淡路島で「弁財天」といえば淡路島七福神の弁財天が思い浮かびますが、もうひとつ「弁天さん」として親しまれている神社があるのをご存知ですか?😆
淡路島の真ん中、洲本市に鎮座する厳島(いつくしま)神社は洲本バスセンターの近くにあるので車以外でもアクセスしやすく、達筆な御朱印がいただけます✨
境内にはかわいい狸の神さまもお祀りされていて、狸のシルエットがかわいいお守りも授与していただけます💁♀️
厳島神社へのアクセス
厳島神社は洲本市の中心部にあり、周辺はわりと交通量多め。
- 神戸淡路鳴門自動車道洲本インターから車で10分
厳島神社の駐車場
厳島神社には駐車場はいですが、境内に乗り入れ可能。料金は無料です。
駐車スペースはそれほど広くないので、休日など車で来る参拝客が多い場合は停められないこともありそうです。
公共交通機関でのアクセス
関西方面から高速バスで洲本バスセンターまで行き、歩いて行ける範囲です。
- 洲本バスセンターから厳島神社まで約600m
厳島神社の御朱印
厳島神社は拝殿の隣に授与所があり、そこで御朱印を書いていただけます。授与所には呼び出し用のインターホンが設置されているので、ご不在の場合は押してみましょう。
厳島神社について
正確な創建年は不明ですが、江戸時代初期の御鎮座といわれています。参拝したときにパンフレットをいただきましたが、由緒や歴史に関することはほとんど書かれておらず、神社に関する詳細は不明です。
境内にあった案内板によると、
御祭神・市杵島姫命、(通称淡路島弁財天)
交通安全・家業繁栄
安産・学芸成就
の御神徳高く、秋の例大祭は島内最大の祭。
境内には、阿波藩家老稲田家の守護神、稲基神社や庚午事変を題材とした小説「お登勢」の碑等がある。社殿の裏手は足利将軍義稙の亡命旧居「黒木御殿跡」と言われている。(境内案内板より引用)
とのこと。やっぱり縁起的なことはよくわからず😂
11月21日から3日間行われる例大祭は「弁天祭」と呼ばれ、10万人が訪れる淡路島最大のお祭りだとか。
厳島神社の御祭神
厳島神社の御祭神は市杵島姫命(イチキシマヒメノミコト)、厳島神社の総本社・安芸の宮島にお祀りされている神さまと同じです。厳島神社が「淡路島弁財天」と呼ばれているのは神仏習合の時代に市杵島姫命が弁財天と同一とされていたためです。
市杵島姫命は航海や積み荷の安全を守る神さまで、主に船乗りや廻船問屋に信仰されていました。洲本は漁師町なので、昔から海の神である市杵島姫命が信仰されていたようです👏
厳島神社には海上安全・交通安全のほか縁結びや安産、学業成就、合格祈願まで幅広い御利益があります。
厳島神社の見どころ
厳島神社で個人的に気になる&おすすめの見どころを写真つきでご紹介します!参拝される前にチェックして参考になさってくださいね。
商店街の中にある神社
厳島神社は「弁天大通り」という商店街の中にあり、長い参道があります。入り口がわからず道に迷ったので、残念ながら鳥居は通り過ぎてしまいました。
境内からも遠くに一の鳥居が見え、両サイドにたくさんお店と赤い燈篭っぽいものが並んでいるのがわかります。
改めて参拝したとき、一の鳥居を撮影しました。奥に見える山の上には洲本城があり、厳島神社が洲本の中心地にあるのがよくわかります。
境内入り口には石灯籠じゃなく、看板みたいな省スペースな御神燈が。こういう形式は珍しいので、明かりが灯ったところを見てみたいです🤗
御神燈の前には明治30年(1897年)に作られた狛犬、なかなかの貫禄です。吽形は珍しい子持ちで、チビちゃんが前足にギュッとしがみついているのがかわいい。阿形は鞠つきをしていました。
これは「玉取り・子取り」という狛犬のスタイルで玉は家運隆盛、子獅子は子孫繁栄を表しているそうです。激レアというほど珍しいものではないですが、狛犬のなかでは少数派なのでぜひチェックしてくださいね。
拝殿
拝殿は建て替えられたばかりなのか新しいコンクリート製で、扁額もピカピカでした。扁額には「淡路島弁財天・厳島神社」と書かれています。
厳島神社では拝殿の鈴の緒で体の悪いところをなでるとご加護があるといわれているので、気になるところがあれば撫でまわしておきましょう。
ジャンボ絵馬
拝殿の左側には淡路島で最大級のジャンボ干支絵馬があります。
足利義稙の館跡
こちらが御本殿。拝殿と同じく、コンクリート製でまだ新しい感じ。
案内板にあった「足利義稙の旧居跡」はとくに何も遺構的なものはなさそうで、この謎の石柱があるのみでした。何か文字が刻まれていますが、草木が茂っていてよく見えず💦
2020年の大河ドラマ「麒麟がくる」にもちょこっと登場、阿波公方の歴史についてはこちら💁♀️
稲基神社とお登勢の碑
「稲基(いなもと)神社」は徳島藩蜂須賀家の家老・稲田家の守護神。
淡路島は現在は兵庫県に属していますが、明治時代まで徳島県でした。
淡路島が徳島から離れるきっかけとなったのが、明治3年(1870年)に起きた「庚午(こうご)事変」です。洲本藩として徳島藩から独立しようと画策していた洲本城代の稲田家家臣が蜂須賀家家臣に襲われ、死傷者37名にのぼる大事件となりました。徳島藩側の首謀者10名は日本で最後の切腹刑を受けています。被害者側の名前から、「稲田騒動」とも呼ばれています。
襲撃されても無抵抗を貫いた稲田家ですが、庚午事変後に”領地を与える”という名目で北海道への移住開拓を命じられていて、この出来事は映画「北の零年」でも描かれています。
稲基神社の碑の近くにある「お登勢の碑」。お登勢さんは庚午事変をモデルにした小説の主人公で、石碑の文字は小説「お登勢」作者・船山馨先生が揮毫しました。
芭蕉の句碑
境内にある芭蕉の句碑は天保14年(1843年)に建立された割と古いものです。かなり巨大で、高さ2mくらいありそう。
何て書いてあるのかさっぱり読めませんが、「雲折々 人を休むる 月見かな」という俳句だそうです。
かわいい狸の神さまも!
淡路島にも四国と同じく狸の神さまがたくさんいて、厳島神社にもお祀りされています。お祀りされているのが「武左衛門(ぶざえもん)」。洲本に伝わる狸の伝説を集めた「洲本八狸(すもとやだぬき)」のひとつです。
像に設置された説明書きによると、この狸は
毎日、夜ふけに見廻りに出て戸締りの悪い家があると家の外から鍵をかけまわったそうです。
像はふてぶてしい感じの顔ですが、普通にめっちゃええ奴でした。
武左衛門的には戸締りをちゃんとしない家を懲らしめる目的でやっていたのですが、おかげで洲本の町では泥棒や火事の被害が減少し、防犯・防火・厄除けの神さまになりました。いたずらが元で神さまになった武左衛門、なんとなくドヤ顔にも見えてきますね😂
洲本八狸の像はゆかりの地に8体設置されていて、厳島神社の近くでは洲本八幡神社にもありますよ🤗
狸だけでなく、狐さんもいます。厳島神社のお稲荷さんは「出世稲荷」として信仰されています。
かわいいお守り!
狸のシルエットがかわいい武左衛門のお守りもありました。こちらは「身守」とあるので、厄除けの神さまである武左衛門が災いから守ってくれそうですね😆
このお守りはヒモが長めなので、カバンなどにつけやすくて🙆♀️
まとめ
厳島神社は「淡路島弁財天」のほうがしっくりくるほど「弁天さん」として親しまれている神社です。境内はそれほど広くないですがいろいろな石碑や像があり見ていて楽しく、清掃が行き届いているので清々しい気持ちになれました。
近くには洲本城や御朱印がいただける洲本八幡神社があるので、洲本観光におすすめですよ。