雨降(あまたらし)神社は徳島市北西部に位置する不動西町にある神社。
創建から1100年以上の歴史があり、”雨が降る”という変わった社名のとおり古くから「雨乞いの神社」として知られ、水の神さまをお祀りしています👏
雨乞いをすると池から蛇が現れ、ほどなくして雨が降った…という言い伝えから、御朱印にも蛇のスタンプ入り!ただし、境内には社務所はなく、御朱印は少し離れた場所にある宮司さん宅でいただけます。雨降神社から宮司さん宅へのルートも後述します🙆♀️
数年前の台風で社殿が損壊したため、歴史ある神社とは思えないスタイリッシュすぎる外観も話題の雨降神社の見どころをご紹介します💁♀️
雨降神社へのアクセス
県道1号線、名田橋の1kmほど南にあります。幹線道路から少し奥まった場所なのでちょっとわかりにくかったです💦
雨降神社の駐車場
駐車場はありませんが、境内に乗り入れ可能。
公共交通機関でのアクセス
最寄り駅からは距離があるので、車推奨。
- JR徳島線鮎喰(あくい)駅から約2.2km
- JR徳島線府中(こう)駅から約3.5km
バス停不動西まで200m
雨降神社の御朱印
流行のカラフル御朱印ではなくトラディショナルスタイルな御朱印ですが、印が丸いのはちょっと珍しいですね。
右下のにょろっとした蛇さんは雨降神社に伝わる「村民が雨乞いをするとどこからか蛇が現れて必ず雨が降った(要約)」という伝説にちなんだものです🐍
御朱印は宮司さん宅で
雨降神社は境内に社務所がなく、神職常駐ではありません。雨降神社の宮司さんはおそらく国府町延命の日枝神社が本務社と思われ(違ったらすみません🙇♀️)、日枝神社近くにお宅があります。
14番札所常楽寺が運営する常楽園のすぐお向かいなので、場所はわかりやすかったです。
- 雨降神社から約8km
- 車だと15~20分くらい
兼務社の御朱印もいただけます!
雨降神社の宮司さんは多くの神社を兼任されているので、ご自宅では他の兼務社の御朱印もいただけます。実際に拝受した御朱印と、SNS等で確認できた御朱印はこちら💁♀️
■八幡総社両神社
四国八十八か所霊場第16番札所観音寺境内にある八幡総社両神社。阿波国の式内社50座を合祀した神社と古くからこの地にあった八幡神社がドッキングした神社です。
■日枝神社
こちらは未拝受なんですが、本務社の日枝神社の御朱印もいただけるようです。徳島市立考古資料館の少し北側にも日枝神社がありますが、宮司さん宅を出てすぐ西にある日枝神社のほうです(ややこしい😂)。
雨降神社について
雨降神社には公式ホームページもありますが、詳しい歴史や由緒などは記載がないのでよくわからず💦
ネットで調べた情報によると、
創立年代は不詳である。名方郡の延喜式内小社の和多都美豊玉比売神社に比定されている。文献によっては、式内社「天石門別豊玉比賣神社」にも比定される。元慶7年(883年)に従五位上の神階が授けられている。「阿波志」によると「雨降祠 新居南村にあり 前に池あり 雨乞すれば必ず応ず」とある。
(Wikipedia雨降神社より引用)
とのこと。Wikipediaにもあるように、雨降神社は式内社である
- 和多都美豊玉比売(わたつみとよたまひめ)神社
- 天石門別豊玉比売(あまのいわとわけとよたまひめ)神社
の論社とされます。
雨降神社以外の論社として、
- 和多都美豊玉比売神社=国府町の「王子和多津美(おうじわたつみ)神社」
- 天石門別豊玉比売神社=城山にあった竜王宮、現在は徳島市大滝山の春日神社境内にある「豊玉比売神社」
があります。
春日神社についてはこちらをどうぞ💁♀️
とりあえずトヨタマヒメをお祀りする古くからある神社、ということには間違いなさそう。
また、江戸時代の地誌(郷土史)「阿波志」には「雨降祠 新居村にあり、前に池あり 雨乞いすれば必ず応ず」とあり、「阿府志」には「和多都美豊玉比賣神社、南新居にあり、俗に雨降の宮という」との記載があるそうです。
正確な創建年は不明ですが、元慶7年(883年)に従五位上の神階が授けられていることから1100年以上の歴史があると考えられます。
雨降神社の御祭神
御祭神は豊玉姫命(トヨタマヒメノミコト)。海の神さま、大綿津見神(オオワタツミノカミ)の娘で、初代天皇・神武天皇の祖母にあたります。
日本の神話のなかでは比較的人間の世に近く、皇統につながる重要な神さまですが「トヨタマヒメ」の名がつく式内社は徳島にしかなく、雨降神社が比定されている先述の2社だけ…🤔
トヨタマヒメさまをお祀りする雨降神社には祈雨・天候、厄災除け、子宝・安産の御神徳があります👏
雨降神社の見どころ
雨降神社で個人的に気になる&おすすめの見どころを写真つきでご紹介します!参拝される前にチェックして参考になさってくださいね。
ヴィンテージ感あふれる鳥居
雨降神社はとても由緒ある神社ですが、現在の境内は意外とコンパクト。鎮守の森もボリュームがなく、工場や倉庫に囲まれているので場所がちょっとわかりにくかったです。
見どころ、としてはあまり突出したものはなく、参拝自体はごく短時間で終わってしまいそうです🙄
参道には立派な石鳥居があります。鳥居に刻まれている奉納年、これは「大正九年」…ですかね?🤔とすると西暦1920年、ジャスト100年前のもの。ヴィンテージ感ありますね✨
平成28年(2016年)の社殿改築のときの真新しい玉垣(これは玉垣でいいのか?💦)がありました。
鳥居は他にも!
現在はコンパクトな神社ですが、雨降神社の東西南北に鳥居と遥拝所があり、かつては広大な敷地を持つ神社だったことがうかがえます😲
南の鳥居は雨降神社から600mくらい離れた道路脇の畑の中にポツンとあるようです。現地にはまだ行ってなくてGoogleマップで確認しただけですが、扁額にはちゃんと「雨降神社」とありました。
北の鳥居、こちらも畑の中にあります。昭和63年(1988年)に建立されていて、比較的新しいですね。
こちらが東の鳥居、木の鳥居でなぜかこれだけ神明鳥居。
西の鳥居は逆瀬川沿いにあり、周辺も道幅が狭い住宅街なのでストリートビューでは確認できませんでした。
この東西南北の鳥居をつなぐと、だいたい1.5km四方になるそうです。昔はこの範囲が雨降神社の境内地だったと考えられています。すげぇ!😲
手水舎
手水舎の屋根は社殿と同じくデザイン性が高い、真新しいものでした✨
変わっているのが、水口がとなりのトトロ的な手押しポンプ式なこと。若い世代にはこれの使い方がわからないよね(ギリギリわかる昭和後期生まれ😂)。レバーを上下にギコギコすると水が出てくるよ、おばあちゃんの豆知識だよ!
一方、水鉢は豪快に石をくりぬいたもので、ヴィンテージ感あふれまくり。
読みにくいですが、彫り込まれている奉納日は「宝暦九年卯九月吉日」…でしょうか?🤔宝暦9年は西暦だと1759年…およそ260年前のもの。こちらも貴重ですね✨
昭和のお母ちゃん的狛犬
雨降神社の狛犬は拝殿前に一対が鎮座。阿形も吽形も昭和のお母ちゃんスタイルな、フリルつきのエプロン的な前掛けをしています。お揃いなのがかわいいですね💕
うろ覚えですが、奉納されたのは明治時代くらいのものでした。
吽形は子持ち👶
スタイリッシュすぎる社殿
おもむろに「渡辺篤の建もの探訪」が始まりそうな、スタイリッシュすぎる社殿なのが雨降神社の特徴です。
こういった神社建築じゃない現代的な建物の神社って珍しいですよね😲以前はもちろん昔ながらの渋い神社でしたが、平成23年(2011年)の台風被害によって屋根が損壊してしまい…。御神体はしばらく近くの八幡神社に仮遷座して、建て替えられました。
田舎の神社はどこも氏子の減少で維持・管理に苦労しているなか、こうして立派な社殿に建て替えができたことは本当に素晴らしいことだと思います。
横から見た図。写真だけ見ると神社とは思えないたたずまいです。完全にデザイナーズ物件😂
正面もシャレオツ✨扉の両サイドには御神紋が彫り込まれた木のパネルがあり、扉はさすがに和風な感じ。
中はさすがに畳敷きで和風でしたが、壁はガラス張りで開放感がありますね。
扁額も現代的でシンプルになりました。
建て替えられて頑丈になったので、今後の災害は無事に乗り越えて次の世代へとつないで行って欲しいです👏
独特な御神紋
雨降神社の御神紋は独特なものでした。真ん中は宝珠っぽいですが、なぜか炎に包まれているような不思議なデザイン。宝珠のまわりは波っぽくて、海の神の娘であるトヨタマヒメさまにぴったりですね🤗
まとめ
雨降神社は創建から1100年以上の歴史がある神社で、水の神・トヨタマヒメを祀る式内社。今も東西南北に雨降神社の鳥居があり、1.5km四方の広大な敷地の神社だったことがうかがえます😲
由緒ある神社ですが、現在は社殿も新築されたばかりで境内もコンパクト。そのため神社の歴史はあんまり感じることができず、境内には社殿と手水舎以外に境内社などもないので、見どころとしては残念ながら少ないかもしれません。。。
御朱印は車で15分くらいの場所にある宮司さん宅でいただくことができ、宮司さん宅周辺には四国霊場のお寺や天石門別八倉比売神社、大御和神社など合わせて参拝したい神社仏閣がたくさんあります!
徳島市西部で御朱印めぐりをするときはぜひ行ってみてくださいね🙋♀️
おすすめのお立ち寄りスポット
雨降神社の近くで御朱印がいただける神社仏閣や、あわせて行きたいおすすめスポットをまとめました。
徳島市内の御朱印スポットまとめはこちら💁♀️
王子和多津美神社
式内社・和多都美豊玉比売神社の論社である王子和多津美神社がわりと近いので、ぜひお立ち寄りを。
こちらも歴史ある神社とは思えないほどコンパクトな神社で、御朱印もありませんが、田園風景が広がり眉山が臨めるなかなか開放感ある光景が拝めます。
天石門別八倉比売神社
宮司さん宅がある国府町はその名のとおり古代の阿波国の中心「国府」があった場所。そのため、阿波国分寺をはじめ、由緒ある神社仏閣がたくさんあります。
こちらの天石門別八倉比売(あまのいわとわけやくらひめ)神社もそのひとつ。奥の院には”卑弥呼の墓”といわれる五角形の祭壇があり、パワースポットとしても人気の神社です。