地福寺(じふくじ)は徳島市のすぐ西隣、石井町にある小さなお寺。
地域密着型の一見どこにでもある雰囲気のお寺ですが、毎年4月中旬から5月上旬にかけてなぜか数万人が徳島県内外から訪れています。お目当ては藤の花!地福寺の境内には樹齢200年を超える大きな藤棚があり、徳島では「藤のお寺」として知られています。
ふだんは参拝する人がほとんどなくひっそりとしたお寺ですが、阿波六地蔵霊場の第1番札所となっているので御朱印をいただけますよ💁♀️
地福寺へのアクセス
地福寺は国道192号線から少し奥まった場所にあり、周辺に案内がないので場所がわかりにくいかも。
徳島市中心部から車で20分程度の場所にあり、国道192号線を鴨島・池田方面へ進み、県道34号線の交差点のひとつ手前の細い道を北へ入ります。
地福寺の駐車場
境内にも乗り入れ可能。お寺の北側に駐車場もあり、料金は無料です。
公共交通機関でのアクセス
交通インフラが貧弱な徳島では珍しく、駅が近くてアクセス便利なお寺です。
・JR徳島線石井駅から約200m、徒歩3分
地福寺の御朱印
阿波六地蔵霊場第1番札所の御朱印がこちら。「身代り地蔵尊」と書かれています。納経をすると、カラーの御影もいただけます(右ページに貼付)。
本堂の中に納経所があり、普段は扉が閉まっていますが呼び出し用のボタン完備でした。
阿波六地蔵の専用納経帳
霊場専用の納経帳があったので購入、さすが第1番札所。
この専用納経帳は四国霊場のように直接墨書きするのではなく、あらかじめ印刷されたものに各お寺で朱印のみ押していただくシステムです。御朱印にはカラーの御影(おすがた・おみえ)がセットになっていて、専用納経帳には御影を貼るページがあります。
阿波六地蔵は霊場としてマイナーなので情報がほとんどなく、納経受付時間などは不明です。地福寺では霊場のパンフレットをいただきましたが、とくに記載なし。
地福寺について
- 1596年-1615年(慶長年間) – 宥智上人によって開基。
- 1789年-1801年(寛政年間) – 住職の隆淳上人が、寺院内の庭に一株の藤樹を植えた。
- 1814年(文化11年) – 徳島藩に仕えた右大臣・藤原実起が来遊し、当寺の藤樹の歌を詠んだ。
- 1897年(明治30年) – 祥塔上人が白藤を加え、当寺の藤の花が現在の姿になる。
(Wikipedia地福寺(徳島県石井町)より引用)
地福寺には公式ホームページがあるんですが、歴史などについては記載がなく、Wikipediaでもまさかの箇条書きで詳しいことはわからず😂
正確な創建年数は不明ですが、元亀年間の1570年頃にはすでに「古寺」といわれていました。
寛政年間(1789年~1801年)に中興の祖・8代住職隆淳上人が植えた一株の藤の花が大きく育ち、今もお寺のシンボルとして残っています。
文化11年(1814年)に徳島藩に仕えた右大臣・藤原実起が地福寺に訪れて、藤の花の見事さを「この寺に紫ふかく いく世々か さかりふりせず 匂ふ藤なみ」と詠んだ記録が残っています。
正式には宝珠山(ほうじゅざん)金剛王院(こんごうおういん)地福寺(じふくじ)といい、真言宗大覚寺派のお寺です。
地福寺の御本尊
御本尊は地蔵菩薩。
阿波六地蔵霊場でのポジションは「金剛願(こんごうがん)地蔵」、地獄道から救う地蔵菩薩です。
「身代わり地蔵」と呼ばれていますが、具体的に何かの身代わりになったというわけではなく、地蔵菩薩は民衆の悩みや苦しみに寄り添う性質を持つ仏さまであり、その性質からこう呼ばれるようになったとか。
地福寺の見どころ
地福寺で個人的に気になる&おすすめの見どころを写真つきでご紹介します!参拝される前にチェックして参考になさってくださいね。
シンプルな山門
地福寺の山門は田舎の小さなお寺だからシンプル、と思いきや瓦にはなぜか菊の御紋。本堂の瓦も菊の御紋がびっちりでしたが、縁起を見てもとくに勅願や皇族ゆかりというわけではなさそう。不思議🤔
山門の裏側にはかわいいお地蔵様がちょこんと。
センサー式手水舎
地福寺の手水舎は山門を入ってすぐ左手にあり、センサー式。
瓦から勢いよく水が放出されます。この瓦はよく見ると厄除けの桃がついた瓦、なかなか見ないタイプで面白いです。
瓦がゴージャスな本堂
山門の正面に本堂があります。
わりと新しい感じの本堂ですが、シャチホコや鬼瓦など装飾がモリモリでかなり立派。
左右にはにらみをきかせるいかつい人が。どなたでしょう?
めっちゃお寺守ってる。
蟇股には藤の花っぽい彫刻もありました。
中風除けの青麻権現
地福寺の境内には「青麻(あおさ)権現」という小さなお社がありました。初めて聞いた不思議な名前ですが、中風(脳卒中)除け・ぼけ封じの神さまだとか。
調べてみると青麻権現は東北のほうに多いようで、四国ではほとんど見かけない神さまです。
青麻権現つながりか、地福寺境内には不思議と麻モチーフがいっぱい🤔蟇股の彫刻には大麻比古神社の御神紋に似た麻の葉っぽいものがあり。
足元にもひっそりと麻の葉っぽいものが。
七福神と毘沙門天
本堂の左隣には七福神と毘沙門天をお祀りしたお堂がありました。一見地味なお堂ですが、御本尊の毘沙門天像は弘法大師作といわれています👏
お堂の前には「毘沙門天王」のほかに「七福神」の幟がありますが、七福神霊場の札所というわけではありません。
そして無造作に転がる国分尼寺の礎石😂
国分寺と国分尼寺は741年に聖武天皇が全国に作った国家鎮護のためのお寺。徳島では徳島市国府町に阿波国分寺と国分尼寺跡があり、国の史跡になっています。
国分寺の礎石は四国八十八か所霊場15番札所阿波国分寺に丁重に置かれていました。
六道を救う六地蔵
地福寺の境内左奥には、六地蔵をお祀りしたお堂があります。
六地蔵は「六道輪廻」の思想に基づいて六道のそれぞれを救う地蔵菩薩の分身を表しています💁♀️
地福寺といえばやっぱり藤の花!
地福寺の境内には紫藤と白藤2つの大きな藤棚があります。
樹齢200年を超える紫藤は、
- 幹周り:1.8m
- 南北:30m
- 東西:6m
にわたって枝を伸ばしています。
満開になると1mを超える花房がついて、風に揺れる姿は優美そのもの✨とても幻想的な雰囲気なんですが、蜂が多くて恐怖感もすごい😂
2019年は藤の開花が例年より遅いようで、「藤まつり」は4月12日から始まっていますがまだまだつぼみでした。冬が寒いと花のつきが悪くなり、開花が遅れるそうです。
▼藤まつりについてはこちら▼
まとめ
地福寺は石井町の住宅街の中にある小さなお寺ですが、意外と古くからあり、由緒のあるお寺でした。
徳島では藤のお寺として有名で、地福寺の藤は石井町のシンボル的存在。毎年、4月中旬から5月上旬にかけてが地福寺の藤の見ごろとなっています。
藤の花は見ごたえがあってとてもきれいなので、ぜひ藤の季節に参拝してみては🙋♀️
▼次の札所はこちら▼
おすすめのお立ち寄りスポット
地福寺の近くで御朱印がいただける神社仏閣や、合わせて行きたいおすすめスポットをまとめました。
地福寺と同じ名西郡エリアの御朱印スポットはこちら💁♀️
光圀堂
この投稿をInstagramで見る
地福寺から徒歩3分くらいの場所に、徳島で唯一(と思われる)シュークリーム専門店があります。「光圀堂(みつくにどう)」というお店で、毎日作りたてのシュークリームが10種類くらい並んでいます🤤
当日のシュークリームのラインナップは公式ホームページやインスタグラムで確認できます。
オープン当初は開店すぐに売り切れることもあり、並ばないと買えない状態でしたが最近は客足も落ち着いています。それでも日によっては午後を待たずに売り切れることもあるので、できるだけ午前中に行くのがおすすめ💁♀️
定休日:毎週水曜日
駐車場:あり、無料