狸の伝説が多い徳島で、並みいる狸のなかでも圧倒的な知名度を誇るのが金長狸(きんちょうだぬき)。
徳島では「金長(きんちょう)さん」と呼ばれて親しまれていて、「金長大明神」という神さまとして小松島市の金長神社にお祀りされています。
そんな金長狸はジブリアニメ「平成狸合戦ぽんぽこ」にも四国のレジェンド狸として登場!
金長狸は狸をモチーフとしたさまざまなアニメや漫画などの作品に登場することから「聖地」として知られていて、全国からファンの方が参拝に訪れています。
金長神社が鎮座する小松島市営グラウンドは大規模な再開発が予定されていて、神社の存続が危ぶまれるなか、2019年元旦から御朱印の授与が始まりました。
2021年3月3日、小松島市より金長神社の解体撤回が発表され、
現在地での保存が決定しました!
金長神社へのアクセス
金長神社がある小松島市市営グラウンドは県道17号線から少し奥まった場所にあります。
目印は小松島赤十字病院で、神社は赤十字病院から北へ約300mの場所にあります。
県道17号線の「新港」交差点から山の方向へ曲がったほうがわかりやすいかもしれません。
県道33号線を山の方向へまっすぐ進み、途中「市営グラウンド」という小さな看板で曲がり、道なりに進むと金長神社が見えます(道幅がかなり狭いので注意)。
- 徳島自動車道徳島インターから約40分
- JR徳島駅から20分くらい
金長神社の駐車場
金長神社には神社専用の駐車場がありません。
参拝者は神社近くの広場や市営グラウンド内の通路の邪魔にならないところに駐車しています。
グラウンド外での路上駐車は厳禁です🙅♀️
交通機関でのアクセス
・JR牟岐線のJR南小松島駅から徒歩30分くらい
最寄り駅からの距離があるので、金長神社には車で行くか、JR南小松島駅からタクシー利用(約10分)がおすすめです。
金長神社の御朱印
2019年元旦から授与されるようになった御朱印は、1300年の伝統がある阿波和紙に徳島名産の藍を使った特別な墨で書かれています。
文字はよく見ると青みがかっていますよ✨
この特別御朱印は期間限定のもので、元旦と5月の例大祭、10月の第一日曜日のみの授与となっています。
初穂料は金長神社の保護活動に使われます。
▼最新の御朱印情報はこちら▼
▼書置き御朱印の保管に便利です▼
参拝記念スタンプも!
拝殿前には参拝客が自由に押せるスタンプも新設されていました。こちらは無料で押せるので、御朱印帳やスタンプ帳などを持参して押しましょう。
金長神社の社務所受付時間
祭礼がある日以外、金長神社の社務所は基本的に無人です。
限定御朱印はその時その時でスケジュールが違うと思いますが、参考までに御朱印の授与が始まった2019年正月の授与時間はこんな感じでした。
- 1月1日 7:00~15:00
- 1月2日 10:00~15:00
- 1月3日 10:00~12:00
2020年からは元旦のみの授与となります。
金長神社の御朱印は地蔵寺でも拝受可能
金長神社は社務所がほぼ無人のため、限定御朱印ではない通常の御朱印は金長神社近くの地蔵寺でいただけます。
通常の御朱印は普通の半紙に黒い墨で書かれていますが、印は限定御朱印と同じです。
金長神社について
伝説上の阿波狸合戦で落命した金長狸を祀った神社である。金長の死後、染物屋の茂右衛門が金長大明神として手厚く弔い、金長は江戸時代後期の弘化5年(1848年)正一位に上った。
長らく屋敷神社として祀られていたが、1956年(昭和31年)、商売繁盛、開運の神としてこの地に勧請された。
なお、当神社の北側にある芝山山上の日峰神社には境内社として、金長神社本宮がある。この神社は、1939年(昭和14年)に新興キネマが作製した映画「阿波狸合戦」のヒットにより会社が持ち直したので、金長への感謝より萬野只七の主唱により俳優らの寄進で同年に建立された。
小松島市民運動場に隣接しており、周囲には桜が植えられ春には花見客で賑わう。
2019年(平成31年)より御朱印が授与されるようになるが、通常は地蔵寺で、限定は特定日のみ神社で授与される。(Wikipedia金長神社より引用)
金長神社は昭和31年(1959年)に建立されたとても新しい神社で、厳密に言うと宗教施設としての神社ではなく、小松島市の観光振興のために作られたものです。
金長狸が報恩をつくした梅山家では江戸時代後期から屋敷神としてお祀りされていましたが、昭和の中頃に現在地に新しく社殿が造営され、金長神社としてお祀りされるようになりました。
金長神社の御祭神
金長神社の御祭神は金長大明神。阿波の狸の総大将で、四国の三名狸に数えられます。金長狸は義理を重んじ、報恩感謝の念が強いのが特徴です。
四国の三大狸はジブリアニメ「平成狸合戦ぽんぽこ」にも東京の狸を助けるために四国の長老として登場。伝説上でも明確に死が描かれている金長狸のみ、「六代目」として登場しています。
境内には「平成狸合戦ぽんぽこ」の作中で描かれた金長神社が飾られています。市営グラウンドではすでに工事が始まっているので背景には緑がぜんぜんありませんが、鳥居や拝殿の様子はアニメそのままの姿ですよ。
金長狸が活躍した「阿波の狸合戦」とは
金長狸といえば、阿波の狸合戦の主人公。「阿波の狸合戦」とは、天保年間に起こった狸同士の合戦です。
大和屋という染め物屋を営む梅山茂右衛門(うめやま・もえもん)に命を助けられた金長は、恩人に報いようと大和屋に住み着き、狸の神通力で店を大繁盛させました。
その後、狸としての位を持たない金長は津田の六右衛門(ろくえもん)狸に弟子入りし、正一位を得ようと修行をします。
金長はとても優秀ですぐに頭角を現したため、自分の娘婿として迎えて『いずれは自分の後継ぎに…』と考えた六右衛門でしたが、金長は修行を終えたら大和屋の守り神に戻るつもりだったのでこれを断りました。
六右衛門はこのまま金長を帰してはいずれ自分の敵になると恐れ、60匹の仲間をひき連れて闇討ちをしかけます。六右衛門の急襲により、津田に一緒に修行に来ていた一の子分「藤ノ木寺の鷹」が金長をかばって討ち死にしてしまいました。
金長は鷹の仇をうつために仲間を集め、迎え撃つ六右衛門勢と三日三晩続いた激しい戦いの末に勝利。しかし、金長も致命傷を負っていたため、大和屋に戻ったときには瀕死の状態で茂右衛門に今まで世話になった礼を言い、永遠に梅山家の守護となることを誓って息を引き取りました。
茂右衛門は金長の生きざまに感動するとともに、念願の正一位を得られないまま死んでしまったことを哀れに思い、みずから京都に行って正一位を得て(1848年のこと)、金長を正一位金長大明神として屋敷に祠を建てて祀ったと伝わっています。
金長神社の御利益
金長神社には商売繁盛や開運の御利益があります。昭和初期にある映画会社(新興キネマ)が「阿波の狸合戦」を題材にした映画を製作したところ、大ヒットして倒産寸前だった会社が持ち直したというエピソードもあります。
金長神社と金長神社本宮を両方参拝することで、「金を長く持ち続けられる」という金運アップの御利益も👌
また、義理堅い金長さんは世のため人のためになる願いほど叶えてくれるといわれていますよ。
金長神社本宮
金長神社の北側に見える山の上、日峰(ひのみね)神社の参道に境内社として金長神社本宮があります。金長神社本宮は映画がヒットした御礼として、映画会社などの寄進によって建立されたものです。
金長神社は住宅地の中という感じですが、本宮は山の中にあり参拝客も少ないため、昼間の明るいうちに参拝するのがおすすめです。
金長神社の見どころ
金長神社で個人的に気になる&おすすめの見どころを写真つきでご紹介します!参拝される前にチェックして参考になさってくださいね。
狛狸がお出迎え!
狸をお祀りする金長神社では、鳥居の前には狛犬のかわりに狛狸がいます!
阿吽の違いがあんまりわからない😂
片方は取れてしまっていますが、本来は「金長神社へ」「ようこそ」となっていたようです。
狛狸にはなぜかたくさんのどんぐりがお供えされていて、昔ばなしっぽいほんわかした雰囲気です。
拝殿も狸だらけ!
拝殿のなかにもたくさんの狸の置物が並んでいます。おなじみの信楽焼の狸だけでなく、変わったものもいっぱいあるので見ていて楽しいです。
奥に見える絵は著名な水墨画家の本田一誠氏が描いた金長狸です。
拝殿にはかわいい金長さんの御神輿もあります。この御神輿は「平成狸合戦ぽんぽこ」の金長神社のシーンに映っていますよ✨
愛されている金長さん
今でも地域の人にとても愛されている金長さんなので、拝殿の前には手作りのこんなかわいい狸がいます。一緒に並んでいるカラフルな狸は徳島の狸スポットに必ず置かれている謎の狸像です。
おみくじあります
ふだんは社務所が閉まっているので、金長神社にはこれといった授与品はありませんが拝殿にはおみくじがあります。おみくじ自体は普通のものですが、唐草模様がかわいい♡
「ぽんぽこ」だと巫女人形がおみくじを運んでくる機械仕掛けのおみくじ機が出てきますが、実際の金長神社では完全に人力😂
以前は自動販売機式のおみくじ機がありましたが、長らく故障したままでついに撤去された模様。
おみくじ自販機の代わりに登場したのが、このおみくじダルマ。賽銭箱におみくじの初穂料として100円を投入し、ダルマさんの中にあるおみくじを引くシステム。セルフサービスです。
にぎわえ!金長神社
金長神社を残したまま周囲では市営グラウンドの工事が始まっていますが、何とかこの場所での存続を願って「金長神社を守る会」がさまざまな活動をしています。
参拝した人が楽しめるように、神社にはいろんなものが設置されています。行くたびにいろいろなものが増えていて、にぎわい作りのために工夫されているのがわかります✨
ポップな絵がゴキゲンな顔出しパネルもありますよ☆
社務所前にはこんなものも。
どこから来たのか、シールを貼るやつ(←正式名称何て言うの?)です。徳島県内だけでなく、県外からもたくさんの人が来ていることがわかれば金長神社存続のために活動している人たちのはげみになるはず!
参拝されたときは、ぜひご参加ください。徳島県民で申し訳ないですが、私も貼ってきましたよ~😊
まとめ
市営グラウンドの再開発のため取り壊しが予定されている金長神社。
金長狸は地域の人にとても愛されていて、「金長神社を守る会」が神社の存続のために活動をしています。限定御朱印の情報なども守る会の公式サイトで確認できます☟
狸だらけの境内は狸の伝承が多い徳島らしさを感じる神社です。御朱印をいただきに、ぜひ参拝してみてくださいね。
「守る会」改め「金長と狸文化伝承の会」
神社の存続決定により、金長神社を守る会→金長と狸文化伝承の会となりました。
取り壊しはなくなったとはいえ、社殿もかなり傷みが激しく、修繕のための浄財を募っています。詳しくは公式ホームページをご覧ください。
おすすめのお立ち寄りスポット
金長神社の近くで御朱印がいただける神社仏閣や、合わせて行きたいおすすめスポットをまとめました。
小松島市内にある御朱印がいただける神社仏閣はこちら。
金長だぬき郵便局
金長神社の近くにある郵便局は、なんと名前が「金長だぬき郵便局」。動物の名前がついた全国初の郵便局で、平成10年(1998年)に「小松島新港郵便局」から名前が変更されました。
郵便局の前にも、もちろん狸。以前は金長だぬき郵便局で狸のハガキや切手などを扱っていたそうですが、今はないようです。
金長だぬき郵便局では、金長さんのかわいい風景印を押してくれますよ♡
風景印は簡単2ステップで押してもらえます。
- 葉書を購入する
- 窓口の方に『風景印を押してください』と頼む
狸ひろば
金長だぬき郵便局のすぐ隣に「狸ひろば」という狸まみれの広場があります。こちらは基本的にはただの広場ですが、「阿波の狸合戦」に登場する狸のモニュメントが点在していて、高さ5mの世界一大きな狸の像も鎮座しています。
この像の前で手を叩くと…?
Googleマップにも「金長たぬきポスト」として位置登録されている、木魚を叩く謎の狸もここにいます。
MOG食堂
金長神社から車で3分くらい、地蔵寺に行く途中にあるMOG(モグ)食堂はおひるごはん&おさけごはんのお店。
こちらは2020年2月にオープンしたばかりです。ランチは小鉢がいっぱいで見た目も楽しい「宝木箱ランチ(1300円)」が人気!早いときは開店から1時間程度でランチが売り切れてしまうので、予約がおすすめです。
■定休日:月曜日
■座席:50席(2階の席もあり)
■駐車場:無料(お店の前に5台分、満車の場合は他あり)
▼食べログ▼
▼詳細は公式Facebookで▼