよいところに宮殿を建てて、島暮らしを始めました。

いよいよ造化三神に託されたミッション、国造りが本格的にスタートします。天御柱(あめのみはしら)越しに見つめ合うイザナギとイザナミ、頬を赤らめるイザナミが尊い。

天御柱の前に背中合わせに立ち、イザナギが左から、イザナミが右から回りって出会ったところで声をかけるという謎の儀式によって国生みが始まります。出会ったところで『阿那迩夜志愛袁登古袁(あなにやし、えをとこを)』『阿那邇夜志愛袁登売袁(あなにやし、えをとめを)』とお互いをほめあい、夫婦になりました。

「さいしょはうまくいきませんでした」で濁されていますが、最初の神生みではイザナミから声をかけたので「ヒルコ」という骨がない未完成な子供が生まれました。古事記的には女が積極的なのはNGな模様。

ヒルコは笹船に乗せられて海に流されますが、このヒルコが立派に成長して「事代主神(コトシロヌシノカミ)」になりました。コトシロヌシは七福神の恵比須(えびす)神、「えべっさん」でもあります。商売繁盛で笹もってこい。

ヒルコの後にも泡のようなフワフワした「淡島」という子供が生まれていますが、この子もいなかったことにされています。

火の神の誕生

駐車場にある日本神話の挿絵

ふたりのかみは まず にほんのくにのしまじまを うみだしました
つぎにいえのかみ うみのかみ かぜのかみ やまのかみ たべもののかみ など
さまざまなかみを うみました
さいごに ひのかみを うんだとき ひどいやけどを おって とうとう
いざなみは このよをさって よみのくにへ たびだって しまいました
いざなぎをはじめ うまれたかみは とても かなしみました

イザナミーーーーーーーーー!!!めっちゃ死んでるやん。

ヒルコ、淡島と連続して失敗したため造化三神に国生みのアドバイスをもらい、男から声をかけることでイザナギ&イザナミは順調に日本列島と神々を生み出すことができました。

イザナギ&イザナミ夫婦から最後に産まれたのが「火之迦具土神(ヒノカグツチノカミ)」。この絵だとカグツチがぜんぜん悲しんでない。『え?俺のせい?』みたいな。おかん死んでるやん、一回燃えるのやめようや。

子供たちはカグツチを入れて8人しか描かれていないですが、イザナギ&イザナミの国生みの成果は島が14、御子神が35柱という大家族。ビッグダディ超えです。

・最初に生みだした国土が淡路島、続いて四国、隠岐の島、九州、壱岐島、対馬、佐渡島、本州。日本の島々のことを「大八島(おおやしま)」といいます。

・御子神は人々の暮らしを守る家や地盤を守る神(家宅六神、かたくろくしん)から始まり、海の神、川の神、山の神など盛りだくさん。

そのなかには阿波国の国魂・大宜都比売命(オオゲツヒメノミコト)もいらっしゃいます。オオゲツヒメが主祭神としてお祀りされている神社は徳島県にしかなく、上一宮大粟神社が本家本元。

男女ペアで生みだされた神がまた神を生んだり、イザナギに切り殺されたカグツチからも神が生まれたり、イザナミが死んで嘆き悲しむイザナギの涙から神が生まれたり、ものすごい勢いでイザナギファミリーが増えていきます。家系図がもうわけわからん。

黄泉国(よみのくに)

田村神社の駐車場にある日本神話の挿絵

いざなぎは いとしい いざなみを おって よみのくにまで たびだちました
でむかえた いざなみは よろこんで「よみのくにのかみに かえってもよいか
そうだんしてきますから そのあいだは わたしのすがたを みないでください」といいました
しかし いざなぎは まちくたびれて ついに いざなみのすがたを みてしまいました
そこにあったのは からだじゅうに うじがたかり かみなりのかみが とぐろをまいた すがたでした
いざなぎは そのかわりはてた すがたにおどろいて にげてしまいました
いざなみは とてもくやしがり よもつしこめというおにに めいれいをして
いざなぎを おいかけさせました
いざなぎは いっしょうけんめいに にげて ようやく よもつひらさかの ふもとまで たどりつきました
そこにはえていた もものみを なげつけたところ ももの ちからによって
おにたちは にげかえっていきました

このくだりは古事記で有名なエピソードですよね。

死んだイザナミを追って黄泉の国に向かったイザナギがイザナミの死後の姿を見てしまい、驚いて逃げ帰るというあのくだりです。

黄泉平坂(よもつひらさか)を通り、黄泉の国(根の堅洲国、ねのかたすくに)の入り口までたどりついたイザナギは固い岩の扉越しにイザナミを呼び出し、迎えに来たと告げます。しかし、すでに黄泉の国の食べ物を食べてしまったイザナミは、それはできないと断りました。

黄泉の国の食べ物を食べてしまうと本来は生き返ることはできないんですが、イザナミは帰ってもいいか黄泉の国の神々に相談しに行きます。イザナギはイザナミが戻ってくるまで決して扉を開けないことを約束しました。もはや『押すなよ?押すなよ?』というフリにしか聞こえませんね。

待てど暮らせどイザナミは戻って来ず、待ちくたびれたイザナギはやっぱり扉を開けてしまいました。そこで死後の腐り果てたイザナミの体を見てしまい、驚いて逃げ帰ります。イザナミは約束を破ったイザナギに激怒し、黄泉の国の鬼やら何やらと一緒にイザナギを追いかけました。

追われるイザナギはなんとか黄泉平坂の手前まで逃げ、そこに生えていた桃の実を投げて追手を撃退。ニッコニコで桃を投げまくるイザナギさん、一生懸命逃げてる感がぜんぜん伝わってこないですね。古事記だとたしか投げた桃の実は3つなんですが、桃投げすぎじゃない?

この後、イザナギを助けた桃の実は「オオカムズミノミコト」という神名を与えら、人々を苦難から救うように命じられました。

オオカムズミノミコトは「大神実命」や「意富加牟豆美命」と書きます。

”桃の実には魔除けの力がある”といわれるのは、このエピソードが元となっています。イザナギをお祀りする淡路国一の宮・伊弉諾神宮でも桃の絵馬やお守りなどがあり、やっぱり桃押しでした。

また、オオカムズミノミコトは全国で唯一、徳島県阿波市の賀茂(かも)神社でお祀りされています。

黄泉平坂(よもつひらさか)の別れ

田村神社の駐車場にある日本神話の挿絵

なんとか おにたちを おいはらった ところに とうとう いざなみが おいかけてきました
よもつひらさかを のぼった いざなぎは せんにんがかりでも やっと うごくような おおいわを
さかの まんなかにおき そのいわを あいだにおいたまま いざなみに わかれをつげました
いざなみは とてもおこって 「あなたが そのようにひどいことを なさるなら あなたのくにの
ひとびとを いちにちに せんにんずつ ころしてあげましょう」といいました
これにたいして いざなぎは「きみが そんなことをするのなら わたしは いちにちに
せんごひゃくの うぶやをたてて こどもを うませることにしよう」といいました
このようなことが あったので いちにちに せんにんの ひとが しに
かわりに せんごひゃくにんが うまれるのです

黄泉平坂でついにイザナミがイザナギに追いつきますが、イザナギは1000人がかりでしか動かせないような巨大な岩を見つけて押し転がします。なんでそんなもんが都合よく転がってるんですかね…。

岩は黄泉平坂を転がり、黄泉の国の入り口をふさぎました。この岩越しにイザナギとイザナミは最後の会話をします。

『あなたが そのようにひどいことを なさるなら あなたのくにの ひとびとを いちにちに せんにんずつ ころしてあげましょう』

イザナミ怖っ。それに対してイザナギは、

『きみが そんなことをするのなら わたしは いちにちにせんごひゃくの うぶやをたてて こどもを うませることにしよう』と答えました。イザナミに殺される数よりも人間がいっぱい生まれればええんや!という大ざっぱさ。

日本は少子高齢化といわれて久しいですが、2018年の出生数は91.8万人で一日あたりだと2515人。まだまだイザナギノルマは達成できていますね。その一方で死亡者数は136.2万人で一日あたり3731人になり、完全にイザナミの攻撃はオーバーキルでした。

いちにちに せんごひゃくにん いじょうが うまれているけど いちにちに さんぜんにんの ひとが しんでいるのです。。。

禊祓(みそぎはらい)

田村神社の駐車場にある日本神話の挿絵

いざなぎは よみのくにで けがれてしまった からだを つくしのくにの ひむかの たちばなの おどの
あはぎはらで みそぎはらいを おこないました
みそぎとは からだにみずをかけて けがれを きよめる ことだからみにつけていたものを
すべて ぬぎすてました いざなぎは かわにもぐり からだの けがれを きよめました
ひだりめをきよめたとき あまてらすおおみかみがうまれ
みぎめをきよめたとき つくよみのみことがうまれ はなをきよめたとき すさのおのみことがうまれました
いざなぎは とうといかみが うまれたと たいへん よろこびました
いざなぎは たかまがはらを あまてらすおおみかみに よるのくにを つくよみのみことに
うみのせかいを すさのおのみことに おさめるように それぞれのせかいを まかせました

黄泉の国で桃を投げまくり、無事に現世に戻ってきたイザナギさん。汚れたので海で禊(みそぎ)をします。そのとき、脱ぎ捨てた衣服や洗った場所からも続々と神が生まれました。

なかでも、顔を洗ったときに生まれた天照大神(アマテラスオオミカミ)、月読命(ツクヨミノミコト)、須佐之男命(スサノオノミコト)は、神といえばこれ!というメジャーな神。ちなみに、左目からアマテラス、右目からツクヨミ、鼻からスサノオが生まれました。なぜかスサノオだけ全裸なのが気になる。

イザナギパパは顔から生まれた三兄弟の長女・アマテラスに高天原(たかまがはら)を、真ん中っ子・ツクヨミに夜の食国(よるのおすくに)を、末っ子には海の世界を治めさせました。

アマテラスは女神、スサノオは男神として浸透していますが、ツクヨミだけは性別不明なうえにこれ以降のエピソードもほとんどないミステリアスな神さま。

徳島県では美馬市の西照神社にツクヨミがお祀りされています。

天の岩戸

田村神社の駐車場にある日本神話の挿絵

すさのおのみことは ははにあいたいと なきさけび おとなになるまで うみのせかいを
おさめようとしませんでした
それをみた いざなぎはおこり すさのおのみことを うみのせかいから おいだしてしまいました
すさのおのみことは あねに わかれを つげに たかまがはらへ いきました
たかまがはらへいった すさのおのみことは たいへんなわるさをしたために
あまてらすおおみかみは おこりかなしんで あめのいわやに はいって そのとを しめてしまいました
そうしたところ せかいは くらやみにつつまれ わるいことばかりが おこりました
こうしてはおけないと たくさんの かみたちが あつまり そうだんして
うつくしいこえでなく とりをなかせ おいのりをして みんなで おおきなこえでわらったり おどったりました
あまてらすおおみかみは ふしぎにおもって あめのいわとを すこしあけて ようすを うかがってみました
そこへ ちからもちのかみが てをかけて あめのいわとを いっきに あけて
あまてらすおおみかみを ひきだしました こうして せかいは もとどおりに あかるいひかりを
とりもどしました

顔から生まれた三兄弟、立派に成長してますがスサノオのワガママっぷりがすごい。

母に会いたいと泣き叫んで、大人になるまで海の世界を治めようとしなかった模様。末っ子だからってイザナギパパが甘やかしすぎたんじゃないですかね…。

「あねに わかれを つげに たかまがはらへいきました」のところには省略されたエピソードがあります。それがアマテラスとスサノオの誓約(うけい)。

別れの挨拶をしに来たスサノオが高天原に攻め込んできたと勘違いしたアマテラス姉さん、男装&武装して立ちはだかり、スサノオに悪意がないことを証明させます。

その方法が「誓約(うけい)」という占いで、賭けに勝ったほうが正義というもの。

誓約によってアマテラスはスサノオの剣から3人の女神を生みだし、スサノオはアマテラスの勾玉から5人の男神を生みだしました。スサノオの剣からは女神が生まれたため、高天原に攻め込む意思はなかった、ということになりました。どういう理屈なの…。

我が心清く明し。故れ、我が生める子は、手弱女を得つ。』、古事記だとスサノオのドヤ感がすごい。

このときに生まれたのはとても重要な神々でした。

スサノオの剣からアマテラスが生み出した女神
・多紀理毘売命(タキリビメノミコト)
・多岐都比売命(タギツヒメノミコト)
・市寸島比売命(イチキシマヒメノミコト)
いわゆる「宗像三女神(むなかたさんじょしん)」です。世界遺産・宗像大社や広島県の厳島神社にお祀りされている、現代でもとてもメジャーな神さまですね。
アマテラスの勾玉からスサノオが生み出した男神
・正勝吾勝勝速日天之忍穂耳命(マサカアカツカチハヤヒアメノオシホミミノミコト)
・天之菩卑能命(アメノホヒノミコト)
・天津日子根命(アマツヒコネノミコト)
・活津日子根命(イクツヒコネノミコト)
・熊野久須毘命(クマノクスビノミコト)

正式名称が長すぎるので、「忍穂耳命(オシホミミノミコト)」のほうがしっくりくる。オシホミミは天孫降臨でおなじみの「瓊瓊杵尊(ニニギノミコト)」の父にあたり、皇室につながる神さまです。

さて、無事に高天原に迎え入れられたスサノオですが、ここでスサノオが行ったという「たいへんなわるさ」をみてみましょう。

  • 高天原の畑の作物を荒らす
  • 田んぼの水路を壊す
  • 田んぼの稲穂の上を馬で走り回る
  • アマテラス姉さんの神殿にウ〇コまき散らす
  • 神聖な機織り部屋に皮をはいだ馬(生きてる)を投げ込む

後半クレイジーすぎるやろ。「たいへんなわるさ」で片付けたらあかんレベル。

アマテラス姉さんにとってはそれでもかわいい弟だったのか、ことあるごとにスサノオをかばってました。しかし、最後の馬騒動では驚いて逃げようとした機織り娘の陰部に機織り道具がつきささり、亡くなるという悲劇が起こります。

アマテラス姉さんは嘆き悲しみ、ついに「天の岩戸」にひきこもってしまうのでした。

太陽神が岩戸に隠れたもんだから、世界は暗闇に包まれて高天原はさあ大変。高天原の神々が集まって相談し、岩戸の前でどんちゃん騒ぎをします。なんでやねん。

神々の宴会で踊ったのが、芸能の神さまとして有名な「天鈿女命(アメノウズメノミコト)」。お乳を振り乱して踊って完全に痴女みたいに描かれていますが、古事記を見てもその通りというね。

自分が岩戸に隠れたのにゲラゲラ笑ってる神々が不思議で、岩をちょびっとだけ開けて様子をうかがうアマテラス。その隙に、「ちからもちのかみ」=手力男命(タジカラオノミコト)が岩戸をスパーーーーーン!と開けてアマテラスを引き出しました。

これで高天原に光が戻り、めでたしめでたし。

八俣の大蛇

田村神社の駐車場にある日本神話の挿絵

さて とても わるいことをした すさのおのみことは たかまがはらからも おいだされ いずものくにの
ひのかわの じょうりゅうに おりました かわぞいに のぼっていくと ろうふうふとわかいむすめが
ないていました すさのおのみことは なぜ ないているのかと たずねると ろうじんは
「わたしたちには もともと むすめが はちにんいましたが やまたのおろちという おそろしい
かいぶつに まいとし ひとりずつ たべられて いまは このむすめしか のこっていません
このむすめも たべられてしまうのかと おもうと かなしくて ないていたのです」といいました
そこで すさのおのみことは おろちたいじを みずから ひきうけて むすめと けっこんする
やくそくを しました

突然始まるスサノオのターン。

「とても わるいことをした すさのおのみことは たかまがはらからも おいだされ」…結局追い出されたんかーーーい。高天原にウ〇コまき散らしたのに涼し気な顔で歩いてるの何なん。

高天原を追い出され、出雲国にやってきたスサノオは川で泣いている老夫婦と若い娘に出くわします。

老夫婦に泣いている理由を聞くと、もともと8人いた娘が「やまたのおろち」という怪物に食べられ、ついに最後の一人になってしまったと言いました。

ヤマタノオロチは8つの頭と8本の尾を持つ巨大な怪物で「高志(こし)」という地方に住んでいました。「八岐大蛇」という表記がメジャーですが、古事記では「八俣遠呂智」と表記されています。

この老夫婦は大山津見神(オオヤマツミノカミ)の子の足名椎命(アシナヅチノミコト)と手名椎命(テナヅチノミコト)で、「わかいむすめ」が櫛名田比売(クシナダヒメ)、後に素戔嗚尊の妻になります。

八俣の大蛇退治

田村神社の駐車場にある日本神話の挿絵

すさのおのみことは ろうふうふに おけにいれた とてもつよいおさけを よういさせました
そこへ まっかなめをした やまたのおろちが やっつのあたまと しっぽをふりながら
すごいいきおいで やってきました
おろちは おけをみつけると すぐに なかのおさけを のみだしました のみおわると おろちは
すっかりよっぱらって おけのそばでねむってしまいました
それをみた すさのおのみことは ながいかたなで おろちを ずたずたに きりさきました
おろちの なかほどの しっぽを きったところ かたなのはが かけてしまいました
ふしぎにおもった すさのおのみことは きりひらいたところ すばらしいかたなが あらわれました
とてもめずらしい かたなだったので これを あまてらすおおみかみに さしあげました
これがのちに くさなぎと なずけられた かたなです
こうして おろちたいじを せいこうさせた すさのおのみことは むすめとけっこんして いずものくにに
りっぱな きゅうでんを つくりました

スサノオは老夫婦に強い酒を用意させて、ヤマタノオロチが来るのを待ちます。

「すごいいきおい」でやってきたオロチは酒を見つけると8つの頭を桶につっこみ、酒を飲みほして居眠りを始めました。オロチまっしぐら。

そして、酔って寝ている隙にスサノオが「ながいかたなで おろちを ずたずたに きりさきました」。酒で身を滅ぼしたわけですね。

オロチの尻尾を切ったところ刀の刃が欠けてしまい、尻尾を切り開くと「すばらしいかたな」が出てきました。この「すばらしいかたな」が三種の神器のひとつ、天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)です。

三種の神器(さんしゅのじんぎ・みくさのかむだから)
天叢雲剣のほか、アマテラスがニニギに与えた鏡=八咫鏡(やたのかがみ)、玉=八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)の総称。

因幡の素兎(しろうさぎ)と大国主神

田村神社の駐車場にある日本神話の挿絵

おおくにぬしのかみには たくさんのあにがいました いなばのくにに うつくしいひめがいると
あにたちは けっこんをもうしこみにいくために おおきなふくろを おおくにぬしに せおわせ
つきそいをさせました
たびのとちゅう みさきで けがわをむかれて あかはだかになった うさぎがたおれていました
おおくにぬしは わけをきくと うさぎは「わたしは むこうのしまに すんでいる うさぎです
なんとか こちらのみさきに わたりたいと おもい さめをだましてわたろうとしたところ
だましていることが ばれてしまい さめにけがわをはぎとられてしまいました
そこへ さきにとおった かみさまたちが いうとおり しおみずをあびて かぜにあたって ねていたところ
よけいにいたくなってしまったのです」といいました
それをきいたおおくにぬしは「かわのみずでからだをあらい がまのほわたを みにまとえば
きれいになおるだろう」と うさぎにおしえてあげました
いうとおりにした うさぎは もとのきれいな からだにもどり たいへんよろこびました

ここからはスサノオの子孫の話になり、大穴牟遲神(オオナムヂノカミ)=大国主神(オオクニヌシノカミ)が主人公です。

オオクニヌシには兄がたくさんいて、兄たちは「いなばのくに」にいる美しい姫に求婚するために旅立ちました。この「美しい姫」は八上比売(ヤガミヒメ)といいます。

「いなばのくに」といえば因幡国、鳥取県を連想しますが古事記には因幡国であるという記載はないそうです。「いなば」は稲葉や稲場のことで、稲の置き場を指すとか。この地名は全国に見られるものです。

たくさんいる兄たちの荷物は末っ子のオオクニヌシが持てばいいじゃん☆と大きな袋を背負わされ、兄の後を一生懸命ついて行くオオクニヌシ。

このクソみたいな兄たちには個別の名前はなく「八十神(ヤソガミ)」としてひとまとめにされていて、完全にモブ扱い。「八十」と書きますが80人の兄ではなく、単に”いっぱいいる”という意味です。

八十神ブラザーズに持たされた大きな袋を一生懸命運んでいるオオクニヌシは、旅の途中で毛皮をむかれて地肌があらわになったかわいそうなうさぎに出会います。

隠岐の島から海を渡りたかったうさぎさんは、「さめをだましてわたろうとしたところ だましていることが ばれてしまい さめにけがわをはぎとられてしまいました」。

サメの数を数えてあげるよと並ばせて、その背中を渡って無事に陸に上がる寸前、うさぎさんはなぜか急にイキって『やーい、だまされた!』とか言うもんだから、身ぐるみはがれてしまいました。

有名な「因幡の白兎(いなばのしろうさぎ)」のエピソードですね。

毛皮をはがされて痛くて泣いていたら、「さきにとおった かみさまたちが いうとおり しおみずをあびて かぜにあたって ねていたところ よけいにいたくなってしまったのです」…とな?

ファッキン八十神。クソ兄どもクズすぎやろ。

かわいそうなので、正しい治し方をうさぎさんに教えてあげたオオクニヌシ。さすが神。

喜んだうさぎさんは『八十神はヤガミヒメを得ることはできません。ヤガミヒメは心優しいあなた様を選ぶでしょう』と予言します。そして、うさぎさんは八十神よりもオオクニヌシよりも早くヤガミヒメの元に行き、一連の出来事を話しました。

ヤガミヒメは八十神の求婚をすべて断り、遅れてやって来たオオクニヌシに『大きな袋を背負ったあなたと結婚します』と言いました。結婚の決め手が袋ってどういうことなん?

ヤガミヒメにふられたことで八十神はオオクニヌシを逆恨みし、オオクニヌシの命を狙うようになったのはまた別のお話。ちなみにオオクニヌシは八十神に何回も殺されてますが、神なので余裕で生き返っています。

天孫降臨

田村神社の駐車場にある日本神話の挿絵

あまてらすおおみかみは じぶんのこどもに ちじょうを おさめさせようとおもい いろいろとかんがえて
まごにあたる ににぎのみことをくだらせました ににぎのみことは くだろうとすると はっぽうに
わかれたみちで いようなすがたのかみが ゆくてをふさいでいました そこで おとものかみに
たずねさせたところ そのかみは「わたしは さるたひこのかみともうします みちあんないをしようと
おむかえにきました」といいました
これでみちあんないができ おとものかみたちもきめられて あまてらすおおみかみは
やさかのまがたまとかがみ くさなぎのつるぎを ににぎのみことにさずけました
あまてらすおおみかみは「このかがみは わたしだとおもって だいじにおまつりしなさい」といわれ
げんざいも このかがみはいせのじんぐうに やさかのまがたまは こうきょに
くさなぎのつるぎは あつたじんぐうにまつられ これをさんしゅのしんきといいます
こうしてににぎのみことは たかまがはらをはなれ そらにうかぶ なんじゅうにもかさなった くもをおしわけ
つくしの ひむかの たかちほにくだられ そこにりっぱな きゅうでんをたてました

いよいよ古事記もクライマックス。

アマテラスは自分の子供たちに地上の国を治めさせようと考え、孫にあたる瓊瓊杵尊(ニニギノミコト)を地上へと下らせることにします。

ニニギはアマテラスから三種の神器を与えられ、5柱の神々(五伴緒)を伴って天下りました。

五伴緒(いつとものお)
天孫降臨に付き従った天児屋命(アメノコヤネノミコト)、布刀玉命(フトダマノミコト)、天宇受売命(アメノウズメノミコト)、伊斯許理度売命(イシコリドメノミコト)、玉祖命(タマノオヤノミコト)の5柱の神のこと。

布刀玉命は「太玉命」とも表記される忌部氏の祖神で、阿波国一の宮・大麻比古神社では「大麻比古神」としてお祀りされています。

ニニギたちが地上へと向かう途中、八方に分かれた道をふさぐように異形の神が待ち構えていました。この神が猿田彦神(サルタヒコノカミ)です。右上で雲に乗っているのがニニギ御一行様。

田村神社の駐車場にある日本神話の挿絵

「異形の神」と表されるサルタヒコですが、その異形っぷりは日本書紀によると、

その神の鼻の長さは七咫(ななあた)、背(そびら)の長さは七尺(ななさか)、目が八咫鏡(やたのかがみ)のように、また赤酸醤(あかかがち)のように照り輝いているという姿であった。

Wikipediaサルタヒコから引用)

と記載されています。

・「手を開いたときの中指の先から親指の先までの長さ」が咫という単位で、そんなもん人によるやろと思いますがだいたい20cm弱くらいですかね。サルタヒコ鼻長すぎん?

・「尺」は時代や地域によって変動しますがだいたい30cmくらい。身長210cm!?完全にバレーボール向きの人材。

・「赤酸醤」は鬼灯(ホオズキ)の昔の呼び名で、「かがち」は蛇のこと。

神さまとはいえ、異形どころの騒ぎじゃなくない?

さすがになんかやべぇ奴来た、ということでニニギはアメノウズメに何者かを尋ねさせました。女を盾にすな、と思いますが、ウズメ姐さんはまったく物怖じしないコミュ力おばけのイケイケギャル(死語)なので無問題です。

ウズメが何者かを尋ねるとサルタヒコが道案内を申し出たので、ニニギは地上まで案内してもらい、「つくしの ひむかの たかちほ」に下り、立派な宮殿を建てました。

アマテラスから託された三種の神器は現在にも受け継がれていて、鏡は伊勢神宮に、勾玉は皇居、剣は熱田神宮に祀られています。

というのが古事記のあらすじ。田村神社では、ぜひこのゆるかわいい古事記の絵をチェックしてくださいね。

▼参考にしました▼

漫画なのでわかりやすい&読みやすい!古事記入門におすすめの一冊です。


こちらは漫画ではありませんが、まんが古事記と同じタッチのかわいい挿絵があり、解説も多いので内容がわかりやすい。古事記や神さまについてもう少し詳しく知りたい方におすすめ!

雑記
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とくしま御朱印なび
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