高知県高知市|土佐神社は癒しのパワースポット!「しなねさん」で親しまれる土佐国一の宮

高知の御朱印

土佐神社は土佐国の一の宮、高知市では「しなねさん」という愛称で親しまれる古社。

高知市の市街地からは少し離れた場所にありますが、幹線道路沿いなので交通量は多いです。しかし、鳥居をくぐると別世界のように静寂に包まれていて、癒しのスポットでした。

社殿の奥は「志那祢(しなね)の森」という散策コースになっていて、パワースポットといわれています。

3月12日の「斎籠(いごもり)祭」という神事では1日中境内への立ち入りが禁じられ、参拝者は鳥居からの遥拝となります。
3月11日18:00~3月13日7:00までが立ち入り禁止期間なので、3月に参拝する場合は日程にご注意を。
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土佐神社へのアクセス

県道384号線沿いの目立つ場所に楼門があり、周囲には案内標識もあるのでわかりやすいです。

高知自動車道高知インターから1.8km、JR高知駅から4kmくらいの場所にあります。

土佐神社
〒781-8131
高知県高知市一宮しなね2丁目16-1

土佐神社の駐車場

土佐神社には無料で利用できる大型駐車場があり、楼門の横のやや細い道を通り抜けると駐車場が見えてきます。

公共交通機関でのアクセス

・JR高知駅からJR土佐一宮駅へ、徒歩19分

・JR高知駅からとさでん交通バスに乗車し「土佐神社前」バス停で下車、徒歩5分

土佐神社の御朱印

土佐神社は拝殿の手前に大きな授与所があり、そこで書いていただけます。初穂料は300円です。

御朱印帳は参拝前に預けて帰りに受け取るというシステムでした。

★土佐神社はオリジナルの御朱印帳あり。表紙が杉でできた珍しい木製のものと、一般的な布製で家紋デザインの2パターンがあります。

土佐神社の社務所受付時間

土佐神社の社務所受付時間は8:30から17:00までです。

土佐神社について

正確な創建年は不明ですが、雄略天皇の時代である5世紀後半(460年頃)といわれ、おそらく高知県で一番古い神社と思われます。

土佐神社については日本書紀や土佐国風土記にも記述があり、古くから土佐国の総鎮守として崇敬されています。土佐国を治めた歴代の領主からの信仰が篤く、とくに土佐の戦国武将・長宗我部元親公と土佐藩主・山内家から多くの寄進を受けました。

「土佐大神」「土佐高加茂大社」、「高加茂大明神」などとも呼ばれていて、現在の「土佐神社」という名称は明治以降の呼称です。高知では「しなねさん」や「しなね様」、「一宮(いっく)さん」として親しまれています。

神仏習合時代は四国霊場の札所で、納経は神宮寺や別当時(現在の善楽寺)で行っていました。

敷地はおよそ1万坪という広大さで、社殿の奥に広がる「志那祢(しなね)の森」を散策することもでき、高知県きってのパワースポットといわれています。

坂本龍馬が主役の大河ドラマ「龍馬伝」では土佐神社もロケ地になりました。

歴史などについて、詳しくは土佐神社の公式サイトで。

長宗我部元親ゆかりの神社

土佐神社といえば、長宗我部元親(ちょうそかべもとちか)公。

現在の社殿は元親公が寄進して建て替えたもので、参道にもこんな看板がありました。元親公は桂浜近くの若宮八幡宮で初陣の戦勝祈願をし、土佐神社には凱旋報告として参拝、その後も戦のたびに参拝しています。

土佐神社には元親公が納めたといわれる木札が当時のまま完全な姿で10枚残されていて、神社で保管されています。

土佐神社の御祭神

御祭神は古くは「土佐大神」といわれていました。「続日本紀」では奈良の葛城で雄略天皇と出会った「高鴨神」が不遜な態度で天皇の不興を買い、土佐に流されています。この高鴨神が土佐大神であるとされていました。

現在は土佐大神ではなく味鋤高彦根神(アジスキタカヒコネノカミ)と一言主神(ヒトコトヌシノカミ)の2柱が御祭神となっています。

  • 味鋤高彦根神は大国主(オオクニヌシ)の御子で、「迦茂(カモ)大神」ともいう。
  • 一言主神は「一言で物事を解決する」という託宣の神で、事代主命と同神という説もあり。

土佐神社には厄除け・縁結び・家内安全・交通安全・諸願成就の御利益があります。

土佐神社の見どころ

楼門から続く長い参道

県道に面した楼門、かなり大きくて迫力があります。

この門は「神光門」といい、寛永8年(1631年)に2代藩主山内忠義公が建立したもので、国の重要文化財に指定されています。

網があるのでわかりにくいですが、門には随神のお姿が。この像は昭和47年(1972年)に奉納されたものです。

向かって左側にいるのがおじいちゃんの左大臣、右側にいるのが若い右大臣のはずですが、土佐神社の随神は口が阿吽の形になっていて、阿吽だと逆になる。不思議。

楼門から拝殿までは長い参道が続いていて先が見えないほど。門から鳥居までの距離は300メートルほどだそうですが、もっと長く感じました。

この門の前は広いスペースになっていて、藩主が参勤交代のときに休憩するスペースだったとか。今でも高知では待ち合わせスポットとなっているそうですよ。

楼門前にある社号標の大きな岩はこのあたりにあった「一宮古墳群」の天井石の一部で、明治時代に国道を通すために解体した古墳の一部を転用したもの。

大鳥居

大鳥居からは拝殿がきれいに見えます。鳥居の脇にある社号標の文字は橋本龍太郎元首相の書。

この鳥居の手前が駐車スペースとなっていて、車で行くとスムーズに参拝できますよ。

土佐神社の鳥居の扁額

鳥居の扁額は近衛文麿による書。

鳥居脇の秋葉神社には火之迦具土神(ヒノカグツチノカミ)がお祀りされています。

藩主寄贈の鼓楼

鮮やかな朱色の鼓楼(ころう)も2代藩主山内忠義公が寄進したもの。慶安2年(1649年)に建立され、こちらも国の重要文化財に指定されています。

お寺ではこんな感じの建物の中に鐘がありますが、こちらは時を知らせるための太鼓があるそうです。だから「鐘楼」ではなく「鼓楼」なんですね。

二層目には山内家の家紋「三つ葉柏」がありました。

長宗我部元親が寄進した拝殿

入りトンボ様式という珍しい形の社殿

元亀元年(1570年)に長宗我部元親が社殿を建て替え、国の重要文化財に指定されています。「入りトンボ様式」という珍しいもので、拝殿・幣殿・本殿が十字に配置されていて、トンボが飛び込む姿に見立てています。

ただし、地上から見ると十字になっているのは何となくわかりますが、「トンボが飛び込む姿」というのはぜんぜん想像がつきません。残念。

★土佐神社ホームページに上空から撮影した社殿の写真があります。

拝殿前に敷かれた謎のレールは、お祭りなどで多くの人が参拝するときに拝殿前の賽銭箱を移動させるための珍しいもの。土佐神社は毎年3万人以上が初詣に訪れる人気スポットなので、初詣シーズンにはさらに大きな賽銭箱がセッティングされるそうですよ。

フルオープンな拝殿では、珍しい陶器の狛犬が鎮座しています。

この狛犬は慶応2年(1866年)に奉納された備前焼で、ひとつは盗難にあってしまったそうです。一見、阿形のほうが新しそうに見えますが実はこちらのほうが古くて、吽形が平成23年(2011年)に作られたニューフェイスだそうです。

拝殿には靴を脱いで上がることができ、内部をじっくりと見学できますよ。

拝殿の扁額は個性的なフォントが素敵。

 

鮮やかな朱色の御本殿

御本殿は鮮やかな朱色が華やかでした。

御神木くぐれます

絵馬殿の前あたりにある「輪抜け祓所」には大きな切り株が置かれています。これが根元なので、どれほどの大木だったのか実物を見てみたかったです。

樹齢800年を超える杉の木の御神木でしたが、倒れそうになっていたためやむなく伐採されたそうです。この輪をくぐると、心身が清められ、大木の長寿やたくましさを授かれる御利益があります。

くぐり方の作法については図があるのでわかりやすく、「茅の輪くぐり」のような8の字型でした。

「志那祢の森めぐり」で癒される

社殿の周りをぐるっと一周する「志那祢(しなね)の森めぐり」コースが設定されています。一周10分くらいのちょうどいいコースですが時間の都合で全部は回れず、本殿奥の御神木とつぶて石が見られませんでした。

高知きってのパワースポットと名高い土佐神社では、この「志那祢の森」で大自然のパワーが感じられるといわれています。ムササビの巣があって、夕方の暗くなる時間帯にはムササビが飛ぶ姿も見られるそうですよ。

摂社にもお参りしよう

摂社の鳥居

拝殿の隣に小さな鳥居があり、その奥には摂社が並んでいます。

社殿の奥にある摂社

センターにある一番大きな「西御前神社」は御祭神が不明ですが、家庭円満の御利益があります。

摂社の大国主神社

西御前神社の右奥には大国主神社。御祭神は大国主命で、商売繁盛と諸業繁栄の御利益があります。

摂社の事代主神社

西御前神社の左奥には事代主神社。御祭神は事代主命で、商売繁盛と諸業繁栄の御利益があります。

御神木

「志那祢の森めぐり」の看板にある本殿奥の御神木は残念ながら時間の都合で見られませんでしたが、御神木はこの木だけではありません。

厳島神社の左側の小道を奥のほうへ入って行くと、幹周り9mの樹齢200年の楠がありますよ。

一本だけ注連縄が巻かれているのですぐにわかります。さすが幹周り9メートル、かなりの大きさでした。

見上げても先が見えないほどです。

つぶて石

現物は見られなかったので、情報だけ。

「つぶて石(礫石)」は古代の磐座とされ、とても神聖な場所。つぶて石がある場所が土佐神社最強のパワースポットだとか。長さ3.3メートル、幅2.5メートル、高さ1.7メートルのとても大きな石です。

昔々、土佐大神が神社を移すのにちょうどいい場所まで飛んでけー!と投げたのがこの石だそうで、14里離れたこの地でとどまったといわれています。現代でも40kmくらい離れていますが、神さまなので余裕ですね。

ちなみに、土佐大神が石を投げた場所は須崎市の鳴無(おとなし)神社で、鳴無神社は土佐大神が土佐に流されたときにたどりついた場所といわれています。

つぶて石の奥には天照大神と豊受大神がお祀りされた「神明宮」があり、昔は伊勢神宮の遥拝所でした。

みそぎ岩

みそぎ岩

もともとは禊神事を行う川にありましたが、河川改修工事のため土佐神社に移されました。大きな2つの岩の間には小さな川?が流れています。

みそぎ岩には「祓いの神(祓戸四神)」がお祀りされていて、人々の身心を清める御利益があります。

  • 瀬織津比売(セオリツヒメ)
  • 速開都比売(ハヤアキツヒメ)
  • 気吹戸主(イブキドヌシ)
  • 速佐須良比売(ハヤサスラヒメ)

厳島神社

放生池には厳島神社がお祀りされていて、池にかかる小さな橋を渡ると小さなお社があります。

厳島神社には縁結びの御利益があり、宗像三女神がお祀りされています。

  • 田心姫神(タゴリヒメノカミ)
  • 湍津姫神(タギツヒメノカミ)
  • 市杵島姫神(イチキシマヒメノカミ)

すぐ隣には30番札所も!

土佐神社のすぐ隣には四国八十八か所霊場第30番札所善楽寺(ぜんらくじ)があります。

神仏習合時代は土佐神社の別当寺でしたが、明治時代に神宮寺とともに廃寺となりました。神仏分離のゴタゴタで長らく30番札所が2か寺ある状態が続いていましたが、現在は善楽寺が正式に30番札所となっています。

まとめ

土佐神社は広い境内に見どころがいっぱいの神社でした。

高知きってのパワースポットといわれるだけあって、自然豊かな「志那祢の森」を散策すると心が落ち着いてリラックスできますよ。

すぐ隣には四国霊場の30番札所もあるので、高知駅近郊の御朱印めぐりではぜひ訪れたいスポットです。

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