粟井(あわい)神社は正確な創建年は不明ながら、香川県に24ある式内社のひとつ。少なくとも1000年以上の歴史があり、「名神大社」というとても格式の高い神社でもあります。
粟井神社では同じ観音寺市内にある於(おの)神社、黒島神社、伊吹島にある伊吹八幡神社などの御朱印もいただけるので、観音寺市内で御朱印めぐりをするなら必ず参拝したい神社です😄
また、粟井神社の境内には3000株のあじさいが植えられているので、「あじさいの宮」として親しまれています。毎年6月中旬にはあじさい祭りも開催されている、香川県内有数のあじさいの名所です!境内のあじさいの写真も少しだけですがご紹介するので、ぜひご覧ください。
粟井神社へのアクセス
国道377号線から県道240号線からに入り、しばらく進むと山の方に神社っぽい建物が見えました。観音寺市中心部からは離れた場所にあり、JR観音寺駅から車で20分くらい。
・高速道路を利用する場合、高松自動車道大野原インターから約7km
粟井神社の駐車場
駐車場代わりの広場があるので境内に駐車可能、無料で利用できます。
公共交通機関でのアクセス
最寄り駅からの距離があり、路線バスのバス停もないので車以外でのアクセスが困難です。
本数が少ないですが、観音寺市の「のりあいバス」があります。JR観音寺駅から「粟井姫浜線」に乗車し、運転手さんに「粟井神社まで」と申告。
利用方法や時刻表など、詳しくは観音寺市ホームページでご確認ください。
粟井神社の御朱印
拝殿の前に新しくできた授与所がありますが、常駐はされていません。境内に宮司さんのご自宅があり、授与所には電話番号も記載されているので、連絡してご在宅であれば対応していただけます。
あじさい祭りの御朱印
あじさい祭りの期間中だけ、右下に「あじさいの宮」というスタンプが押されます✨
御朱印帳あります
社名入りではないので、粟井神社オリジナルかは不明ですが御朱印帳もあります。さわやかなブルー地に、青とピンクのあじさいの花が散りばめられています。
あじさいのほかにも、椿や紅葉など季節感あるデザインが4種類くらいありました。
兼務社の御朱印もいただけます
伊吹八幡神社があるのは観音寺市の離島ですが、於(おの)神社と黒島神社は粟井神社の近くにあります。先に参拝してから粟井神社へ、又は御朱印をいただいてからの参拝も可能な距離です(車があれば)。
▼於神社▼
▼黒島神社▼
粟井神社について
創建時期は不明。讃岐忌部氏がこの地を開墾したさい、氏神の天太玉命を祭ったのが始まりと伝えられる。「粟井」は阿波国または安房国から転じたという。かつては刈田大明神と称し、苅田郡(刈田郡、神田郡とも呼称)の由来となったという。
かつての鎮座地は、現在の鎮座地より南方約600mの所という。大同2年(807年)に焼失し、寛弘元年(1004年)に杉尾神社(現・粟井神社境内社杉尾神社)の地(現在地)に遷座したという。
室町時代、藤目山の山頂には藤目城が築かれていた。天正6年(1578年)に長宗我部元親の手で落城する。この兵火で粟井神社も焼失し、建物のほか、記録や宝物も失う。後に、この藤目城二の丸跡が御旅所とされ、昭和初期まで利用していたという(現・粟井神社境内社藤目宮)。元和6年(1620年)生駒正俊により再建される。明治12年(1879年)に県社に列せられる。平成13年(2001年)、現在の社殿が築かれる。(Wikipedia粟井神社より引用)
粟井神社は正確な創建年は不明ながら、式内社で名神大社という格式高い神社です。807年に焼失したという記録があるので、少なくとも1200年以上前から存在していました。”讃岐最古の神社”という説もあります。
社名が「あわい」なので、阿波(徳島県)から迎えた説・安房(千葉県)から迎えた説などもあり、由来は”阿波(安房)居”だとも考えられています。
また、由緒書きには「社伝によれば、忌部氏の天日鷲命より三十一代目の武持の二男久名という人が本社を奉遷した」とあり、忌部氏にゆかりの深い神社です。
粟井神社の御祭神
粟井神社の御祭神は天太玉命(アメノフトダマノミコト)、忌部氏の祖神です。古事記では布刀玉命(フトダマノミコト)と表記され、瓊瓊杵尊(ニニギノミコト)の天孫降臨に付き従った5柱の神(五伴緒、いつとものお)の1柱です。
天太玉命が率いた5柱の神の1柱が前述した天日鷲命で、両者は義理の兄弟にあたる関係だとか(天太玉命の妻の兄弟が天日鷲命)。
配祀神として天照大神(アマテラスオオミカミ)、月読命(ツクヨミノミコト)、保食神(ウケモチノカミ)の3柱がお祀りされています。
粟井神社の御神紋
粟井神社の御神紋はなぜか諏訪神社系統に多い「鎌」。
このあたりの古い地名が「苅田(かった・かた)郡」ということと、神田の稲を刈った鎌を御神宝としていたことがこの御神紋の由来だそうです。粟井神社も昔は「苅田大明神」と呼ばれていました。
☝徳島県名西郡石井町にある多祁御奈刀弥(たけみなとみ)神社も同じ「違い鎌」の御神紋で、式内社で御神紋に鎌が使われているのはとても珍しいそうです。粟井神社の宮司さんに教えていただきました😄
粟井神社の見どころ
粟井神社で個人的に気になる&おすすめの見どころを写真つきでご紹介します!参拝される前にチェックして参考になさってくださいね。
狛犬パラダイス!
いちばん手前にいる狛犬さん。やたらと高い台座に鎮座しておられましたが、台座が丸いのって珍しい気がします。お顔周りのクルっとした毛並みと、切れ長の目なお顔立ちも個性的でした。
こちらは2番目の狛犬さん、授与所の手前に鎮座しています。鼻デカ、ちょっと漫画っぽいお顔立ち。阿形はお股が男の子でした。狛犬としては比較的新しい昭和56年(1981年)生まれのアラフォーで、私と同世代☆
銘が読み取れたのはこの狛犬さんだけでした。
こちらは拝殿前の狛犬さん。いちばん狛犬らしい狛犬さんですが、よく見ると寄り目でひょうきんなお顔立ちでした。
拝殿と本殿
さすが名神大社、という立派な拝殿✨
柱の金色の装飾にはあじさいが彫りこまれていました。
社殿は新しい感じがしますがそれもそのはず、「平成の大改築」として2年の歳月をかけて改修されたもので、平成13年(2001年)に竣工しています。
拝殿には扁額の代わりに「延喜式内讃岐二十四社」の額があります。同じものが於神社と黒島神社にもありました。
こちらは御本殿、光の差し方でものすごく神々しい写真が撮れました👏
神馬
拝殿の手前には舞などが奉納されるステージ(神楽殿)がありますが、その奥から何やら視線を感じる…。
視線の正体はこちらの神馬さんでした🐎躍動感あるポーズで、観音寺の街並みを見守っています。
粟井神社は山の中腹にあってとても眺めがよくて、街並みだけでなく瀬戸内海も見えました。天気がいい日は、ぜひここからの景色もご堪能ください💁♀️
境内社いっぱい
拝殿の左側には山に沿ってたくさんの境内社が並んでいます。こちらは荒魂神社、粟嶋神社、地神社、厳島神社と並んでいて、いちばん奥には神輿庫・祭具庫があります。
拝殿左手で一段高いところにあるのが杉尾神社。扁額には「杉尾宮」とありました。
由緒書きにもあるとおり、もともとこの地に鎮座していたのはこちらの杉尾神社でした。先にこの地にあった神社なので、粟井神社の社殿よりも高い位置にお祀りされています👏
本殿に向かって右側にもどこからか合祀されたっぽい小さな祠がたくさん並んでいました。こちらには須賀神社、稲荷神社、龍王神社、荒魂神社、與禮神社、飛羅岐神社、地神社、天満宮があるようですが、どれがどれかは不明。
変わった社名の「飛羅岐(ひらき)神社」ですが、忌部氏がこのあたりを開拓したときに「餉器(かれいけ)」を開いたことから名付けられたものだとか。
藤目神社
粟井神社は山を少し上ったところにありますが、ふもとには「藤目神社」があります。
藤目神社の嚆矢は御膳守神社である。別名齋藤神社とも呼ばれる。
齋藤氏は遠祖を天兒屋根命とし、藤原鎌足を経て藤原利仁の子、叙用が伊勢神宮の齋館頭「齋宮頭」に任じられたことから齋宮頭藤原を略して齋藤氏が始まった。時代がくだり、室町(南北朝)時代に齋藤左衛門尉重久は後醍醐天皇、足利尊氏等に仕えた。
貞和二年(一三四六)齋藤下総守重親は、父重久の足利将軍家への忠節、勲功により知行所として讃州苅田郡を賜り、藤目山(百三十六、五m)に藤目城を築城した。
およそ二百三十年後、安土桃山時代の天正四年(一五七六)から天正六年の間、計四度に渡る土佐、長宗我部の軍勢との戦いに善戦空しく敗れ落城した。そこで、子孫が、この地射場に、下総守国重の霊を藤目大明神、妻鶴千代を鶴千代大明神として合祀し藤目神社が始まった。
現在では、毎年、春と秋に齋藤家の子孫や有縁の人々が、齋藤家先祖、並びに戦により藤目城周辺で亡くなった方々の霊を合わせてお祀りしている。
また、この神社は古から、お膳守様、おぜんまさんとして慕われているが、齋藤家の先祖がすぐ近くの粟井神社の祭神、即ち太玉命に奉る神饌を司る神様と言われることから、御膳守が、今ふうに「おぜんま」と呼ばれたものと思われる。(現地由緒書きより引用)
もともと粟井神社境内にあった御膳守社が境内下に遷座し、藤目神社となったそうです。
藤目城は粟井神社後方にある藤目山の山頂にあった山城ですが、天正6年(1578年)に長宗我部元親の兵火によって落城。またお前か。
現在は藤目城跡として石組や石碑などがあるのみですが、かつては二の丸に粟井神社の御旅所があったとか。
やっぱり見事!粟井神社のあじさい
粟井神社は境内に3000株のあじさいが植えられ、香川県でも有数のあじさいの名所として知られています。
毎年6月中旬には「あじさい祭り」が開催され、多くの人でにぎわいますが2020年は新型コロナの影響で残念ながら規模は縮小。あじさいの見物だけは例年通りできるので、平日でも20人~30人くらいの方が入れ替わり立ち替わり散策を楽しんでいました。
大鳥居周辺の山の斜面に沿って、ピンクやブルー、紫など色とりどりのあじさいが咲いていてまさに圧巻でした!これほどたくさんのあじさいはなかなか見られないかも😲
社殿へと続く参道沿いにもずっとあじさい並木が続いています。写っている人と比較すると、あじさいがかなりの高さまで植えられているのが伝わるでしょうか。
社殿左手に並ぶ境内社もあじさいに囲まれていました。前回参拝したのは11月だったので、当然ですが花も緑も少なく地味な印象でしたが、あじさいの時期は華やか!
こちらは「山あじさいの遊歩道」。社殿の右手奥に入り口があり、ぐるっと山を一周するように遊歩道が続いているようです。晴れていて暑い日だったので、ここまでで帰りました。
あじさい見物に行ったのは6月22日ですが、すでに花が終わりかけの株とまだまだつぼみが多い株と入り乱れていて、見ごろのピークは過ぎたかな?という印象でした。7月初めまでは楽しめるとは思いますが、いちばんの見ごろはやはり6月中旬ですかね🤔
来年はもう少し早めに行こうと思います。あと、晴れの日が続くと花がぐったりするので、雨上がりや曇りの日がいいかもしれませんね。
あじさいの花手水は必見!
コロナ対策として、手水を封鎖している神社やお寺が多いですが粟井神社でも現在は使用禁止。水鉢にはあじさいが浮かべられ、あでやかな花手水になっていました😄
あじさい見物に来られた方皆さんやはり食いついていて、人気の撮影スポットでした。密にならないよう、譲り合って見物&撮影されていました。
立入禁止のロープが張られていて、近づけないので写真を撮るのが難しいです😢
まとめ
粟井神社は「讃岐最古」ともいわれる、とても由緒ある神社です。広い境内にたくさんの境内社や小さな祠も並んでいて、昔からこの地域で重要な神社という雰囲気がありました。
兼務社の御朱印もいただけるので、近くにある於神社や黒島神社への参拝もおすすめです。
・粟井神社
・於神社
・黒島神社
・伊吹八幡神社(離島)
あじさい祭りは花の状況によって期間が変わりますが、いちばんの見ごろは6月中旬。花は7月初め頃までは楽しめるので、ぜひ見事なあじさいを見物しに行ってみては。
あじさいの名所まとめました💁♀️
おすすめのお立ち寄りスポット
粟井神社の近くで御朱印がいただける神社仏閣や、合わせて行きたいおすすめスポットをまとめました。
カマ喜ri
香川といえば、やっぱりうどん。粟井神社から4kmくらいのところに、「カマ喜ri(カマキリ)」という人気のうどん屋さんがあります😃
カフェみたいなかわいい店内で、メニューによっては具材でお顔を作ってくれるおしゃれ系のうどん屋さんですが、味は硬派。麺は中太でやや柔らか目、小サイズ(1玉)でもボリュームがありました。
平日でも開店とともに満席になるので、確実に食べたい場合は開店前から並ぶのがベター。
■定休日:日曜日
■座席:28席
■駐車場:無料(20台)
★「食べログうどん百名店」にも選出されています。
▼食べログ▼
▼Facebook▼