津田八幡(つだはちまん)神社は徳島市の南東部に位置する漁師町、津田町の氏神さま。古くは阿波の戦国武将三好氏に崇敬され、徳島藩主・蜂須賀家からの信仰も篤かったといわれています。
神さまのお使いである「鳩」がデザインされたかわいい御朱印のほか、アマビエ様の護符もいただけますよ💁♀️
また、津田八幡神社がある津田町は「阿波の狸合戦」ゆかりの地でもあり、境内には狸の神さまもお祀りされていました。神社の裏にそびえる津田山には「穴観音」という洞穴があり、そこに住んでいたのが金長狸の敵となった「六右衛門(ろくえもん)狸」でした。穴観音は津田八幡神社からも歩いて7分~8分くらいなので、合わせてお参りしてみては。
津田八幡神社へのアクセス
県道120号線からやや奥まった場所にあり、入り口を見落としがち。ファミリーマート津田西町店がある「津田本町一丁目」交差点で津田山方面へ曲がってつきあたりです。
津田八幡神社の駐車場
参拝者が無料で利用できる駐車場があります。神社に向かって右側へ道なりに進むと、絵馬殿の前に駐車スペースがあります。普通車7台~8台くらいは停められそうな広さでした。
★境内は隣接する津田寺とつながっていますが、駐車場は別となっているのでご注意を。
公共交通機関でのアクセス
最寄り駅からの距離があるので、車以外で行く場合はバスを利用します。
- JR徳島駅から徳島市営バス津田線に乗車し「津田1丁目」バス停で下車、100m
津田八幡神社の御朱印
拝殿の手前に授与所があります。授与所には呼び出し用のインターホンがあり、ご不在の場合は連絡先の電話番号も書いてありました。
御朱印リニューアル!
6月下旬から御朱印のデザインが少し変わりました😆八幡さまのお使いである鳩が「八」の字にデザインされています。鮮やかなブルーが目をひきますね✨
8月より、右下に四神霊獣の印が入るようになりました。右が白虎、左が麒麟の印です。こちらの印は宮司さんがデザインされたものだそうです✨
- 春&東は青龍(立春~)
- 夏&南は朱雀(立夏~)
- 秋&西は白虎(立秋~)
- 冬&北は玄武(立冬~)
- 土用&中央は麒麟(土用の期間)
麒麟は年に4回あるので、春・夏・秋・冬の印が下に押されます。こちらも季節ごとに季節をイメージした色に変えるそうで、秋は夕焼けの茜色…かな?🤔
各霊獣の印が押される詳しい期間については津田八幡神社公式ホームページの「お知らせ」やインスタグラムで発表されるので、そちらでチェックしてください🙇♀️
狸の御朱印始めました
11月22日より、新しく頒布されるようになった楠大明神の御朱印。
「楠大明神」は津田八幡神社境内にある楠の大木の根元に住んでいたといわれる女狸の神さまです。女神さまなので印も丸くイラストも丸く、書体も丸くで全体的にかわいらしい感じにしたそうです✨
印は狸の耳つきのデザインにしようかと考えたそうですが、「猫神さん」でおなじみの王子神社が猫の耳つきの印を使っているので、かぶるからやめたとか…🙄別の神社でも”御朱印のモチーフに猫は使わないようにしている”というのを聞いたことがあるので、神社それぞれの特色を出しつつ、かぶらないように苦心しているのが垣間見えました😂
狸のイラストの扇の下にあるリボンのような模様は昔の字体で「六」という文字。楠大明神の別名が「お六(ろく)さん」ということにちなみ追加したそうです。扇の房にも見えるように配置したとか。
アマビエ様の護符いただけます!
津田八幡神社では、5月から神前でご祈祷されたアマビエ様の護符がいただけるようになりました。味があるタッチのかわいらしいアマビエ様です。
玄関に貼って疫病退散!
こちらはコロナ終息まで頒布される予定。ちなみに、このアマビエ様の絵は宮司さんが描かれたもので津田八幡神社オリジナルですよ。
津田八幡神社について
往昔には津田山上に鎮座、津田塁の城主桑村隼人の崇敬社として天文年間には三好氏の崇拝篤く、慶長の頃東麓の現在地に遷座した。藩政期には藩主蜂須賀氏の参勤交代での東上に当たり安全を祈願した。現在の社殿は宝永2年(1705年)に蜂須賀公の時に社殿が再建された。
(現地由緒書きより引用)
津田八幡神社は津田山(標高77.7m)のふもとにありますが、かつては山の上にあったそうです。
慶長年間(1596年~1615年)に現在地に遷座しました。正確な創建年は不明ですが、遷座して以降だけでも400年の歴史がある神社です。津田山にはかつて津田塁(津田城)があり、城主の桑村隼人亮(くわむらはやとのすけ)は阿波の戦国武将・三好氏に仕えていた人物。津田八幡神社は桑村隼人亮と三好氏からの崇敬が篤かったとか。
江戸時代に編纂された地誌「阿波誌(あわし)」にも、「普門院 津田浦にあり、また観音寺と称す。大悲閣 八幡祠あり」という記載があるそうで、古くから津田寺とともにこの地にあったようです。この「八幡祠」が後に津田八幡神社になりました。
津田八幡神社の御祭神
津田八幡神社の御祭神は誉田別命(ホンダワケノミコト、応神天皇)、神功(じんぐう)皇后、玉依姫命(タマヨリヒメノミコト)の3柱。
津田八幡神社の見どころ
津田八幡神社で個人的に気になる&おすすめの見どころを写真つきでご紹介します!参拝される前にチェックして、参考になさってくださいね。
海に続く参道
神社の前には大きな病院があり、近くを走る県道120号線はそこそこ交通量が多い道路ですが、津田八幡神社は奥まった場所にあるので意外なほど静かでした。
鳥居からはまっすぐ参道が伸びていて、海に続いています。残念ながらここから海は見えないんですが、1月1日には参道の延長線上に初日の出が拝めるそうですよ。
鳥居越しの初日の出、津田八幡神社公式インスタグラムから拝借しました。一度見てみたいですね😊
狛犬パラダイス!
津田八幡神社には3対の狛犬がいて、それぞれ個性的でした。こちらがいちばん手前の狛犬、明治17年(1884年)生まれで津田八幡神社ではいちばん古い狛犬です。
こちらが2番目の狛犬、口の中の鮮やかな赤い色が印象的です。阿形は玉を持っていて、「玉取り子取り」スタイルなのかと思いきや吽形は子なしでした。こういうパターンもあるんですね。
こちらは昭和42年(1967年)生まれ、いわゆる徳島型狛犬です。
拝殿前の狛犬は珍しい青銅製です。お座りポーズが犬感強め。昭和57年(1982年)生まれで、津田八幡神社ではいちばん若い狛犬でした。
荘厳な社殿
現在の社殿は宝永2年(1705年)に藩主によって再建されたもので、築300年以上。それ以降も修復が繰り返され、大切に受け継がれています。
御本殿もぐるりと細かい彫刻が施されていました。
横から見たらこんな感じ。拝殿の基礎には阿波の青石がふんだんに使われていますが、拝殿前の石段や御本殿の基礎は白っぽい別の石(御影石?)で、使い分けられています。
拝殿の石段の角はわざわざ丸く加工されていて、手が込んだ贅沢な造りとなっています。
御本殿の奥に…
御本殿の奥には小さな謎の祠があり、玉垣の隙間から見えます。御本殿に背を向ける形で、津田山を向いて鎮座されていました。何が祀られているんでしょうか🤔
境内社いろいろ
社殿に向かって左奥には住吉神社・船玉神社があります。
一般的に住吉神社は”航海の神””港の神”、船玉神社は”船舶を守護する神”とされ、奉納された鳥居には「海上安全」「大漁満意」とあり、漁師町っぽさが凝縮されていますね。
御本殿の裏側には徳島の神社ではおなじみの地神塔と、謎の石碑(庚申さん?)が並んでお祀りされていました。
社殿に向かって右奥には厳島神社がありました。厳島神社も古くから信仰されている海の神さまなので、やはり漁師町っぽい。
徳島市の保存木
津田八幡神社の境内には樹齢800年の楠の大木があります。こちらは徳島市の保存樹木に指定されています(第8号)。
「津田八幡神社の楠」は根元から二つに分かれているのが特徴で、樹高は20mもあり、かなり迫力がありました。幹周りは9.9mですが、これは二股に分岐した幹を合わせた数値なので、幹のがっしり感はそれほどありません。
玉垣や神馬像と比べると木のワサワサ具合が伝わるでしょうか。
狸の神さまいます
そんな楠の大木の根元には狸の神さま「楠大明神」がお祀りされています。徳島市内にある神社の楠にはたいがい「楠大明神」がいるイメージですが、すべて別の狸です。楠大明神多すぎ😂
楠大明神
一名お六大明神ともとなえ、港町漁港としても栄えた景勝の地津田町の八幡神社前の楠の大木の脇に鎮座している。
商売繁盛、入学試験、交通安全、家内円満を祈願すれば霊験あらたかといわれ信者も多い。
現にのぼりなどが奉納され参詣者の絶えることがないのは、これを物語っている、ものである。(現地案内板より引用)
津田八幡神社の楠大明神は別名「お六(おろく)大明神」ともいわれるため、こちらにお祀りされているのは”阿波の狸合戦の津田方総大将「六右衛門狸」である”とするサイト等もありますが、まったく別の女狸です。
こちらはお隣の津田寺の境内ですが、「権右エ門(ごんえもん)大明神」という狸の神さまもお祀りされています。
生前は津田寺の本堂の床下に住んでいて、当時の住職にとてもかわいがられていたとか。義理を重んじる性格で六右衛門方の重鎮として戦い、討死したそうです。
祠の前にはユーモラスな権右エ門の像も。表面が苔むしていて、かなり昔に奉納されたもののようです。耳の位置とか鼻が狸というよりは人間っぽくて、絶妙なおっさん感でした。
絵馬殿
駐車場には大きな絵馬殿。なんとなく竜宮城のような雰囲気でした。
内部には謎の武者絵っぽいものが所せましと並んでいましたが、何でしょう?一枚一枚に名前とか年齢が書かれているんですが、達筆すぎて読めない。。。
あまり知られていませんが、大石内蔵助は徳島にルーツを持つ人でした(大石内蔵助の母は徳島藩祖・蜂須賀家政のひ孫なので本人も玄孫となる)。
渋いカラーリングの干支恵方盤もあります。
かわいい!鳩みくじ
2021年4月30日より、新たにかわいい「鳩みくじ」が頒布されています!宮司さんのこだわりが随所につまったデザインで、確実に日本一かわいい鳩みくじ(個人の感想)。
今後もお守りなど新しい授与品を企画されているそうなので楽しみです。
徳島のかわいいお守り&おみくじはこちら💁♀️
まとめ
津田町の氏神様として崇敬されている津田八幡神社は幹線道路からやや奥まった場所にあるので地元の人以外にはあまり知られていませんが、とても歴史がある神社です。拝殿前に授与所とお住まいがあり、若い宮司さんが御朱印の対応をしてくださいました。
「阿波の狸合戦」で金長狸の敵となった六右衛門狸の本拠地であり、金長が修行をしたのもここ津田町。金長神社へ行かれる場合は、足を伸ばして津田八幡神社と穴観音にもお参りしてみては。
周辺のお立ち寄りスポット
津田八幡神社の近くで御朱印がいただける神社仏閣や、合わせて行きたいおすすめスポットをまとめました。
徳島市内にある御朱印がいただける神社仏閣はこちら。
津田山(穴観音)
津田八幡神社から徒歩5分くらいの場所に阿波の狸合戦で金長狸と戦った六右衛門(ろくえもん)狸の祠があります。津田小学校近くの墓地の中にあり、知らないと絶対場所がわかりませんが、近くまで行くとちゃんと看板がありました。
如意輪観音がお祀りされている「穴観音」の洞窟は中に入ることができます。人間が入れるのは途中までですが、かなり奥まで続いているようで、洞窟の中で鶏を放したところ800mくらい離れた「水神社」から出てきた、という逸話が残っています。
ちなみに水神社は下の地図を拡大すると出てきますが、津田八幡神社から300mくらい離れた道路がカーブしているあたりにあります。
穴観音とセットでおすすめ、「金長狸」がお祀りされている金長神社までは車で15分くらい。
徳島県護国神社
津田八幡神社から車で10分もかからない場所に徳島県護国神社があります。護国神社はもともとは徳島城跡にありましたが、平成15年(2003年)に現在地に遷座しました。境内社の大国神社や徳島らしい藍染の御朱印など複数の御朱印がいただけるので、徳島での御朱印めぐりにはおすすめです。