徳島県鳴門市|第九日本初演の地!ドイツ館で板東とドイツの友好の歴史を学ぶ

徳島の観光

ドイツ館は板東俘虜(ばんどうふりょ)収容所に収容されていたドイツ兵捕虜の暮らしや文化を伝える施設です。

内部はよくある資料館なので好みが分かれると思いますが、ミュージアムショップではドイツビールやドイツのお菓子などが購入できるので、珍しいお土産を探している人にもおすすめですよ。

ドイツ館はこんな人におすすめ
・地域に根差した文化や歴史が好きな人
・第九初演を再現した等身大の人形が奏でる「第九オーケストラ」があるので音楽が好きな人
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ドイツ館へのアクセス

鳴門市ドイツ館は大麻比古神社や四国八十八か所霊場第1番札所霊山寺の近くにあり、観光のついでに立ち寄ることもできる便利な場所です。

鳴門市中心部から車で20分程度、県道12号線沿いにはドイツ館の案内標識がいくつかあります。

高速道路を利用する場合、各インターからの時間の目安は以下のとおりです。

  • 神戸淡路鳴門自動車道鳴門北インターから40分
  • 高松自動車道板野インターから10分
  • 徳島自動車道藍住インターから15分
鳴門市ドイツ館
〒779-0225
徳島県鳴門市大麻町桧東山田55-2

ドイツ館の駐車場

ドイツ館には無料で利用できる駐車場があります(合計100台分)。

駐車場は「道の駅第九の里」と共通で、第二駐車場もあるのでイベント時など混み合うときでも停められないということはありません。

公共交通機関でのアクセス

ドイツ館は最寄り駅からは少し距離がありますが、公共交通機関を利用して行くことができます。

JRを利用する場合

  • 最寄り駅はJR高徳線板東駅、駅から徒歩20分

バスを利用する場合

  • JR鳴門駅から鳴門大麻線に乗車し、「ドイツ館」バス停下車すぐ

高速バスを利用する場合

  • 高松自動車道鳴門西バスストップから徒歩15分

ドイツ館について

鳴門市ドイツ館は大正6年~大正9年(1917年~1920年)に板東俘虜収容所に収容されたドイツ兵捕虜の生活の様子や地域住民との交流の歴史を伝える資料館で、昭和47年(1972年)にオープンしました。

第一次世界大戦中、中国・青島(チンタオ)で捕虜となったドイツ兵4000人が日本で収容されることとなり、そのうちのおよそ1000人が板東俘虜収容所で3年間生活をしていました。板東俘虜収容所は一般的にイメージするような過酷な収容所ではなく、捕虜の人格を尊重し、人道的に扱うことが徹底されていました。

開館にあたっては板東俘虜収容所で過ごした元ドイツ兵捕虜の方々からも寄付金や当時の写真、手紙などが多数寄贈され、館内に展示されています。資料のほか、収容所をミニチュアや原寸大で再現した建物でドイツ兵の暮らしを見ることができます。

ドイツ館の外観は姉妹都市であるドイツのニーダーザクセン州リューネブルグ市の市庁舎をモデルにしています。

鳴門市ドイツ館
開館時間:9:30~17:00(最終入館は16:30)
観覧料金:大人400円、小中学生100円
休館日:第4月曜日(祝日の場合は営業)、12/28~12/31
公式ホームページ:鳴門市ドイツ館

※ドイツ館内部の写真撮影は原則禁止となっています。

ドイツ館は松江豊寿所長抜きには語れない!

板東俘虜収容所が「模範収容所」と呼ばれ、ドイツ兵と地域住民との温かい交流が生まれたことは松江豊寿(まつえ・とよひさ)所長の存在あってこそ。松江所長は映画「バルトの楽園」でも主人公として描かれています。

松江所長は戊辰戦争で降伏した会津藩士の悔しさや悲惨さを周囲の大人から聞いて育ちました。ドイツ兵捕虜受け入れ前には捕虜を人道的に扱うことを決意し、『武士の情けをもってむかえようじゃないか』と部下たちに伝えたといいます。ときには軍の上層部にケンカ腰でかけあい、捕虜たちができるだけ不自由のない生活ができるように努めました。

松江所長の博愛精神により捕虜たちは収容所内で自立的な生活をし、ドイツ語の新聞を発行したりスポーツを楽しんだりすることができました。

また、ドイツ兵たちは兵士に志願する前の職業でつちかったパン作りや酪農、建築などの技術を板東の人々に伝え、住民は彼らを「ドイツさん」と呼んで慕っていました。技術指導をする際に外出するときも見張り役はおらず、収容所の外を自由に出歩くことができ、賃金もきちんと支払われていて当時の日本の庶民よりも裕福だったとまでいわれています。

ドイツ館前にある松江所長の彫像は、第九初演から100周年を記念して平成30年(2018年)に作られたもの。

ベートーベン第九アジア初演の地

この板東の地はベートーベンの第九が日本で初めて演奏された場所。

今では年末の風物詩ですが、それがおよそ100年前に徳島で初めて演奏されたもの、というのは意外ではないでしょうか。

鳴門市では6月1日は「第九の日」として、毎年6月の第一日曜日に第九コンサートが開かれています。鳴門市の子供はドイツ語で「歓びの歌」を歌えるほどで、地域の歴史として大切に受け継がれています。

2018年6月1日は初演から100周年を記念してドイツ兵捕虜の子孫も多数来日し、鳴門市民と合唱する大規模なイベントもありました。

ドイツ館でも、等身大の人形による第九初演コンサートの再現を見ることができます。収容所にない楽器や女声パートは編集して工夫するなど、ドイツ兵捕虜たちがコンサートを開くまでのエピソードを30分にわたって紹介する「第九シアター」はいちばんの見どころ。

ドイツとの友好の歴史を伝える場所

ドイツ館は板東俘虜収容所に収容されたドイツ兵の暮らしや文化を後世に伝えるための施設で、戦争の悲惨な歴史ではなく、板東の住民と友好的に交流をした「ドイツさん」の歴史を見ることができます。

鳴門市とリューネブルグ市は板東俘虜収容所でのできごとを「ユネスコ世界の記憶遺産」へ登録できるよう、共同で目指しています。

また、毎年10月頃からドイツ館の周辺に咲くコスモスは板東俘虜収容所に植えられていたもので、鳴門市にはたくさんのコスモス畑があります。10月~11月にかけてが見ごろで、「コスモス祭り」も開かれています。

ドイツを楽しむイベントがいっぱい!

ドイツ館では、年に数回ドイツにちなんだイベントも開かれています。

ドイツビールやワイン、コーヒー、ソーセージ、バームクーヘンなどドイツのグルメと徳島のハンドメイド作家さんや雑貨屋さんの出店もあり、にぎわっています。

ドイツ館のイベント開催時期
5月 フリューリングフェスト
8月 ドイツビールフェア
9月~10月 ドイツグルメッセ、ドイチェスフェスト
12月 クリスマスマーケット、ドイツ館イルミネーション など

ミュージアムショップもあります!

ドイツ館のミュージアムショップにはドイツのお菓子のほか、ドイツ館オリジナルグッズもいろいろあります。ドイツ製のワインやビールの種類も多いので、お酒好きな人はぜひチェックしてみてくださいね。

ドイツさんとの交流を描いた絵本や第九にちなんだ音符や楽器の形をしたかわいい和三盆糖など、ここでしか買えないものをお土産にいかがでしょうか。

ドイツ館オリジナルの和三盆糖は2種類あって、ひとつはこんな感じです。もうひとつも楽器モチーフですが微妙にデザインが違いました。

絵本は「ヤー、トモタチ」というタイトルで、ドイツさんと板東の子供たちの交流を描いています。

1300円(税抜き)とそこそこのお値段ですが、Amazonなどネット通販ではほとんど取り扱いがなく、ドイツ館か鳴門市へのふるさと納税でしか入手できないレアアイテムですよ!

鳴門に残るドイツとの友好の証

鳴門にはまだまだドイツ兵との友好の歴史を体感できる場所があります。

大麻比古神社

阿波一の宮・大麻比古神社の境内にはドイツ兵たちが作ったアーチ形の橋があります。

友好の証として何百年も残るようにと、母国の技術を駆使して作られたもの。ドイツ館のすぐ近くなのでおすすめですよ。

道の駅「第九の里」

ドイツ館に隣接する道の駅「第九の里」の建物は板東俘虜収容所で実際に使われていたものです。

内部には物産館と軽食が食べられる喫茶コーナーがあります。ドイツ館には飲食店がないので、見学のあとは立ち寄ってみては。

まとめ

鳴門市とドイツの交流の歴史が楽しく学べるドイツ館ですが、観光のメインとしてはちょっと弱いかもしれません。周辺には大麻比古神社や霊山寺などの観光スポットがあるので、コースに組み込んでみてはいかがでしょうか。

また、ドイツのグルメイベントや第九イベントなどがある時期の訪問もおすすめですよ。

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