八浄寺(はちじょうじ)は淡路島七福神霊場ではいちばん北側にあるお寺で、霊場の総本院となっています。境内には立派な山門やインパクトある大きな瑜祇塔(ゆぎとう)などがあり、いちばんお寺らしいお寺という印象。
淡路島七福神では大黒天をお祀りしていて、ハッピー券持参で拝観料200円を納めると本堂に上がって御本尊の前でお参りができます。
覚住寺→万福寺→護国寺→智禅寺→長林寺→宝生寺→八浄寺の順に巡礼
八浄寺へのアクセス
国道28号線からすぐの場所にあり、道路からは八浄寺のシンボルの赤い瑜祇塔も見えます。
八浄寺の駐車場
参拝者が無料で利用できる大型駐車場があります(普通車100台)。
公共交通機関でのアクセス
淡路島には鉄道がないため、車以外で行く場合は路線バスを利用します。
■淡路交通縦貫線(岩屋-洲本)に乗車し「佐野学校」バス停で下車、約270m
■高速バスの場合
- 高速舞子→東浦バスターミナル
- 東浦バスターミナルから東浦津名線津名港行きに乗車し「佐野小学校前」バス停で下車、約480m
八浄寺の御朱印
淡路島七福神の専用納経帳を購入しました。
専用納経帳には最初から墨書きと印が押されていて、左上の日付印のみ押していただきます。
普通の御朱印帳を持参して書いていただくこともできます。納経料は300円ですが、専用納経帳の場合は納経料込みなのでお寺ごとの支払いはありません。
御本尊の御朱印もあります
八浄寺は淡路四国八十八か所霊場第64番札所でもあるので、七福神以外の御朱印もいただけます。御本尊の御朱印も納経料は300円です。御影(おすがた)つきですが、四国霊場よりやや大きめでした。
八浄寺のお接待
八浄寺のお接待は花の種とマッチでした。
花の種は季節によって違うそうで、私がいただいたのはヒマワリの種。種を植えて花が咲いたら写真を撮り、八浄寺に送ると記念品をいただけるそうです。お説法のとき、過去に送られて来たお花の写真を見せていただけました。
令和2年からマッチの箱が青い色に変わっています。
八浄寺の納経受付時間
八浄寺の納経受付時間は8:00~17:00までです。
八浄寺について
應永年間(一三九四~)開基心了(しんりょう)法師の阿弥陀如来造立に始まり、弥陀の極楽浄土信仰として盛えるも、時代の推移とともに寺運も衰微し、延宝年間(一六七三~)に盛奝(せいちょう)上人が円融山浄満寺を中興され、後に八幡神社別当寺の平松山八幡寺と合併して、蓮台山八浄寺と改称されました。
六百余年の寺歴を重ねる堂宇の再建を発願し、津軽のヒバ材を以って、名匠宮大工大室勝四郎によって、伝統の木造建築の粋を集めた本堂が五年の歳月をかけて平成元年九月に落慶致しました。(八浄寺パンフレットより引用)
八浄寺は室町時代の応永年間(1394年~1428年)創建といわれ、およそ600年の歴史があるお寺です。
延宝年間(1673年~1681年)に盛奝(せいちょう)上人が浄満寺を中興し、八幡神社別当寺の平松山八幡寺と合併して「八浄寺」となりました。浄満寺の「浄」と八幡寺の「八」から一字ずつとって「八浄寺」となった模様。
正式には蓮台山(れんだいざん)八浄寺(はちじょうじ)といい、高野山真言宗のお寺で、淡路島七福神霊場第2番、淡路四国八十八か所霊場第64番札所となっています。
八浄寺の御本尊
大黒天はインド出身の神さま。日本に来てからは大国主命(オオクニヌシノミコト)とドッキングし、同神とされるようになりました。五穀豊穣や財宝の神として信仰されています。
八浄寺の本堂に安置されている大きな大黒天像は高さが2m以上あり、木造としては日本一大きいもの。彩色があってかなりゴージャスです✨
ゴージャス大黒天のさらに奥のお厨子に安置されている「開運甲子大黒天」の像は秘仏で、年に3回だけ開帳されています。淡路島七福神の宝印帳にある御影に似たお顔立ちで、黒い仏像だとか。
大黒天の脇侍として、毘沙門天と弁財天がお祀りされています。こちらはお厨子が開いていて、拝顔できました。扁額もセンターに大黒天、左に毘沙門天、右に弁財天となっています。
お寺の御本尊は阿弥陀如来で、こちらは淡路四国の札所本尊です。
八浄寺の見どころ
八浄寺で個人的に気になる&おすすめの見どころを写真つきでご紹介します!参拝される前にチェックして参考になさってくださいね。
仏心開花の門
八浄寺には立派な山門がありました。立派な瓦屋根には龍やシャチホコがいて、にぎやかでした✨
この門は「仏心開花の山門」と名づけられています。門の敷石は蓮の花の形になっていて、これは仏の慈悲の心を表しています。一瞬、これが蓮の花…?と思いましたが、真ん中を見るやっぱり蓮の茎っぽい形でした。
こちらの敷石の裏面には光明真言が刻まれていて、この真言には厄難を取り除き福徳を授けるという功徳があります。
しっかりと蓮の花の上を歩いて門をくぐりましょう🤗
謎の切り株
境内には巨大な切り株が置かれていました。看板によると「寶塔心柱育ての根元(ねっこ)」というもの。
大日如来の三摩耶形(さんまやぎょう)であり寶塔の揺れを吸収し安定を司る重要な役割を果たす心柱の根元です。気象条件の厳しい厳しい雪深き青森県北津軽郡の国有林の密林に小さな一粒のヒバの種子が三百八十余年の年月をかけて育ててくださった尊い根元です。手に触れて大気のパワーを頂いて下さい。
(立て看板より引用)
「寶塔(ほうとう)」は瑜祇塔のことなので、おそらく境内にある瑜祇塔を建立するときに心柱となった木の根元です😲
この切り株は瑜祇塔のすぐ側に置かれているので、樹齢380年のこんな大きな木があの塔を支えているのかと実感できます。さわると手のひらにじんわりとした温かさを感じて不思議でした。絶対パワースポット的なやつ✨
立派な切り株なのに、ところどころにお賽銭の小銭が押し込まれているのが気になる。
七福神が勢ぞろいする手水舎
八浄寺にあるのは七福神が勢ぞろいしたぜいたくな手水鉢、その名も「福手水」。こちらの水はセンサー式なので、近づくと自動で出てきます。
七福神それぞれ水の勢いが違うので、必ずしも押しメンから水を受けることはできないかも😂
「回り弁天」発祥の寺
手水舎の隣には弁財天がソロでお祀りされていて、台座には「念ずれば花ひらく」という有名な詩が刻まれていました。この弁財天には願望成就の御利益があります👏
弁財天といえば、八浄寺は淡路島の奇祭「回り弁天」発祥の寺でもあります。
立派な本堂
八浄寺は淡路島七福神のお寺のなかでいちばん境内が広く、本堂もいちばん立派な印象でした。本堂は平成元年(1989年)落慶の比較的新しい建物です。
屋根には鬼瓦の代わりに七福神の顔がついていて、めでたい感じですが妙にリアルな人面なのでちょっとした不気味さもあり…。
こちらは毘沙門天と弁財天と大黒天が並んだ贅沢な面です。他に布袋尊と恵比須さんもいましたが、寿老人と福禄寿は見つけられなかったです。反対側にいるのかな?💦
本堂での読経タイム
本堂に入ると右奥に「受付」と書かれたスペースがあり、そこでハッピー券の提出と住所氏名などの記帳をしました。記帳は淡路島七福神では唯一でしたが、八浄寺は霊場の事務局なので他のお寺とは違うのかも。
お勤めの作法は七福神霊場共通で、二拍手→般若心経→御真言→二拍手の順にご住職と一緒に唱えます。
まか=すごい、ぎゃらや=黒いという意味だとか。すごいが「大いなる」「大きい」に転じて、大黒天となったそうです。わりとストレートなネーミングなんですね…。
お説法をしてくださったのはお若い方でしたが、ご住職でしょうか。かなり話し慣れている感じで、大黒天の御神徳だったりお寺のことだったり、とてもわかりやすく楽しくお話を聞くことができました。
こちらの僧侶の方は四国八十八か所霊場第20番札所鶴林寺(かくりんじ)に2年間おられたそうで、『徳島と聞くと懐かしくなります』と言われていました。
瑜祇塔は八浄寺のシンボル!
私が参拝した2019年4月上旬は残念ながら八浄寺のシンボル瑜祇塔は工事中で、外観も見られませんでした。さすがに今はもう終わっていると思います。
この工事は建立20年を記念して2019年3月から9月までの日程で行われていたもので、2020年1月の参拝では美しく生まれ変わった瑜祇塔を見ることができました。修復が終わったばかりなので、朱色が鮮やかです。
八浄寺の瑜祇塔は「瑜祇七福宝塔(ゆぎしちふくほうとう)」と呼ばれていて、平成11年11月11日11時11分、大吉祥日に落慶した超絶ラッキー感あふれるもの。
内部には仏舎利や中国から来た水晶、スリランカから来た仏足石など宝物が盛りだくさんで、仏教絵画が色鮮やかに描かれているとか。事前予約が必要ですが、雨天以外であればいつでも内部に入ることができるそうです。
瑜祇塔は御本尊の御開帳に合わせて開扉されているそうなので、内部の様子をうかがうことができます(中に入ることはできません)。ぜひ日程を合わせて参拝してみては。
大師堂
手水舎の隣にあるお堂は大師堂。
八浄寺は淡路四国八十八か所霊場の札所でもあるので、弘法大師がお祀りされています。大師堂はふだん扉が閉まっていて、中に入ることはできません。わりと新し目なお堂で、外観も内陣もきれいでした。
お砂ふみできます
本堂の左奥には弥勒堂と、四国八十八か所霊場のお砂ふみができるお堂があります。
1200年以上の歴史がある四国八十八ヶ所霊場巡りですが、昔は今のように交通の便も発達しておらず、遍路の旅を願いながらも様々な事情で叶える事ができない方が大勢いました。
そこで約400年前に考えられたのが「お砂踏み」です。
各霊場のご本尊様の写し仏をお祀りし、持ち帰った八十八ヶ所霊場のお砂を踏みながら礼拝することで、お四国を巡ったことと同じ功徳をいただけると考えられてきました。
この「お砂踏み」を用いた「写し霊場」は盛んに日本各地に設けられ、今でもお遍路に出掛けられない人々を迎えています。
お砂ふみをする場合は本堂内の売店でお砂ふみ用の納め札をいただき、お賽銭用の小銭も両替していただけるそうです。時間の都合でできませんでしたが、次回の参拝ではやってみたいです。
人気のお守りは要チェック!
「開運甲子大黒天御守り」はお説法のなかでも説明がありますが、身代わり守りや金運アップのお守りとして人気だそうです。
お守りの説明はこちら💁♀️
那智黒天然石は厄難除きの縁起石といわれ、その石に開運招福。厄難消除の誓願をもつ秘佛大黒天を謹刻護摩秘宝により御加持開眼す。霊験の顕なること実に不思議なり。御守りにきず、われが生じたる時は御身代わりの印なれば速に当寺に返納の上、更に新しき御守りを受けて下さい。
白ねずみは大黒天の使者、ねずみの繁殖のように金銭倍増、利益増大をもたらす。この御守りは財布に入れて所持下さい。(大黒天御守りの説明書きから引用)
表は大黒さん、裏には白ねずみの絵が描かれた小さなお守りです。
絵柄は微妙にひとつひとつ違うので、お気に入りを選んでください。石っぽいツルツルした質感で固いですが、持ち主の身代わりとなって割れたりヒビが入るそうです😲
石ですが厚みはなく、それほど大きくもないので財布に入れるのにちょうどいいサイズでした。
特別なお札をいただこう!
八浄寺では毎年1月26日から2月3日までの期間限定限定で、「初大黒天祈願札」という特別なお札の授与もあります。
こちらは1月26日の大黒天の初縁日に行われる護摩秘法によって祈願されたお札で、表には御本尊の開運大黒天のお姿が描かれています。左の黄色いのがお札、右はお札が入っている袋で、裏側にはお札の祀り方が書かれています💁♀️
一、此御尊影は一月二十六日尊天初縁日に開運大黒天護摩秘法により祈願した御宝祷です
一、御尊影を受けられた方は二月四日立春の早朝に自家に入り口中央上にお祀(ハリツケル)下さい
尚御進学・御産婦・御病気の方は各人の寝室の柱にはりつけて下さい
一、一ケ年の御加護を感謝され、御尊影を取りはずし当山にお送り下さい
一、当山では感謝供養護摩を修行いたします開運大黒天のご真言
おん、まか、ぎゃらや、そわか。
この御真言を毎日お唱えし、ご守護をお祈念下さい。
(御尊影の祭り方から引用)
このお札は立春の翌日、つまり2月4日に玄関に貼ります。通常は玄関の内側に貼りますが、合格祈願や安産祈願、病気平癒祈願などで受ける場合はその人の寝室の柱に貼る、とのことです。
1月26日から2月3日の期間外にも、この開運大黒天の絵が入った別のお札の授与をしています。
まとめ
八浄寺は淡路島七福神霊場の総本院で、広い境内にはいろいろなお堂があり、珍しい瑜祇塔もあるお寺でした。霊場の事務局を務めていて、神戸方面からいちばん近いお寺なので八浄寺からスタートする方が多いそうです。
御本尊の開運大黒天は秘仏で、年に3回1月、5月、11月の各26日に御開帳されています。御開帳に合わせて、瑜祇塔も開扉されているので、ぜひ予定を合わせて参拝したいですね😆
おすすめのお立ち寄りスポット
八浄寺の近くで御朱印がいただける神社仏閣や、あわせて行きたいおすすめスポットをまとめました。
宝生寺
八浄寺からいちばん近い淡路島七福神のお寺が寿老人をお祀りしている宝生寺(ほうしょうじ)です。
🚙八浄寺から約10km
賀茂神社
賀茂神社ではかわいい八咫烏(やたがらす)の御朱印やお守りがいただけます。
🚙八浄寺から約3.5km