「巡礼」といえば、西国三十三観音霊場や四国八十八か所霊場などの霊場を巡ることですが、とにかく長丁場なイメージがありますよね。
一方、淡路島にある「淡路島七福神霊場」は島内の7か寺をめぐる比較的コンパクトな霊場なので、一日ですべて巡ることもできます。
この記事では、
- 淡路島七福神巡りの概要
- 出発地別のおすすめコース
- 札所となっているそれぞれのお寺
についてを分かりやすくまとめています!
これから初めて淡路島七福神めぐりをしようと考えているあなた、ぜひ参考になさってください💁♀️
「淡路島七福神」って?
☝こちらは八浄寺にある七福神の絵です。
左から
毘沙門天(びしゃもんてん)
弁財天(べんざいてん)
布袋尊(ほていそん)
大黒天(だいこくてん)
恵比須(えびす)
寿老人(じゅろうじん)
福禄寿(ふくろくじゅ)
と並んでいて、この神仏のことを「七福神」といいます💁♀️
七福神を祀る寺社をお参りすることを「七福神めぐり」や「七福神参り」といい、この習慣自体は全国各地にあるもの。
そのうちのひとつ、「淡路島七福神」は淡路島にある7つのお寺が札所として設定された霊場となっています。
淡路島七福神めぐりのパンフレットによると、
古事記や日本書紀の神話によれば、日本の国を創った「イザナギ」「イザナミ」が最初に生んだ島が淡路島だとされています。
この”日本のふるさと”淡路島には、歴史のロマンを秘めた数多くの史跡や文化遺産があり、四百余りの古刹の社寺が点在しています。それぞれ古くから人々の信仰を育んできましたが、とりわけ七福神信仰は淡路全島の町や村の風土の中で素朴で厚い信仰を集めてきました。
えびす大黒を始め、古くから幸福をまねくといわれる七福神をそれぞれお祀りする寺院が広く全島にまたがり、まさに淡路島そのものが七福神乗合いの宝船と見たてられます。
明石、紀淡、鳴門の三つの海峡に囲まれた景勝地淡路島の風景を織りまぜての七福神めぐりは、心の里帰りの場として、ふるさとの暖かさと心の安らぎを与えてくれます。
世界最長の吊橋・明石海峡大橋は、島をつなぎ、人をつなぎ、未来への夢をつなぐ橋と言えましょう。
淡路島七福神めぐりは、まさしく心の中の宇宙への旅であり、壮大なロマンの旅でもあります。(淡路島七福神めぐりパンフレットより引用)
このような由来があります。
ざっくりまとめると、
- 淡路島は伊弉諾尊(イザナギノミコト)、伊弉冉尊(イザナミノミコト)の神生み神話でも有名で、3つの海峡に囲まれた風光明媚な土地!
- 島内では古くから七福神を祀る寺社が多く、信仰も盛ん
- 淡路島自体を七福神が乗る宝船に見立てて、島内に札所を設定したよー!
といった内容。
淡路島の島内に札所がまんべんなく配置されているので、淡路島ののどかな風景を楽しみながら霊場巡りができるのもうれしいポイントですね🥰
おすすめのコース
ご覧のとおり、島内の北から南まで東側と西側にわたっていい感じにお寺が配置されています。
地図内の①~⑦は札所番号ではありますが、この順番通りに周らなくてOKです🙆
他の霊場と違い、お寺にもとくに「淡路島七福神霊場〇番札所」みたいな掲示はありません。
関西や四国から参拝する場合は距離的には日帰りでじゅうぶん周れますが、より効率よく進めるためには出発する場所からいちばん遠いお寺から始めるのがおすすめ。
具体的には”どちらの橋を渡って淡路島に入るか”によります。
神戸・大阪方面から明石海峡大橋を渡る場合
徳島県寄りの南あわじ市から始めるのがおすすめ。
南あわじ市には覚住寺、護国寺、万福寺の3か寺があり、すべて車で5分~10分くらいの距離で固まっています。
護国寺と万福寺、覚住寺に参拝し、淡路島の西側にある長林寺と智禅寺に行ってから東側の宝生寺に行き、最後にいちばん神戸寄りの八浄寺に行くとベストかもしれません。
四国方面から鳴門海峡大橋を渡る場合
いちばん本州寄りにあるので、八浄寺から始めるのがおすすめ。
八浄寺からいちばん近いのが宝生寺、その次に西側へ回って智禅寺と長林寺に行き、南あわじ市のお寺に向かうのがベスト。
この3か寺は札所間の距離が近いのでどこから回ってもOKですが、帰りの高速のインターにいちばん近いのは護国寺だと思います。
▶本州寄りから始める場合は八浄寺
▶四国寄りから始める場合は護国寺
からスタートするのがおすすめ。
淡路島七福神めぐりのお作法について
淡路島七福神は関西方面からも四国方面からも行きやすく、霊場のなかではわりとメジャーな存在ですが、初めて行く場合はお作法などにいろいろと不安があるかと思います。
各お寺でのだいたいの流れは以下のとおり。
- 受け付けでハッピー券を提示して、1人につき200円を納める
- 御朱印をいただく
- 本堂にて御祈願&法話
この流れについて、詳しく解説しますね💁♀️
ハッピー券いる?いらない?
淡路島七福神を紹介する観光サイトやブログ等では、だいたい”最初にお参りするお寺で必ず「ハッピー券」をもらいましょう。”と書いてありますよね。
てっきり自己申告しないとハッピー券をもらえないものと思っていたんですが、実際は最初に行ったお寺で「淡路島七福神は初めてです」と言うと、わりと有無をいわさず「これを持って回って下さい」という感じでした😂
ハッピー券ありで巡礼する場合は、
各お寺ごとに一人200円(7か寺で1400円×人数分)を納めていく
ことになるので、そのぶんお金はかかりますが、結果としてやはりハッピー券ありのほうがおすすめです🙆
ハッピー券なしの場合、コンプリートしても☝福笹はもらえませんし…。
それでも、お接待も福笹も断固いらない!という場合は鉄の意思で断りましょう🙅♀️
最初のお寺ではハッピー券のほか、霊場のパンフレットもいただけます。
パンフレットにはおおまかな地図も載っているので、位置関係をイメージしながら効率よくお参りしましょう。
福笹が干支の色紙になる!
七福神めぐりは年の始め、松の内まで(地域により1月7日又は15日)に行うのが一般的とされます。もちろん、年の始めだけではなく、いつ巡礼しても大丈夫ですよ!
ただ、前の年にもらった福笹は次回の七福神めぐりのときに持って行くと干支の色紙と交換してくれます!
なので、毎年1月に巡礼するリピーターの方も多いようです。
私もその一人で、今年で4回目です。
こちらの干支の色紙は無料でいただけますが、色紙の左下にお寺の印を押してもらう場合は別途200円が必要です(この対応はお寺によってあったりなかったり)。
こちらは押さなかったバージョンです。
お接待までついてくる!
ハッピー券持参で参拝すると、お寺ごとに”お接待”としてお土産があります。200円で御祈願とお土産つき、お得感がすごくないですか👍
- 八浄寺→花の種とマッチ
- 宝生寺→絵葉書
- 覚住寺→延命箸
- 智禅寺→ミニうちわ
- 長林寺→メモ帳
- 護国寺→ポケットティッシュ
- 万福寺→鉛筆
「御祈願」ってどんな感じ?
淡路島七福神をハッピー券持参でお参りすると”御祈願”がついていて、ご住職と一緒にお勤めができます。
この御祈願の内容は最初から決まっている定型文ではありますが、家内安全や商売繁盛、交通安全、無病息災といった誰にでもあてはまる願いを一通り祈願してくれますよ🙆♀️
お勤めの作法についてはすべてのお寺で簡単に説明があるので、淡路島七福神は巡礼初心者におすすめなんです🤗
お勤めの流れ
淡路島七福神でのお勤めの流れは各寺共通で、
二拍手→般若心経→御本尊の御真言→二拍手
の順となっていて、ご住職の「一同拍掌(はくしょう)」のかけ声で始まります。
淡路島七福神でお参りするのはすべてお寺なんですが、七福神は神さまなので、神社のようにパンパンと2回柏手を打つのが新鮮でした👏
また、淡路島七福神のお寺で唱える般若心経はかなりハイスピードで独特なものでした。
七福神霊場は本来は年の始めの1月7日までにお参りするもの(諸説あり)なので、景気づけのためにテンポよくしているそうです。
御本尊の御真言(ごしんごん)についてはすべてのお寺で本堂内に掲示されているので、何も知らなくてもその場で一緒に唱えることができます。
大黒天:おん まかぎゃらや そわか
寿老人:おん ばざらゆせい そわか
弁財天:おん そらそばていえい そわか
福禄寿:おん まかしり そわか
布袋尊:おん まいたれいや そわか
恵美酒太神:なむ えびすたいじん
毘沙門天:おん べいしらまんだや そわか
恵美酒太神は日本発祥の神さまなので、御真言も「おん〇〇そわか」形式ではありません(豆知識)。
御真言を唱える回数は3回が基本ですが、八浄寺と智禅寺、長林寺は7回でした。御真言を唱える回数については事前に指定がなかったように思うので、だいたい3回でOKと覚えておいてください😂
お経とか知らんし!💦という場合は、ご住職が唱える般若心経を手を合わせて静かに拝聴すればOK🙆♀️
ですが、せっかく霊場めぐりをするなら、般若心経も御真言もぜひ一緒に唱えてみてくださいね。上手いとか下手とかありませんから、たどたどしくても気持ちを込めて読むことがいちばん大事です✨
般若心経についてはマイ教本をお持ちなら持参するのがおすすめで、般若心経の教本の貸し出しがあったのは護国寺だけでした(現在はコロナの影響で貸し出し中止です🙅♀️)。
「法話」について
御祈願とセットになっている「法話」では、読経の前後に七福神の神さまについての解説や淡路島のこと、お寺の歴史についてなどなど、お坊さんがいろいろなお話をしてくださいます✨
が、この点に関しては淡路島七福神の口コミでも落差が激しいところ。。。
法話の有無やお話していただける時間(お話の長さ)については完全に運ゲーです。
これは本当に参拝のタイミングによります。淡路島七福神のお寺はそれぞれが檀家を抱える小規模なお寺ですし(基本的にご住職と家族だけでお寺を運営されています)、観光地の大寺院のように1か寺に多くのお坊さんがいるわけでもないため、法要などでご住職が不在の場合もあります。
口コミではボロクソだったお寺がそうでもなかったり、逆に評判がよかったお寺が思いがけず塩対応だったり。昨年はしっかりと法話があったのに、今年はないなぁ…とかもあります😂
初めてだと「法話と御祈願とおみやげつきで200円ちゃうんかい!🤬」となるかもしれませんが、ハッピー券の200円=拝観料くらいに思って巡礼すると幸せになれます。。。
淡路島七福神の御朱印について
淡路島七福神にはオリジナルの御朱印帳(寶印帳=宝印帳)があります。和綴じで、宝船がデザインされているおめでたい図柄でした✨
7か寺の納経料:各300円
こちらの宝印帳を受ける場合は、最初のお寺で宝印帳本体+7か寺分の納経料=合計2800円をまとめて支払います。
それぞれのお寺では帳面を出して印を押してもらうだけで、個別にお支払いは必要ないというシステムでした💁♀️
この宝印帳はどのお寺でも受けることができます。
お寺ごとのページは印刷ではなく、それぞれきちんと墨書きされて朱印が押されているものです。
お寺ごとに御朱印のページ(左)と御本尊の御影(おすがた)のページ(右)という構成になっています。
宝印帳のほかにも七福神の絵入りの色紙や掛け軸など、デザインも大きさも様々な種類があるので、お好みのスタイルで巡礼できますよ😊
ちなみに、淡路島七福神は7回巡礼すると記念品がいただけるそうですよ✨
記念品は淡路島七福神オリジナルの「輪袈裟(わげさ)」だそうです。本来、霊場の巡礼をするときは輪袈裟をかけるのが正式スタイル。
首にかけるこんなやつです。
淡路島七福神オリジナル御朱印帳あります
宝印帳よりもコンパクトな淡路島七福神のオリジナル御朱印帳もあります。
この御朱印帳は各お寺ですでに七福神の御朱印が入った状態で授与されるので、御朱印帳本体の1300円+300円の納経料が必要となります。
七福神の各お寺で御本尊の御朱印もいただく予定なら、こちらの御朱印帳もおすすめですよ🙆♀️
【頒布終了】特別御朱印が登場!
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令和3年1月1日より、淡路島七福神霊場開創50周年を記念してカラーの御宝印が頒布されます。
それぞれ七福神の神さまをイメージした色で、並べるととてもカラフルですね✨
額装にもぴったりですし、そのまま御朱印帳に貼りつけることもできます。
こちらを拝受できるのは令和3年(2021年)の1年間限定となっているのでご注意ください🙇♀️
【追記】頒布期間が2022年2月3日まで延長されました!が、数量限定なのでなくなり次第終了となります。希望される方はお早めに。
兼任している霊場・札所一覧
淡路島七福神霊場の札所となっているお寺はすべて七福神以外にも別の霊場の札所にもなっているので、別の御朱印もいただけます。
淡路島七福神 | その他札所(御朱印あり) | ||
1番札所 | 万福寺 | 恵比須 | 淡路四国番外札所 淡路四十九薬師霊場第14番 |
2番札所 | 八浄寺 | 大黒天 | 淡路四国八十八か所第64番 |
3番札所 | 覚住寺 | 毘沙門天 | 淡路四国八十八か所第9番 |
4番札所 | 智禅寺 | 弁財天 | 淡路四国・西国番外札所 |
5番札所 | 長林寺 | 寿老人 | 淡路四国八十八か所第45番 淡路西国三十三観音第18番 |
6番札所 | 宝生寺 | 福禄寿 | 淡路四国八十八か所第75番 |
7番札所 | 護国寺 | 布袋尊 | 淡路四国八十八か所第17番 |
受付で「御本尊の御朱印もお願いします」とオーダーすると書いていただけます。
宝生寺以外は御朱印帳に直接書いていただけましたが(宝生寺はシールタイプの書置き)、状況によっては書置きになるかもしれません。
七福神を祀る7つのお寺と御利益
淡路島七福神の各お寺についてはリンク先に詳細がありますので、ぜひご覧ください💁♀️
- 大黒天:八浄寺
- 寿老人:宝生寺
- 弁財天:智禅寺
- 福禄寿:長林寺
- 布袋尊:護国寺
- 恵美酒太神:万福寺
- 毘沙門天:覚住寺
大黒天
2番札所八浄寺(はちじょうじ)は身・心の裕福を授けるみ寺です。
いちばん神戸寄りにあり、本州から行く方はここからスタートする場合が多いそうです。淡路島七福神霊場の事務局なので、初めて巡礼する場合はこちらからスタートすると安心かも。
境内には大きな瑜祇塔(ゆぎとう)もあり、いちばんお寺っぽいお寺でした。
寿老人
6番札所宝生寺(ほうしょうじ)は達者で長寿を授けるみ寺です。
本堂の向かいに大きな売店があり、淡路島のお土産なども購入できます(現在はコロナの影響で閉まっています)。本堂の右奥に巨大な橋があり、「渡ると寿命が10年延びる」といわれています。
弁財天
4番札所智禅寺(ちぜんじ)は良妻・賢母の道を授けるみ寺です。
本堂にはいろいろな仏さまがお祀りされていて、間近で拝顔できるのが特徴✨
マツコ・デラックスさんに激似と話題になった「マツコ弁財天」も拝顔できます。
福禄寿
5番札所長林寺(ちょうりんじ)は大望成就を授けるみ寺です。
長林寺では横長の本堂を通り抜け、観音堂でお勤めをしますがこの観音堂がすごい!
護摩をたくので内部は天井まで真っ黒で、堂内のすべてが1000年以上の歴史があるという重厚な雰囲気でした。
※堂内は写真撮影禁止です。
布袋尊
7番札所護国寺(ごこくじ)は家庭円満・和合を授けるみ寺です。
四国側からだと護国寺がいちばん近く(たぶん)、売店も大きくて品数豊富。スタート地点としておすすめです。
朱塗りの仁王門や本地堂の豪華な屋根瓦もインパクトありました。
恵美酒太神
1番札所万福寺(まんぷくじ)は幸せの釣り方授けるみ寺です。
護国寺から車で5分くらい。境内はややコンパクトですが、ボケ封じ観音や薬師堂などがあり、いろいろな仏さまがお祀りされています。
毘沙門天
3番札所覚住寺(かくじゅうじ)は勇気と決断を授けるみ寺です。
淡路島最古のお寺といわれ、毘沙門天のお使いであるムカデにあやかった健脚祈願でも有名です。
人気の七福神おみくじ
最近、インスタグラムなどSNSで人気の七福神のおみくじがあります🥰奥の左から布袋尊、弁財天、毘沙門天、福禄寿、寿老人、手前の左から大黒天、恵美酒太神の並びです。
ふんわりとした色使いとコロンとした形がかわいい陶器製で、こちらは各お寺に置いてあるので巡礼しながら集めていくのが楽しい🎵
八浄寺にある大黒さんのおみくじはこちら、ちょっとテイストが違います。
ふんわり系の大黒さんは万福寺で買えます。
もうひとつ、ポップな色使いの木製のおみくじもあります。
奥の左から毘沙門天、弁財天、寿老人、福禄寿、手前の左から布袋尊、大黒天、恵美酒太神の並びです。
いや上と並べ方揃えろよ😂
ちなみに、こちらは万福寺にしかないもので、万福寺に七福神の全種類が置いてあります。
万福寺は陶器製、木製ともに7体揃ったコンプリートセットがあるので、こちらで一気に購入するのもおすすめです👌
おみくじ以外にも各お寺にはいろいろな授与品がありますが、基本的にそのお寺でしか扱っていないものが多いです。
気になったものがあれば即購入がおすすめですよ👍