讃岐一の宮・田村神社は、創建から1300年の歴史がある香川県を代表する神社。
由緒ある格式高い神社ながら、境内は御利益スポットがいっぱいで「テーマパーク系神社」と呼ばれています。
この記事では、田村神社の境内の御利益スポットをご紹介します。御本殿と境内社・宇都伎(うつぎ)社、素婆倶羅(そばくら)社をお参りしたあとは、境内をくまなく散策して田村神社の御利益をいっぱい授かってみては。
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田村神社は広い境内に御利益がいっぱい!
田村神社には表参道と裏参道がありますが、駐車場がそれぞれにあるのでどちらかに車を停めて参拝する形になりますよね。参拝のあとはそのまま引き返す形になりがちですが表参道と裏参道それぞれに見どころがあるので、時間に余裕があれば一周するのがおすすめです。
表参道から入り、裏参道へ向かうイメージで順路にある御利益スポット・見どころをご紹介します。
表参道ゾーン
表参道の駐車場に車を停めると、長い参道を通って田村神社の御本殿へと向かいます。
参道には狛犬がいっぱい。
鳥居すぐの狛犬は目がぱっちりしていて不思議なアニメ顔。新しそうに見えますが、意外と古くて寛政元年(1789年)製です。
続いて青銅のかっこいい狛犬、こちらは大正15年(1926年)製です。
参道の最後はクセが強い狛犬、天保13年(1842年)製です。
狛犬は一般的に向かって右が阿形、左が吽形の配置ですが、田村神社では逆でした。
狛犬の配置にはとくに規定がないそうで、阿吽が逆だったり両方阿形だったりとわりとフリーダムな模様。
「水神を祀る神社は阿吽が逆」「女神を祀る神社と男神を祀る神社で配置が違う」という説もありましたが、真偽は不明です。田村神社は水神をお祀りしているので、もしかしたらそうなのかも?程度で。
この長い参道を進むと随神門と手水舎があります。
手水舎は御本殿前にもあるので、清め忘れても安心。
見落としましたが、手水舎付近には「力石(ちからいし)」というものがあるそうです。米俵や材木の運搬を仕事としていた江戸時代の人が力くらべをするために担いだ石だとか。
力石は丸いものが多いそうですが、田村神社の力石は四角くて珍しいようです。
宇都伎社ゾーン
宇都伎社は衣食住を司る神がお祀りされていて、家内安全や生活守護の御利益があります。
金運アップの龍神さま
宇都伎社といえば鳥居前にある大きな龍神さまがシンボル、龍神さまには金運アップや商売繁盛の御利益があります。
周辺にも龍神さまがたくさん隠れています。
池に龍神さま。
岩にめりこんだ龍神さま。
縁結びのパワースポット「姫之宮」
宇都伎社前にある小さな「姫之宮」は縁結びのパワースポットと呼ばれています。
奥には縁結び祈願のために鍵をかけたり絵馬を奉納する場所もあります。
布袋さんと大黒さん
宇都伎社には金箔をはりつけて祈願する布袋さんと大黒さんがいます。
布袋さんの後に金箔つきのおみくじがあるので、貼りつけ方の説明を参考にどうぞ。布袋さんには円満な人間関係の御利益がありますよ。
宇都伎社前の大黒さんを回すと開運招福の御利益があります。
グルグル回すとなぜかテンションが上がる不思議。皆さん楽しそうに回していました。
素婆倶羅社ゾーン
素婆倶羅社は女性の守護神で、安産や病気平癒の御利益があります。
周辺の御利益スポットも安産に関するものが並んでいます。
安産子宝犬
犬は多産でお産が軽いことから安産祈願のシンボルとなっています。素婆倶羅社にも安産祈願の犬の像「安産子宝犬」がいます。
子犬だけ鎖でつながれているのが気になる。
小さな鳥居の「あわしまさん」
素婆倶羅社の左側には「一宮のあわしまさん」という小さな鳥居があります。
鳥居の隣に「あわしまさんは小さい神様 社も小さい お参りするときゃ鳥居も小さい くぐって参れ」と書かれていますが、鳥居はかなり小さくて子供や小柄な人じゃないと無理。
鳥居をくぐった先には男性のシンボルがそびえたっていて、あわしまさんには子授けの御利益があります。
あわしまさんの前には「はらみ石」という子授けの御利益がある石も。
一宮天満宮ゾーン
素婆倶羅社の右隣には「一宮天満宮」があります。
天満宮なのでもちろん菅原道真公がお祀りされていて、合格祈願や学業に御利益があります。
ダブルなで牛
一宮天満宮の前にはなで牛がいます。
天神さまにはつきものですが、田村神社ではダブルです。好きなだけなでまわせますね。
龍のようなもの
一宮天満宮に無造作に置かれている、龍のような蛇のような何か。
天然の木っぽいですが、自然にできたとは思えない変わった形をしています。
くぐって回して
一宮天満宮ゾーンで3つ目のなで牛。
なでるだけでなく、合格門をくぐって、牛がくわえている玉を回して御利益を授かれます。受験生の方はぜひ。
一宮稲荷ゾーン
赤い鳥居が印象的な一宮稲荷大明神ゾーンへ、商売繁盛の御利益があります。
千本鳥居のように赤い鳥居が続き、その先に小さな御本殿があります。
鳥居の両サイドにはシュっとした黒い狐さんが並んでいます。
狐さんはそれぞれくわえているアイテムが違います。
鍵や数珠などいろいろなアイテムがありますが、やっぱり小判を持った狐さんが大好き。
宮島社ゾーン
一宮稲荷の近くには芸能の神さまをお祀りした「宮島社」があります。
御祭神は市杵嶋姫命(イチキシマヒメノミコト)、広島の厳島神社から分霊されて建てられた神社です。宮島といえばしゃもじ、そういうことか。
宮島社の池には七福神が乗った宝船が。
船の中にはお賽銭が大量に投げ込まれています。
裏参道ゾーン
一宮天満宮の右隣には赤い鳥居が並び、ここを通ると裏参道側へ行けます。
通路の真ん中に何かいる…
でっかい獅子頭でした。
「さぬき獅子」といい、香川県で行われる獅子舞は他の地域と比べて動きが激しいのが特徴で、張り子の手法を用いてできた軽い獅子頭は独特なものだとか。
裏側に説明が書いてありました。
獅子頭の鳥居を抜けるとドヤ顔御祭神の像があり、再び赤い鳥居が並んでいます。
こちらには八咫烏(ヤタガラス)の像があります。
八咫烏は神話で神武天皇を導いた鳥で、三本足のカラスです。
その先には龍がまきついた鳥居があったり、
金ぴかの布袋さんがいたりとまだまだ盛りだくさん。
ようやく裏参道側の大鳥居に到着しました。
ここまで来ると、ゴールしたような謎の達成感を感じることができます。
この大鳥居のあたりが裏参道側の駐車場なんですが、駐車場にも気になるものがあります。
お子様でも読みやすい、ひらがなで書かれた古事記のあらすじ。これは田村神社の創建1300年を記念して作られたものです。
古事記のストーリーがわかりやすいのもいいですが、何より挿絵のセンスがキレッキレなので必見ですよ。
楽しそうに桃を投げる伊弉諾尊(イザナギノミコト)。
状況的には黄泉の国の追手から逃げる緊迫したシーンのはずが、めっちゃエンジョイしてる。
みそぎをして目から天照大神(アマテラスオオミカミ)と月読尊(ツクヨミノミコト)、鼻から素戔嗚尊(スサノオノミコト)が生まれたエピソード。
なんで素戔嗚だけ全裸なん?
エピソードは「国のはじめ」の1番から「天孫降臨」の13番まであります。
干支がいっぱい!
田村神社の境内には干支のオブジェもあります。
全部で3セットあるので探さなくても大丈夫、すぐに見つけることができます。田村神社らしく、干支の像を回したりできるアトラクション要素強めのタイプもあります。
メルヘンな感じでラブリーなこの干支の像がいちばんのお気に入りです。
まとめ
田村神社には御本殿以外にもたくさんの御利益スポットと見どころがあるのがおわかりいただけたでしょうか。
御朱印がいただけるのは御本殿と宇都伎社、素婆倶羅社の3社ですが、境内には他にも小さな神社が点在していて、それぞれに御利益があるのですみずみまでチェックしてくださいね。
この記事でご紹介したのがすべてではありません。写真を撮り忘れたものや見落としたものもあるので、ぜひご自分で参拝したときに探してみてください。
こんなに楽しめる神社は田村神社だけ、唯一無二の存在です。香川県に旅行に行くときはおすすめですよ。